テレビアニメ「鬼滅の刃」刀鍛冶の里編 最終話で明らかになった、禰豆子の太陽克服。今回は「太陽克服考察 完全版」をお送りします。結局のところ、禰豆子の太陽克服の謎については、未だ公式には明確にされていません。
しかし、逆にそれは良い影響を視聴者に与え続けています。謎を残すことで、考える余白を与えられている。様々な角度から考える楽しみがある。
今までにも、様々な考察が成されてきました。青い彼岸花説、竈門家の体質説などです。今回はそちらをまとめた上で、ここなの研究所独自の考察を公開します。
これから先、あっという間に柱稽古編も公開になるでしょう。次の章を存分に楽しむためにも、今のうちにチャンネル登録をお願いします。いいねと共有ボタンもプッシュ。では参ろう。
竈門禰豆子の歴史
まず、作中で竈門禰豆子が、どのような経緯を辿ってきたのか。そこを詳しく知っていただきます。
鬼化直後
禰豆子は原作1話にて、鬼舞辻無惨の手で直接鬼にされました。鬼にされた者が、家族を襲うことはよくあること。禰豆子も御多分に洩れず、初めに炭治郎を襲ってしまいます。
本来ならここで歯止めが効かず、家族を喰ってしまうことで後戻りができなくなります。不死川の母や、珠世がいい例でしょう。
しかし、禰豆子は一味違いました。炭治郎の必死の呼びかけにより、涙を流し始めます。そして、現れた冨岡義勇が炭治郎を傷つけたことで、禰豆子の中で何かが変化した。なんと、鬼が人を庇うという異例の行動を取ったのです。
これには、柱である冨岡義勇も驚いた様子。おそらくこれは、今までになかったこと。義勇は禰豆子の頸を撥ねずに、手刀で意識を奪うのみとしました。
冨岡義勇の手刀が優秀
ここでの義勇の判断が優秀でした。「禰豆子を殺さなかった」という事実だけではなく「実はここで義勇が、禰豆子を人を喰わない鬼にした」という意味も隠れています。
通常なら、鬼化した直後は極度の飢餓状態となり、人を喰わずにはいられない。そこを義勇の手刀によって、人を喰わずの鬼化を成功させたのです。
そして、ここで禰豆子は既に、通常ならあり得ない血の成分の変化を起こしている。意識を取り戻した禰豆子は、うつろな目をしており、ボーッとしている状態。これは珠世の言っていた「自我を取り戻すより優先すべき何か」を既に優先している状態です。
禰豆子は炭治郎の必死の訴えにより、残された自我を使い炭治郎を守ろうとした。そして、義勇の手刀で意識を絶たれたことにより、無意識化に血の成分を変化させ、人を襲わないレベルまでに血の成分を変化させた。
禰豆子は、意識を取り戻す前は血を流していますが、意識を取り戻す頃には傷が癒えています。ここで、眠ることにより回復する術を会得しています。まずはここが第一段階。太陽克服の初動については、もう少し先だと思います。
二年間の眠り
禰豆子は、完全に人を喰わない鬼には進化できていませんでした。やはり人の血肉を見ると、涎を垂らし欲してしまう。しかし、それでも喰うことはなく、炭治郎の危機には鬼と戦うことを優先しています。
そして、ここから禰豆子は二年間の眠りにつきます。ここでおそらくは、完全に人を喰わなくても良い状態となった。ただ、不死川実弥のような稀血を目の前にした時や、体力の使い過ぎによる極度の飢餓状態に至っては、人の血肉を欲している場面がありました。完全に克服というのは難しいようです。
そして禰豆子は、鬼舞辻無惨の呪いも自力で解いています。そのため、居場所を特定されずに済んでいます。
また、とても重要な要素である「鱗滝の暗示」も眠っている間にかけられています。「人間は皆家族、人間を守れ、鬼は敵、人を傷つける鬼を許してはならない」。この暗示により禰豆子は、炭治郎という家族だけを守る状態から「人類皆家族」を守る状態に進化しています。
太陽克服への道のり
ここまでの禰豆子の経緯をまとめます。まず、冨岡義勇に強制的に眠らされたことで、人を喰わずの鬼化に成功。そして、その要領で今度は二年間の眠りにつき、無惨の呪いを解除。人を喰わずとも生きられる体に変化。
また、鱗滝の暗示により、人類が皆家族と認識できる状態になる。ただ、暗示とはいえ完全に洗脳されているわけではなく、珠世などの害のない鬼に対しては、自身の意思で家族だと判断している。
そこからの禰豆子の変化といえば、那田蜘蛛山での爆血の習得、遊郭での極度な鬼化があります。どちらも炭治郎を守るための変化です。遊郭では、上弦並みの再生力も見せました。
二年間の眠り以降の禰豆子は、如何にして炭治郎を守れる強さを手に入れるかを優先。また、同時に太陽克服も目指していたのでしょう。そのため珠世の言っていた「頻繁な血の成分の変化」が起きていた。
那田蜘蛛山での爆血習得、遊郭での極度な鬼化は、いずれも突発的なもの。それらを集約したのが、今回アニメで放送された刀鍛冶の里編です。刀鍛冶の里編では、新たに爆血刀という特殊スキルも習得し、極度な鬼化も完全に自分のものにしていた禰豆子。
また、激しい戦いを戦い抜いていたことから、体力も向上していた様子が見られます。再生や爆血を頻繁に使用し、超鬼化状態で戦っていた禰豆子。しかし、遊郭のように体力切れということは起きていません。明らかな体力アップが見られました。
そして、刀鍛冶の里編 最終話で、ついに太陽克服をしてのけた禰豆子。それ以降は言葉を喋るようになり、ようやく自我を取り戻していきます。禰豆子が自我を取り戻すより優先していたものは、人を守れる強さ、太陽克服の二つです。
太陽克服の条件と方法
人を喰わない
禰豆子を振り返る上で見えてきたもの。まず一つ目は「人を喰っていない」ということです。私たちの世界では、人の肉を喰うことで ある病気を発症した事例があります。プリオン病。脳に支障をきたし、精神状態が悪化してしまう。鬼の異常な精神状態は、これが由来なのかもしれない。
また、人の血だけを飲む場合、少量ならそこまでの影響は出ないと聞きます。これは珠世や愈史郎・浅草の旦那が、少量の血で自我を保ちつつ生きていることに繋がる。
禰豆子に関しては、人の血と肉、いずれも摂取していません。運良く義勇の手刀で眠りにつかされ、そこで人を喰わずの鬼化を実現。そして二年間の眠りにより、血液を改造、ほぼ完全に「人を喰わなくても済む鬼」となりました。
この人を喰わないことが、太陽克服と直結しているかどうかは、ハッキリと言い切ることはできません。明確な証拠がないからです。
関係している点で言えば「人を喰わなかったことで最低限の自我を保てた」ということでしょうか。最低限の自我がなければ、血の成分の変化も起こせなかったかもしれない。また、無惨の呪いを解けなかったかもしれない。そのような点が推測できます。
また「他者の血を混ぜなかった」というのも大きいかもしれない。鬼は通常、人の血肉を喰らうことでパワーアップしていきます。禰豆子はどちらも摂取せず、自身の血だけで成長を続けました。もしも余分な血が混ざっていれば、爆血の習得や、上弦並みの鬼化はできていなかったかもしれません。
眠ること
眠ることも重要な要素としてあります。竈門家と眠りには、過去から深い関係性があります。正式には、戦国時代に竈門炭吉と結婚した、すやこが深く関係しています。つまり、すやこの家系の血筋が関係しているのです。
すやこはとてもよく眠る女性でした。これは一種の病気のようなもので、突然道端で眠ってしまうこともあったそうです。このすやこの眠りの要素が、竈門家の血筋に混ざることで、その要素が現代にまで受け継がれていきました。
では、眠ることが太陽克服に どう関係しているのか。これについては、竈門家の眠りの場面を読み解くと 見えてくるものがあります。ここでは、意識を失っている場面も 眠りと同一視しています。
まず、眠りと言えば炭治郎の見た夢。記憶の遺伝です。記憶の遺伝は、眠ることにより見る夢。竈門家は、記憶の遺伝によりヒノカミ神楽を繋いできた。実際に炭治郎も、眠っている間に見た記憶の遺伝により、ヒノカミ神楽の型を完全に自分のものにしています。
問題は、禰豆子の太陽克服と、記憶の遺伝がどう関係しているのかということ。これがまた、ハッキリと根拠づけることはできません。言えることは、すやこから受け継いだ睡眠法が、禰豆子の体質変化に何かしら役立ったのではないか、という事だけです。また、禰豆子にも何かしらの記憶の遺伝があった可能性も。
竈門家の特殊な体質
竈門家は特殊な体質。これは間違いありません。問題は、どうやって特殊な体質になったかです。禰豆子に関しては、最初からそういった体質だったのではなく、自身の血の成分の改良により、最終的に太陽を克服できる体質になりました。
炭治郎においては、血の改良という暇もなく、太陽を一瞬で克服しています。この二人の違いは何でしょうか。それはやはり「日の呼吸をマスターしているかどうか」の違いです。
鬼舞辻無惨は言っていました。「竈門炭治郎、お前は陽の光をも克服し、最強の鬼の王となるだろう。なぜならお前は、竈門禰豆子と血を分けた兄であり、あの化け物と同じ呼吸を使うことができた 唯一の者」。
この発言は、禰豆子と同じ血筋でありながら日の呼吸を使えたという事が、太陽克服に繋がるといった発言。つまり、禰豆子は日の呼吸を使えないため、自身の血の改良が必要だった。炭治郎は日の呼吸が使えたため、血の改良なしに太陽を克服できた。
また、無惨が最後のすべての力を炭治郎に託したことも、影響があったのかもしれない。1000年以上研究を続けてきた、鬼の始祖の血や力を受け継いだ炭治郎だったからこそ、太陽を一瞬で克服できたのかもしれません。
日の呼吸
日の呼吸が太陽克服に関係している。それは何となく分かります。それを根拠づけるものとして、ひとつの考察があります。それは、継国縁壱と寿命に関するものです。
縁壱は痣者の代償である、寿命25歳を軽く超え、80歳そこらまで生き永らえました。ここに日の呼吸が関係していることは明白。つまり、日の呼吸とはそういった類のもの。デメリットを打ち消せる特別な呼吸法。
寿命克服も太陽克服も可能にしてしまう、特別な呼吸法。日の呼吸とは「太陽の呼吸」。これを知ることにより、太陽克服をできた説もあり得る。
竈門家は、日の呼吸を受け継いできた家系。そのため、戦国時代から徐々に体質変化していった可能性があります。実際にヒノカミ神楽を使う者はより濃く、しない者、例えば禰豆子達も、ある程度は日の呼吸法の影響を受けていたと思われます。そのため、禰豆子も太陽克服の素質があったと言える。
青い彼岸花
竈門家は青い彼岸花を食べていた。そのため特殊な体質を持っていた。そういった説もあります。青い彼岸花については、ファンブックで詳しく言及されています。
青い彼岸花の咲く場所を知っていたのは、炭治郎の母・竈門葵枝でした。幼少期の炭治郎はそれを見せてもらっています。そして、累との戦いの際中、走馬灯で青い彼岸花を思い出しています。
毎年咲かず、咲いている時間も極僅か。花が咲くのは数分から数十分。花が閉じると、大き目の土筆のように見える。そのため六人兄弟の中で、青い彼岸花を見れたのは炭治郎のみでした。つまり、炭治郎以外は青い彼岸花を見たことがありません。
そのことから「禰豆子は青い彼岸花を食べていない」とも考えることができます。つまり、禰豆子の太陽克服と、青い彼岸花は関係が無いということになります。
しかし、竈門家が青い彼岸花を、食用に用いていたならどうでしょうか。彼岸花はそのまま食べると毒性がありますが、球根を毒抜きし、非常食として用いられていたこともあるそうです。その方法を竈門葵枝は知っており、食糧の足しにしていた。
また、彼岸花を使った塗り薬も作られていたそうで、それを葵枝が家族に使っていたという説もあります。皮膚から吸収する形で、青い彼岸花の成分を取り込んでいたということです。
ただ、私はこの説に、少し否定的な部分もあります。青い彼岸花は、縁壱の妻・うたが埋葬された土地に咲いていたそうです。そのような場所に咲いている花、ましてや珍しい花を、わざわざ摘んで食べようと思うのかどうか。ここは少し懐疑的です。
非常食として用いるなら、普通の彼岸花を使えばいいはずです。竈門葵枝という人物は、極たまにしか咲かない青い彼岸花を、食べようと思うような人物なのか。
縁壱と親交が深かった竈門炭吉なら、おそらくそんなことはしないでしょう。代々竈門家で、縁壱やうたの話が伝わっている可能性も高いので、墓地の花を摘んでしまうようなことはないと思われるけれど。みなさんはどう思いますか?感想をコメント欄でお待ちしております。
まとめ的なもの
太陽克服への道は、義勇の手刀から始まった。眠ることで体力を回復し、さらには血の改良でパワーアップしていく。そしてある段階まで進んだところで、今度は太陽克服のための血の改良も併せて行っていった。
太陽克服の条件としては、人を喰わなかったこと、そして睡眠法・記憶の遺伝が関係している。また、代々日の呼吸を受け継いだ竈門家だからこそ、特別な体質を持ちえたと言える。青い彼岸花に関しては、私は食べていた説には懐疑的です。
ちなみに、すやこから受け継がれたよく眠る体質は、現代編の竈門炭彦にも受け継がれています。また、ヒノカミ神楽も現代編まで受け継がれており、太陽克服の条件はそのまま残っているとも言える。
ただ、青い彼岸花は絶滅してしまったので、もう鬼が生み出されることはないとのこと。ヒノカミ神楽を鬼に使う場面や、太陽の克服の必要性は現代にはありません。
ということで、今回は太陽克服について色々な視点から考察してみました。今後ファンブックがまだ出るとするなら、その秘密も明かされるかもしれません。答えの出ない考察は、永遠のロマン。あなたの意見も聞かせてください。今回の記事は以上です。それではまた。