鬼滅の刃 浅草の旦那のその後
『鬼滅の刃』の序盤で鬼化させられてしまい、人生を狂わされたモブキャラ・浅草の旦那。
以前の記事では、浅草の旦那が習得した血鬼術について詳しく考察しました。
浅草の旦那の血鬼術は、鬼殺隊と鬼舞辻無惨との最終決戦の、最序盤で大活躍を見せていました。
しかしその後、浅草の旦那が本編に登場することはなく、おまけページでも特に言及はありませんでした。
そこで今回の記事では、浅草の旦那のその後を考察していきます。
無惨の気まぐれで鬼となり、数奇な人生を辿ることとなったモブキャラについて、詳しく見ていきましょう。
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では参ろう。
浅草の旦那とは
浅草の旦那とは、『鬼滅の刃』2巻13話に登場した、たまたま浅草に居合わせただけの男性です。
不幸にも鬼舞辻無惨の近くを通りかかった浅草の旦那は、無惨の血を注入されたことで、意に反して鬼となってしまいました。
妻と共に浅草を歩いていた旦那は、鬼化に伴って自我を失い、人間の血肉を欲します。
欲望のままに、傍らの妻の肩を食いちぎってしまった浅草の旦那。
しかし幸いにも、その場に居合わせた炭治郎によって口を押えられ、暴走は抑えられました。
不幸な旦那の第二の幸運は、その場に珠世が居合わせたことです。
鬼でありながら医者として活動する珠世は、鬼舞辻無惨の支配から自力で脱出した最初の鬼。
彼女は鬼を人間に戻すことを研究しており、浅草の旦那や炭治郎を手助けすると述べました。
自我が回復
珠世によって眠りに落ちた浅草の旦那は、拘束された上で地下牢に入れられることとなりました。
鬼化して間もないゆえに、ただただ本能で人間の血肉を欲する浅草の旦那。
気の毒ではあるものの、手段を選んではいられません。
本編では描かれませんでしたが、ここから浅草の旦那の辛い日々が始まったと思われます。
鬼となった浅草の旦那は、本能に従って人間の血肉を摂取したいはずです。
しかし、それが出来ないという事実には、相当の苦痛が伴うでしょう。
地下牢に拘束された旦那は、珠世の改造処置によって少量の血で生きることが出来るようになるまでは、飢えに苦しんだのではないでしょうか。
しかし、そんな浅草の旦那の苦痛の日々は、幸運にも長く続くことはありませんでした。
炭治郎と禰豆子の協力で珠世の研究が進み、浅草の旦那が自我を取り戻したのです。
さらには珠世と同じく、少量の血で生きる事が出来るようにもなりました。
炭治郎にその事実が伝えられた『鬼滅の刃』15巻では、妻と共に泣いて喜ぶ浅草の旦那が描写されています。
飢えに苦しんだであろう浅草の旦那は、鬼の本能に打ち勝ち、人間として戻ってくることに成功したようです。
無惨戦での活躍
自我を取り戻し、ハッピーエンドとしてフェードアウトするかと思われた浅草の旦那。
しかし、続く『鬼滅の刃』16巻にて、まさかの見せ場が用意されていました。
なんと、浅草の旦那は血鬼術を体得しており、その能力を用いて鬼舞辻無惨を一時拘束することに成功したのです。
浅草の旦那が用いた血鬼術の能力は、肉の種子から棘を生成するというもの。
棘は無惨の身体を貫いたうえで無数に枝分かれし、無惨をその場に釘付けにしました。
その際、浅草の旦那は描写されていませんでしたから、恐らくは血鬼術のみ珠世に貸与したのだと思われます。
愈史郎の血鬼術・紙眼のように、肉の種子を持ち運ぶことで、いつでも血鬼術が展開できるのでしょう。
浅草の旦那の血鬼術によって思わぬ足止めを食らった無惨は、珠世の接近を許し、複数の薬を体内に吸収してしまいました。
無惨の討伐には、結果的には珠世の調合した薬が不可欠でしたから、薬を吸収させるきっかけを作った浅草の旦那は、最終決戦の隠れMVPだと言っても過言ではありません。
浅草の旦那のその後
さて、作中で描かれた浅草の旦那の活躍は、なんと以上だけです。
『鬼滅の刃』15巻では、産屋敷耀哉が、無惨の死によって全ての鬼が滅ぶと言い当てていました。
この言葉を信じるのであれば、鬼化してしまった浅草の旦那も、無惨の死によって滅んでしまったかに思われます。
しかし作中で、例外が2名+1匹だけ描かれています。
竈門禰豆子と愈史郎、そして茶々丸です。
珠世によって鬼を人間に戻す薬を投与され、作品終盤で完全に人間に戻った禰豆子。
彼女は鬼の始祖・鬼舞辻無惨が滅んでなお生きながらえており、善逸との間に子をもうけ、子孫を残すに至りました。
一度鬼になってしまっても、人間に戻ることさえできれば、鬼舞辻無惨と共に消滅することはないようです。
愈史郎と茶々丸については最後まで鬼のままでしたが、鬼舞辻無惨消滅後も生き続け、現代編にも登場していました。
愈史郎と茶々丸に関しては、珠世が関与しているという点が大きく影響しているでしょう。
つまり浅草の旦那のその後には、二つのパターンが考えられます。
ひとつは禰豆子と同じく人間に戻ることに成功し、人間の生を全うしたというパターン。
そしてもうひとつは、珠世が関与したということで、浅草の旦那も鬼のまま生き続け、実は現代でもどこかで生き続けていたというパターン。
そうなれば、少し面白くも切ない構図が出来上がります。
愛する珠世を失くし、画家となり珠世の絵を描き続けた愈史郎。
同じく浅草の旦那についても、妻は人間ですから数十年で死んでしまいます。
一人残された浅草の旦那。
彼は何を思い、どのように生き続けたのでしょうか。
なんて妄想もできます。
魅力的なモブ
本記事で「浅草の旦那」と呼称しているキャラクターは、作中ではついに名前の明かされなかったモブキャラクターです。
妻と共に幸せに暮らしていたであろう浅草の旦那は、浅草近辺に住んでいるか、もしくはたまたま浅草を歩いていたのでしょう。
普通の生活を送っていたであろう浅草の旦那の人生は、偶然居合わせた鬼の始祖・鬼舞辻無惨によって破壊されてしまいました。
鬼の存在など噂程度しか知らないであろう一般人が、です。
その意味では、『鬼滅の刃』で主人公として描かれた竈門炭治郎と似た境遇です。
ある日突然異形の存在となり、日常を壊された主人公というのは、複数の作品でテーマとなっています。
実際に名前を上げると、『進撃の巨人』や『東京喰種』、『亜人』などです。
浅草の旦那と各作品の主人公たちの共通点は、異形となることを望んでいなかったこと。
どのキャラクターも突如として異形となるに至り、それまでの生活とのギャップに悩む姿も描かれていました。
浅草の旦那は、作中では部分的にしか描写されなかったものの、数々の名作主人公と同じ運命の持ち主。
『鬼滅の刃』という作品では竈門炭治郎に主人公を譲りましたが、彼自身のストーリーも見てみたいところです。
浅草の旦那外伝があったら
既に述べた通り、普通の生活から一転して数奇な運命を辿ることとなった浅草の旦那。
当初は自我を失い、愛する妻にすら牙を剥いてしまいましたが、炭治郎や珠世との幸運な出会いが彼を救いました。
炭治郎の協力や珠世の研究、そして恐らくは妻による献身的なサポートもあり、浅草の旦那は自我を取り戻すに至ります。
更には作中における特殊能力「血鬼術」も体得しており、ラスボスである鬼舞辻無惨にダメージを与える活躍を見せました。
ある日突然日常を壊されたものの、幸運な出会いで自分自身を取り戻し、自身の異能と向き合いながらも平和の為に敵と戦う。
浅草の旦那の人生を文章にすると、やはり主人公そのものです。
『鬼滅の刃』で断片的に描写されたストーリーを繋ぎ合わせると「鬼としての本能に苦しみながらも、最終的には自我を取り戻して妻と幸せに暮らす」という内容で、外伝として綺麗におさまるように思われます。
また、鬼滅の刃本編とは別の世界線を題材とした場合、「血鬼術を使って戦う人間の心を持った鬼」というテーマも面白そうです。
敵の能力を使って敵と戦うという構図は、正しく他の人気漫画の構図と共通しています。
浅草の旦那の血鬼術は、奇をてらっていないシンプルなものであるため、主人公にはピッタリ。
ビジュアルも悪くないどころか、妻というヒロイン枠も埋まっているため、即物語化できるのではないでしょうか。
まとめ的なもの
以上、浅草の旦那のその後について考察を行いました。
鬼舞辻無惨の気まぐれで鬼となってしまったものの、竈門炭治郎や珠世との出会いによって人間に戻ることに成功した浅草の旦那。
本記事でも述べた通り、主人公適性が非常に高いキャラクターです。
『鬼滅の刃』では竈門炭治郎が主人公として描かれましたが、本記事後半で述べたような「浅草の旦那が主人公として活躍する作品」も見てみたいものです。
そうなった場合、作中では明かされなかった浅草の旦那や、その妻の名前が気になります。
吾峠呼世晴先生によって「浅草の旦那外伝」が連載される未来を夢見つつ、今回の記事の締めとさせていただきます。
浅草の旦那が主人公ならどのような展開が予想されるか、あなたの考察コメントをお待ちしています!
それではまた♪