呪術廻戦 242話
239話から続く高羽史彦と羂索の戦い。240話では羂索に精神を揺さぶられ、追いつめられた高羽。しかし241話では、過去の記憶から己を取り戻し、羂索を腹の底から笑わせることを決意した。
そしていよいよ242話。今回の話の流れはこうだ。
- 特級叛霊(とっきゅうはんれい)悪路王大嶽(あくろおうおおたけ)を繰り出す羂索。最初に特級を出すことで、それ以下の呪霊では歯が立たない、つまり高羽には呪霊操術が効かないことを改めて示唆。
- 道中あまりにふざけた展開で、あえて読者を呆れさせる。
- 終盤に向かうにつれて、羂索と戯れ楽しそうな高羽の様子と、ふざける中でも、次の作戦を考えている羂索の様子が描かれる。
- 展開は突如一変。羂索が高羽の相方になり、大勢の観客の前でコントを披露するであろう流れに変わった。
242話では、物語のグラデーションが上手く描かれている。特級をぶち壊した高羽の術式。そして、とても面白いとは言えないふざけた展開が続く。そこから突如、シリアスな展開へとスイッチした。高羽史彦を知れば知るほど、242話の見え方は大きく変わる。
243話で決着か
今回の242話で、高羽と羂索の戦い終結に向けて、全ての点と点がつながった。
『羂索が高羽を満足させることで戦いは終わる』
これが結論。高羽は少年時代から、友達はできても親友と呼べる相方はいなかった。芸人になってからも相方とはうまくいかず、コンビの解消を繰り返していた。
高羽はずっと相方を欲していたのである。そして羂索が相方になることにより、高羽のお笑い欲が満たされる展開が今後描かれていく。
羂索は高羽の術式の見解を『魂の共鳴』と改めた。他者のイメージすら取り込み反応させる高羽の術式。それを逆手に取ったのが羂索。『相方として高羽のお笑い欲を満たす』。そうしたイメージをあえて持つことで、高羽がそれに応じた。
次週はおそらく、高羽は満たされ羂索が勝利する。ある意味、双方が満たされる歪な決着だ。
高羽の二つの願望
高羽が満たされるための条件は二つある。
- 魂を共鳴させるような相方とコントを演じる。
- 客を笑わせることで自分を知ってもらう。
どちらも過去のトラウマからきているもの。ただ相方とコントを演じるだけでは不十分。笑いをとって大爆笑を起こす必要がある。
展開予想
今後の展開予想としては、羂索がうまくサポートすることにより、高羽のギャグを分かりやすくするのではないだろうか。高羽は高羽らしく、ギャグを披露する。そこを羂索が上手くツッコミ、サポートすることによって分かりやすくする。
独りよがりだった高羽が、羂索のサポートにより開花する。大爆笑を引き起こした高羽は、お笑い欲が満たされ涙する。そして術式は解除され、羂索の呪霊操術により倒れる。
高羽は笑顔で最期を迎えるだろう。羂索に対して感謝の気持ちすら芽生えるのではないだろうか。敵に感謝して死んでいく。何をとってもイレギュラーな高羽。これこそが高羽史彦というキャラの魅力である。
高羽の術式の本質
高羽の術式は、自身が相方を見つけるための術式のように感じた。高羽の『相方が欲しい』という想いが具現化されたようなイメージ。『魂の共鳴』というのが正にそれを思わせる。
相方と心・魂を通わせることで、最高のお笑いを披露する。羂索はお笑いにも通じており、高羽の相方としてのポテンシャルを持っていた。全ての点と点がつながり、次週決着を迎える。
次週は感動回
意外にも長期戦となっている高羽と羂索の戦い。道中のギャグ展開は賛否両論わかれるが、物語としては非常に面白い。ふざけたキャラのシリアスな展開というのは、ギャップもあって涙を誘う。
今回の242話では、あまりにも意味が分からないギャグ展開から、突如コントを披露する展開へとスイッチした。高羽というキャラを知れば知るほど、呪術廻戦を深く読めば読むほど、ここでの感じ方は大きくなる。
早くて次週には高羽が死亡、再来週には確実に死亡しているだろう。満足して死んでいくであろう高羽の姿は、五条悟の最期に対抗できるほどの魅力を持つことになる。