呪術廻戦241話の流れ
- 20年以上前の、大学生時代の高羽史彦が描かれた。髪型は金髪ショート。
- お笑いにやる気のない相方に、怒りをぶつける高羽。
- 相方は、先輩に愛想の悪い高羽を裏でフォローしていると主張。
- 口論がヒートアップし、相方を殴りつける高羽。
- 「オマエとお笑いやっても楽しくねぇんだよ!」と相方が吐き捨てコンビ解散。
- ピンになった高羽は『ピンチャン』という芸名でお笑いを続ける。髪型はアフロに変化した。
- 客の評価は厳しく、5段階中1の評価。「ネタ以前に吐き気がする。死んだ方がいい」と感想を書かれる。
- ケンさんこと『ケンドーコバヤシ』がモチーフの芸人に励まされる。
- その後もコンビを組んでは解散。
- 高羽は羂索に追いつめられながら、自分が何でお笑いをやっているのか自問自答する。
- 少年時代を思い出し、自分と向き合う高羽。
- 高羽がお笑いを始めた理由『みんなに俺を知ってほしい』を思い出す。
- 高羽は自分が傷つきたくないがために、「オマエ以外にウケたら関係ねーんだよ!」と羂索に言ってしまったことを後悔。
- 笑いに真面目に向き合っていなかったことを再確認させられ、涙を流した。
- 高羽渾身の土下座。
- 羂索は「美しい、本気の土下座だ。私がこの域に達したのは20代後半…」と不本意な脳内発言をさせられる。
- つまり高羽の術式によるイメージが復活。
- 高羽は羂索に言ったことを謝り、羂索が胃袋を吐くまで笑わせると宣言した。
- 『挑戦を受ける羂索』といったところで241話は終了。
241話 考察
240話の謎の人物のセリフは、やはり相方のセリフだった。大学時代の相方のセリフ。当時から高羽は、笑いに真面目だけれど才能がなかった。
相方と決裂してから、ピン芸人としてやっても結果は振るわず。髪型は金髪ショートからアフロに変化している。芸名は『ピンチャン』。アンケートで他の芸人が高評価を受けている中、一人断トツの低評価を下されている。
この頃から、ケンドーコバヤシがモチーフのケンさんは高羽を励ましていた。
「100人中100人におもろいと思ってもらうなんて無理な話や」
出典:芥見下々/集英社『呪術廻戦』241話 ケンさんのセリフ
高羽はケンさんの言葉の意味を履き違えていた。ケンさんが言いたかったのは「世の中の全員を笑わせることはできない」ということ。高羽は「全員を笑わせなくてもいい」と間違った解釈をしている。
自ら笑わせることを諦めるのは、ケンさんの言葉の本質とは違う。高羽は自分が傷つくことを恐れるがあまりに、自分を肯定し続けていた。
169話では笑わないレジィ達を『クソ客』と呼んでいる。呪術師として覚醒した際、今までのうっ憤が爆発したことで、より一層間違った方向に進んだ模様。
なんでお笑いやってるんだっけ?
ある意味これは走馬灯かもしれない。高羽は羂索に追いつめられながら、過去の記憶を思い出していく。
二度目のコンビ解散。年齢を理由に相方からコンビを解消された。30代半ばを迎え、普通に就職は難しい年齢。同級生は仕事でそこそこの役職に就き、妻子を養っている者いる。
「いつまでこんなこと続けるんだ」。相方の言葉が高羽に刺さる。しかし高羽は折れなかった。ピンとして活動を続けていく。
そして少年時代のことを思い出す。高羽はもともと真面目な少年で、他人に厳しく嫌われ者だった。寂しさを感じていた高羽は、自分を変えるため精一杯チョケた。チョケるとは大阪弁で『ふざける』という意味。
周りは笑ってくれた。高羽は面白い奴だと理解され、友達がどんどん増えていく。しかし、相方と呼べる友達はいなかった。笑いをとることで認められた少年時代。ただ、親友と呼べる人物はおらず、真に高羽を理解してくれた者はいなかったのだろう。
本当は、相方と呼べる友達が欲しかった高羽。もっと自分を知ってもらえれば、もっと自分を面白いと思ってくれるはず。そうすれば寂しくなくなる。高羽はそう信じている。
友達ができてもその関係性は薄く、ずっと寂しさを埋めることができていなかったのだろう。それは大人になっても変わらず、いつまで経っても一人の高羽。
「みんなに俺を知って欲しいから、お笑いを始めた」
出典:芥見下々/集英社『呪術廻戦』241話 高羽史彦のセリフ
高羽は過去の記憶から初心に還る。羂索に対し渾身の土下座。土下座を見た羂索は、不本意な脳内発言をさせられている。ゆえに高羽のイメージの復活。
高羽は羂索を笑わせることを決意した。逃げていた『お笑いに真面目に向き合う』ということ。
「オマエを胃袋吐くまで笑わせてやる!それが俺のお笑いだ!」
出典:芥見下々/集英社『呪術廻戦』241話 高羽史彦のセリフ
羂索はわくわくと期待をしている様子。次回は高羽渾身のギャグが披露されるだろう。
総評
あっさり終わったかと思われた高羽史彦。まさかの復活。過去の記憶から自分を取り戻し、羂索を笑わせることを決意。
『得意のギャグで羂索を撃破』と言いたいところだが、高羽のギャグは独りよがりの伝わりにくいもの。そんな簡単に芸風は変わらないと思われる。
ここからどういった展開になるのか。まったく想像ができない。あいにく次週は休載。次は11月20日の241話を待つことになる。
結果として、羂索がここで死ぬというのはないと思う。死滅回游を終わらせた後の、超重複同化というイベントが控えているため。
しかし高羽には、まだまだ粘ってほしいと願う。ギャグ要素満載のキャラの、シリアスな過去の回想。高羽史彦というキャラに深みが出たことで、格段に魅力がアップした。
241話はどんな展開が待ち受けているのか。追って考察したいと思う。