日車たちの目的
244話の日車や日下部たちの会話をまとめていく。
日車の目的は、宿儺を有罪にして術式を『没収』、または宿儺に『死刑』を科して『処刑人の剣』を獲得すること。
没収(コンフィスケイション)なら、宿儺の術式を一時的に使用不可にできる。また、術式の没収による影響で、基礎的な呪力操作も不安定になり、宿儺は著しく弱体化をする。術式がないものに対しては『呪力が完全に練れなくなる』という刑が科される(虎杖の場合)。
死刑(デス・ペナルティ)なら、日車のガベルが『処刑人の剣(しょけいにんのつるぎ)』に変化。その剣で斬られた者は、例外なく死に至る。宿儺とて例外はない。
虎杖の第二審(渋谷の大量殺人)の場合は、『没収を付加された死刑』が科された。渋谷の大量殺人は相当な数の人が死んでいるので、日車の領域の最高刑である『没収』+『死刑』が科されたものと思われる。この場合、術式(呪力)を没収した上で、処刑人の剣をもって戦える(つまり倒しやすい)。
宿儺の罪
宿儺の今までの罪状についてまとめる。
虎杖のいた高校(杉沢第三高校)での行為
- 虎杖に対する傷害(肉体の乗っ取り)
- 五条悟に対する殺人未遂
少年院での行為
- 虎杖に対する殺人既遂(虎杖が生き返っているので未遂かも)
- 伏黒恵に対する殺人未遂
渋谷での行為
- 呪詛師の女子高生2人(ミミナナ)に対する殺人既遂
- 市民多数への殺人未遂(虎杖が自白したためまだ未遂?)
- サイドテールの呪詛師への殺人既遂
伏黒恵に対する行為
- 傷害(肉体の乗っ取り)
- 殺人未遂または既遂
- 伏黒が死んでいる場合は死体領得罪(死体の所持・占有)
殺人罪の量刑相場は、1人殺したら懲役10年~15年。2人殺したら無期懲役や死刑。3人以上殺したら基本的には死刑。
宿儺の場合は3人以上殺しているので、普通の裁判なら基本的には死刑。
ただ、日車の領域『誅伏腸死(ちょうぶくしし)』での裁判では、一つ一つの罪状をもとに裁判が開かれる。
渋谷の大量殺人においても、建物を壊したことに対し『器物損壊罪』や『建造物損壊罪』に問う可能性がある。また、宿儺が虎杖の中にいた頃の、『虎杖の軽い罪』に対して裁判が開かれる可能性もある。
1000年前の罪
宿儺の1000年前の罪に『時効』はあるのか?
- 明治時代に近代法が導入された、近代法には時効の概念がある(じゃあ時効か)
- 2010年に刑事訴訟法が改正されて、殺人の時効はなくなった(時効じゃないってこと!?)
- 1985年以前の殺人には時効が成立している(時効じゃん!!)
- 平安時代の『養老律令(ようろうりつりょう)』という法体系には時効がない(ほな時効違うか…)ミルクボーイ風
普通に考えたら時効。しかし、1000年前の罪を時効にできるかどうかは、天才日車の知識をもっても分からないと言う。宿儺は1000年前に呪物化しているため、呪物化している間の扱いによっても変わる模様。
この件は判例もないため裁判官次第。つまりはジャッジマン次第となりそう。
術式の没収対象
仮に宿儺を有罪にできたとして、術式の没収対象は何になるのか?
宿儺は現状、3つの術式を持っている。
- 斬撃を放つ『御廚子(みずし)』
- 伏黒恵の術式『十種影法術(とくさのかげぼうじゅつ)』
- 炎の矢を放つ術式
全て没収できるのか、それとも宿儺本人のもの(御廚子)だけなのかは不明。
私は宿儺本人のものだけを没収すると予想。
宿儺の術式だけを没収したとしても、術式が没収された影響で、基礎的な呪力操作が不安定になり、他の術式も使えなくなるのではないだろうか。
現在の状況
虎杖の第二審(渋谷の大量殺人)では、虎杖が自白したため判決が下った。その後、刑を執行する前に日車が術式を解いたため、刑の執行は実質保留状態となっていた。
そこで開かれたのが第三審。虎杖の自白を虚偽のものとし、検察役である日車の方から再審請求。
虎杖・宿儺を『共同被告人』とした上で、裁判のやり直し。
つまり、虎杖もまだ被告人の状態。虎杖の罪が晴れたわけではなく、宿儺を真犯人にして、虎杖の無罪を勝ち取らなければならない。
宿儺の陳述
焦点は宿儺の陳述内容。
日車の領域『誅伏腸死(ちょうぶくしし)』による裁判では、被告人にそれぞれ1度だけ陳述の機会が与えられる。
- 『黙秘』
- 『自白』
- 『否認』虚偽陳述を含む
選択肢は上記の3つ。虎杖の陳述に関しては、日車が自白を虚偽と申し出ているため、再び陳述の必要はなさそう。したとしても否認の一択。
宿儺はどういった陳述をするのか。黙秘と自白は、自動的に宿儺が有罪となるため選択しないはず。そのためこちらも否認の一択。
244話の最後で不敵な笑みを浮かべていることも引っかかる。この笑みは、『面白そう』という感情の表れなのか、それとも一瞬で裁判ということを理解し、勝てる見込みを感じたのか。
現行法に関しては、伏黒恵の肉体から情報を得ているはず。宿儺の今の法知識は、伏黒がどこまで法律に詳しいかにもよる。虎杖の肉体からも情報は得ているものの、虎杖は法律に疎いため大した情報はなかったと推察。
日車の領域は『法の下の平等』で成り立っているため、日車が宿儺を真犯人と決めつけられるものではない。宿儺にも陳述の機会が与えられ、無罪になれる穴もあるはず。
宿儺が無罪になる方法
それは一体どんな方法なのか。考えられる要素は以下の通り。
- 1000年前の人間
- 呪物化
- 受肉体
- 檻
宿儺は実在した『1000年前の人間』。呪物化して時を超え、受肉体として蘇った。
しかし、虎杖の中の宿儺は完全なヒトではなかった。
虎杖は宿儺を封じ込める『檻』として、完全に体を乗っ取られることはなかった。宿儺は虎杖の精神世界に存在し、受肉体としては不完全な状態だった。まだ『1人のヒト』と呼べる状態ではなかったように思える。
今の宿儺は、伏黒の体を乗っ取り完全な受肉体となった。この違いが裁判に影響を与えるのではないだろうか。実体のないものを裁くことは不可能。精神を裁くというのは聞いたことがない。
虎杖の中の宿儺は胎児のようなもの?
生まれていないものを罪に問うことはないだろう。
今裁判にかけられているのは、完全に復活した宿儺。今なら人と呼べるはず。
今裁判に出ているのは完全な人である宿儺。裁判の罪状は、人ではなかった頃の宿儺の罪。このような内容で宿儺が陳述を行えば、無罪になるかもしれない。
もう1人の人格を出してくる?
私は、宿儺の中に『もう1人の何か』が潜んでいると考えている。宿儺は『謎の炎の術式』を使う。それは宿儺自身の生得術式ではないことが判明している。
宿儺の中に双子の片割れがいたり、人格をもう1つ持っている可能性は否定できない。例えばそちらが本体だとしたら。宿儺も虎杖と同様、心神喪失を理由に無罪になるかもしれない。
ジャッジマンは全てを知っている
日車の式神・ジャッジマンは、裁判にかけられている者の全ての情報を知っている。つまり宿儺の全てを知る存在。
そのため、ここで宿儺の過去や謎の術式についてなど、一部明かされる可能性がある。その線でいくなら、宿儺のもう1人の人格(例えば双子など)の存在が明かされると面白い。
まとめ
弁護士・日車が参戦すると、一気に話が複雑になり難しくなる。ついていけない人も、今回の記事で少しはまとまったと思う。
きっと私の予想以上の、面白い展開が待ち受けているはず。次週は休載とのことなので、11月11日の245話を楽しみに待ちたい。