呪術廻戦 243話 前・中盤
前・中盤は、高羽史彦と羂索の漫才パート。C-1(M-1)グランプリのファイナリストに選ばれた二人。ピンチャン(ピンチとチャンス)として最後の舞台に挑む。ピンチャンはNo.297。これはM-1グランプリ2019の『ミルクボーイ』の番号と同じ。
そしてまさかの、羂索がボケで高羽がツッコミ。
途中高羽がボケる場面もあるものの、基本的には高羽がツッコミ役に回る。
つまり羂索は、高羽の才能を見い出した。
過去の描写から見るに、コンビ時代はボケを担当していたであろう高羽。ピンになってからは、もちろん一人でボケなければならなかった。しかし、高羽にはボケの才能はなかった。
羂索は、高羽とのやり取りでそこに気づいていた。そして『高羽がツッコミになる』というイメージを持ち、高羽と魂の共鳴(術式の発動)をする。
これが大ハマり。客席の様子は分からないものの、審査員の笑いを取っていることから、会場は爆笑の渦に包まれているはず。
※途中で審査員の松本人志・上沼恵美子と、さんまらしき人物が描かれている。松本・上沼は実際に審査員を担当したことがあるものの、さんまは一度も担当したことがない。
- こういうコンテストで適任者はいない
- 人生が変わってしまう点数を付けるのはちょっと。。
- 人の笑いに口を出せるほど力はない
上記のような理由から、さんまは審査員を拒否。「全部100点満点でいいなら出るよ」とも語っている。
さんまをC-1(M-1)の審査員に抜擢させた、まさに夢の舞台。そういった描写も今回描かれている。
コントは進んでいく。相変わらず、羂索のボケに高羽がツッコむ形が続く。しかし、漫才を漫画で再現するというのは、とても難しいものだと感じた。
漫才は『間』が大事。その間が読み手のペースになってしまうため、どうしても実際の漫才のような感じにはならない。淡々と文字を読んでいくだけの作業になる。ここはアニメに期待。アニメでは観客の笑い声も再現されるだろう。
そしてコントは終わる。漫才の途中で我に返る高羽。現実に行きたかった、C-1グランプリ・ファイナリストという夢の舞台。この夢を終わらせたくないと高羽は感じてしまう。
つまりこれは、高羽がお笑いを真に楽しんでいる証拠。
終わりたくないほど楽しい。高羽は満足した。羂索の狙いだった『高羽のお笑い欲を満たす』。それが達成された。
『もういいよ』
漫才を終わらせる締めの言葉により、夢の舞台は終わる。そして高羽は羂索に「ありがとう」と言った。お笑い欲を満たしてくれたことだけではなく、コンビを組んでくれたことに対する感謝の意もあるだろう。
羂索は「君、超面白かったよ」と満面の笑みで返す。二人は唯一無二の親友となった。友達はできるけど相方ができなかった高羽。ここでついに、魂を共鳴させる相方(親友)が見つかった。
高羽は幽霊の姿をしており、地面に横たわっている。これが死を意味するのかは今のところ不明。幽霊の姿はギャグの一環のようにも見える。私の予想では『これは死を意味する』と解釈している。
高羽は自身の術式で、ギャグの一環で死んでいった。目を覚ましそうな気はするけれど、術式が強すぎるため、ここで退場の線が強いのではないかと思う。生きていたとしても、お笑い欲を満たされたため、これ以上は戦うことがないように思える。
ただ、高羽が生きていれば、この先まだ面白い展開が予想できる。最後の窮地的な場面で、高羽の術式が役に立つとか、誰かを生き返らせるとか。
乙骨憂太登場
お笑いに満足した高羽と羂索。満足した二人に横やりを入れたのは乙骨憂太だった。気づくのが遅れた羂索。虎杖香織の術式『反重力機構(アンチグラビティシステム)』で対抗しようとするも、間に合わずに乙骨の一閃を首にまともに受けた。地面に転がる羂索の頭。
呪術廻戦0で夏油傑を倒した乙骨憂太が、夏油傑の体を乗っ取った羂索を倒す。まさに王道の展開。
問題は、なぜ羂索が乙骨に気づけなかったのかという点。羂索は常に渋谷の呪力総量を監視しており、乙骨ほどの呪力が抜ければ確実に気づくはずだった。
これも高羽の術式だから成せた業。
いわば、高羽のイメージによる空間は、領域のようなものなのかもしれない。それも、とても高度な領域。高羽が『邪魔されたくない』とイメージしたことにより、領域外の情報が全てシャットダウンされていた。やはり高羽の術式は、何でもありの最強の術式。
羂索と乙骨のやり取りを見るに、乙骨が来ることは最初から作戦の内だったらしい。理由は『高羽は人を殺せないから』。確かに、そこは一つの懸念点だった。誰かが羂索を殺す必要があった。
高羽の術式で羂索を翻弄させ、救援により羂索を倒す。天使の作戦は最初からこれだったということ。今回の作戦は見事に成功した。
羂索の狙い
乙骨よ、なぜ頭を潰さない。
単純にそう思ってしまった。羂索は脳が本体と思われるため、脳を潰さなければ何かしらの策を発動してくるはず。羂索ほどの男なので、自身がやられた時の策も練っているはず。
漫画的に、次の展開のため仕方がないのか。それとも別に理由があるのか。
呪霊操術が関係している?
73話で伏黒甚爾が言っていた。
死後、取り込んでいた呪霊がどうなるか分からない。
そこを考慮して、乙骨は首をはねるに止めたのかもしれない。
羂索が何かを企んでおり、次週に策を発動してくるのは明白。それは呪霊操術によるものなのか。虎杖香織の『反重力機構(アンチグラビティシステム)』を使用した何かなのか。全く読めない。
羂索は『道半ば、残念だよ』と語っている。羂索自身は、既に死を覚悟しているように思える。
私の意志は受け継がれる。
この発言も気にかかる。誰か一人を対象としているのか。元々、日本の人間すべてを天元と同化させようとしていたことから、日本の人間すべてを対象としているのか。天元と同化も重要なキーワードとなるはず。
虎杖仁
彼もきな臭い。虎杖悠仁の父親である虎杖仁は、生死が明らかにされていない。羂索が乗っ取った虎杖香織の夫ということで、ここには深い繋がりがある。意志を受け継ぐには最適な人物と言えるだろう。
虎杖仁をどこかに眠らせており『羂索の死亡と同時に目覚めさせる』なども考えられる。
そうなればこの先、親子対決が見られる。
物語のクライマックスとして、親子対決というのは見もの。虎杖悠仁と虎杖仁の親子対決。まだ妄想の域を出ないものの、想像すればするほど楽しみになってきた。
まとめ
高羽と羂索の対決は、高羽のお笑い欲を満たし、ともに満面の笑みを浮かべ決着。そこに水をさしたのは乙骨憂太。羂索の首をいとも簡単にはねてのけた。
羂索は死を覚悟しているものの、何やら画策している模様。羂索の死(夏油傑の肉体の死)により、取り込んできた呪霊はどうなるのか。意志を受け継ぐ者とは誰なのか。次週も楽しみすぎる!