禰豆子が太陽克服できた理由①
主人公・竈門炭治郎の妹である竈門禰豆子。2020年5月の物語完結後も、まだまだ禰豆子に関する謎は残されています。
今回は「どうして禰豆子が太陽を克服できたのか」について、考察していきたいと思います。ここはまだ謎が解明されておらず、いろいろな考察が飛び交っています。
- 人を喰わなかったから
- 体質が変化したから
- 竈門家の血筋だから
様々な説があります。ここを紐解く前に、まずは禰豆子がどのような流れで太陽を克服したのかについて、おさらいしていきたいと思います。
禰豆子は、鬼舞辻無惨によって鬼にされています。そして鬼になった直後、禰豆子は通常の鬼通り、飢餓状態によって炭治郎を襲います。
しかし、炭治郎の呼びかけを受けた事と、冨岡義勇から自身を守る炭治郎を見たことにより、最後は飢餓状態を抑え炭治郎を守る意思を見せました。
ここで既に、他の鬼とは違う何かが芽生え始めています。普通なら鬼になった事により、その力を使って家族を殺してしまうのですが、禰豆子はその力を使い家族を守ろうとしたのです。
その後も炭治郎を襲うようなことはなく、お堂の鬼に襲われている炭治郎を助ける場面もありました。
そして、炭治郎が鱗滝左近次の弟子となり、修行をはじめ状況が落ち着くと、なぜか禰豆子は眠り続け目を覚まさなくなります。
ここで禰豆子に体質の変化が起きます。通常鬼は、飢餓状態を解消するため人の血肉を喰らいます。しかし禰豆子は、それを睡眠によって補充するよう体質を変化させたのです。
炭治郎が二年間の修行を終え帰ると、目を覚ました禰豆子が出迎えます。ここから禰豆子は、戦闘で消耗する度によく眠るようになっていきます。
禰豆子は基本的に幼い赤子のような様子を見せつつも、炭治郎の言葉をある程度理解していたり、徐々に表情も豊かになっていきます。
自分を傷つけた不死川に対しては、プンプンと怒ったり、金魚を見て和んだり。アニメの次回予告では、炭治郎の水の呼吸を真似る場面もありました。
コミックス六巻のおまけページでは、目にハイライトが描かれるようになりました。日々禰豆子の体には、何かしらの変化が起きていたようです。
鬼の能力にも変化は見られました。累戦では爆血の会得。上弦の陸との戦いでは、鬼化の進行による超絶強化、爆血による鬼の毒の無害化も会得。
そして、半天狗戦では炭治郎の刀に爆血を付与する「爆血刀」の能力も会得。どんどん禰豆子は強くなっていきました。
自我においては凄くローペースな成長でしたが、強さにおいてはハイペースな成長を見せる禰豆子。そしていよいよ、太陽を克服する日が訪れます。
半天狗戦の終盤、禰豆子は自分の命よりも半天狗討伐を優先させ「自身は太陽により消滅してもいい」と腹を括ります。
しかし、禰豆子は消滅することはありませんでした。禰豆子は間違いなく、太陽に妬かれかけていました。しかし、そこで最後の体質変化を起こし、生き残ることができました。
まさに珠世の予言通りになりました。珠世は禰豆子の血を調べ続けることで、その血が何度も変化している事に驚きを隠せませんでした。
無惨の支配も自力で解放し、さらに太陽まで克服した禰豆子。珠世はこう言います。「禰豆子が幼子でいるのは、自我を取り戻すよりも重要で、優先すべきことがあるからだろう」。
ここまでが、禰豆子の大まかな太陽克服までの道のりです。ここまでいろいろな事に気付きました。それを整理していきたいと思います。
禰豆子が太陽克服できた理由②
本題は「禰豆子が太陽を克服できた理由」についてです。禰豆子が太陽を克服できた理由については、禰豆子が通常の鬼とは違う方法で成長・変化したことにより「奇跡的に克服できた」と言えるでしょう。
禰豆子は眠りによって、普通の鬼とは違う方法で飢餓を抑え、上弦にも引けを取らない強さを手に入れました。自我については、それよりも優先する何かのために捨てていたようです。
禰豆子は、狙って太陽を克服したわけではありません。偶発的に、仕方なく太陽にさらされることになり、奇跡的に克服できたというのが正解でしょう。
そもそも禰豆子の目的は、太陽を克服する事ではなかったと思います。珠世の言った「自我よりも優先すべき何か」。それが何だったのか、今はまだ不明です。
人間に戻ろうとしていたのか。もしかしたら、鬼舞辻無惨を倒せる力を手に入れたかったのかもしれません。
太陽克服の理由としては「奇跡」と述べましたが、そこに至るまでの経緯は実に面白いものでした。そこも掘り下げておきましょう。
太陽克服までに至る道
太陽克服の理由は「奇跡」でしたが、経緯としては様々な要素が絡み合い、実に面白い考察内容となっています。
まず、眠りについて。禰豆子は眠ることで飢餓状態を抑え、体力を回復していました。このルーツとなるのは、縁壱の過去にいた「竈門すやこ」が関係していると思います。
竈門すやこはよく眠る女性でした。それは代々遺伝として受け継がれていったようで、禰豆子にもその兆候が見られました。
禰豆子は鬼滅の刃204話で「私、寝るの好きです」と発言していました。この発言からも、すやこの影響を受けていると見ていいでしょう。
そしてこの眠りこそが、禰豆子を太陽克服へと導いた主な要因。眠りによって体質を変化させ、その延長線上にあったのが太陽克服です。
これらの事から、人間は鬼になった際に、二つのルートがあるということが分かります。
まず、普通の鬼の場合。鬼になった直後の飢餓状態を人間を喰うことで回避し、理性を取り戻した後は、飢餓状態を抑える+強くなるために人を喰らい続ける。これが第1ルート。
そしてもう一つのルートが、禰豆子だけにしか辿ることのできなかった、眠ることで飢餓状態を回避し、体質をどんどん変化させていくルート。
要は人間を喰うか喰わないかの違いであり、欲を抑えられるかどうかの違いです。得られる物が多いのは、禰豆子のルートです。
最大のメリットは太陽克服でしたが、強さにおいても、禰豆子の成長スピードはずば抜けていました。もろもろイレギュラーはあったにせよ、一時は堕姫を超える力を見せたのです。
この二つのルート。私たちの世界でも似たようなことが言えます。欲にまかせて食うばかりで、ぶくぶく太っていく人と、断食によりスリムボディ+様々な健康効果を手に入れる人。
欲というモノが人を壊すという、いい例え話しにも読み取れます。
禰豆子の血の秘密
ここまで考えてみて、新たに気づいたというか、一味違った考察を思いつきました。それは禰豆子の血に関するものです。
珠世の発言を思い出してみましょう。「禰豆子さんの血の変化には驚いています。この短期間で血の成分が、何度も何度も変化している」。
この発言からは、禰豆子の血が短期間に何度も変化している事のほかに「禰豆子が自身で血を変化させている」という事も読み取れます。
つまり、血の変化というのは禰豆子の血鬼術・能力の一つなのではないかと。
禰豆子の血鬼術といえば爆血。名前の通り、血を用いて様々な効果を発動する能力です。この能力にも、話が進むにつれて様々な変化が見られました。
攻撃能力に解毒能力、そして刀への付与。これは禰豆子が血を変化させて、能力を変化させている表れです。特に他人の体の毒を浄化する解毒なんかは、その傾向が強く現れています。
つまり禰豆子は血を操れる。それは体内の血も操れるという事。そして体質の変化も可能。それによって太陽まで克服してしまったと。
こう考えると、最初の段階で眠りによって飢餓状態を抑えたのも、血を変化させて体質を変えてしまっていたのかもしれない。
でも、それなら鬼舞辻無惨にも出来たのではないか。そういった意見も出てくるでしょう。無惨も鬼の始祖というぐらいですから、自身の体質変化ぐらいは出来そうなものです。
そこまでは、鬼舞辻無惨も考えていたのではないでしょうか。しかしそれが出来なかった。そもそも自分でテストすることは出来ませんし、他者でテストするのも難しかったのでしょう。
そこまで鬼を増やしたくないという意向もあったようなので、なかなか太陽克服の体質のヒントにすら、たどり着けずにいたのでしょう。
そう考えると、やはり禰豆子の太陽克服は「奇跡だった」としか言いようがありません。鬼舞辻無惨すら見つけるのに困難した太陽克服の体質を、身を挺して発見し、順応してしまったのですから。
竈門家の血筋
もう一つ考えるべき事があります。それは、炭治郎の太陽克服です。炭治郎は最終決戦で鬼になってしまいました。
鬼になって直後、すぐに太陽を克服した炭治郎。これはもう、体質を改善したというレベルの話ではありません。ここには「鬼の素質」というものが関係しています。
愈史郎は炭治郎に「お前は鬼の素質がずば抜けている。無惨より禰豆子より、お前には鬼の素質があった」と言っていました。
つまり、禰豆子と炭治郎の太陽克服の原理は「そもそも違う」という事になるでしょう。竈門家は日の呼吸を継承しているという事で、そこは関係があると思います。
実際に日の呼吸を使っていた炭治郎と、日の呼吸は使っていないけど、継承した血筋の禰豆子。二人とも、鬼の素質が常人よりは高かったはず。禰豆子は素質中、炭治郎は素質大といったところでしょう。
なので、禰豆子は体質の変化でようやく太陽を克服、炭治郎は素質のみで太陽を克服したと。そして無惨は太陽を克服できず。
日の呼吸を継承したのは竈門家だけなので、他にこういった鬼が生まれなかったのにも合点がいきます。
そう考えると、黒死牟が日の呼吸を使えなくて本当に良かった。ちなみに、鬼の素質については原作でも詳しく言及されていません。
まとめ的なもの
いかがだったでしょうか。禰豆子は人を喰わなかったから太陽を克服できた。そういった考察はありましたが、それが何故なのか、深掘りしている考察はあまりありません。
他にも、青い彼岸花を食していたという説や、同じ成分の花を食べていたという説もあります。しかし、禰豆子は体質変化を繰り返していたので、過去に食べていた物はあまり関係がないように思えます。
結論としてはやはり、元々鬼の素質があった禰豆子は、体質変化により太陽克服に合致する体質を、太陽に実際に当たることにより奇跡的に発見した。そういう事だと思います。
しかし、これを言ってはおしまいなのですが、禰豆子も実は最初から太陽は克服できたなんてことも、あったりするかもしれない。
皆さんは、禰豆子の太陽克服についてどう思いますか?コメント欄で教えてください。今回の記事は以上となります。それではまた♪