童磨には、人間の頃の記憶がありました。
猗窩座は忘れています。
猗窩座のほかにも、鬼は人間の頃の記憶を、ほとんど忘れています。
獪岳は記憶があったようですが、あれはまだ鬼になった期間が短かったから。
鬼は時間経過とともに、強くなればなるほど、人間性と記憶を忘れていくといいます。
では、どうして童磨は人間の頃の、幼少期の頃の記憶を鮮明に、鬼になって時間が経っても覚えているのでしょうか。
上弦の顔ぶれが113年変わっていないということから、童磨が鬼になって、日が浅いということは考えられません。
今回は、そのあたりを考えていきたいと思います。
記憶
まず、人間の頃の記憶がある鬼で、記憶を鮮明に覚えている候補は、童磨・獪岳・響凱の三人。
獪岳については、鬼になって日が浅いことから、まだ記憶が消えていないと思われます。
回想がないだけで、他にも記憶がある鬼はいるかもしれませんが、今回はそこはスルーします。
妓夫太郎も一部記憶があるようですが、過去の記憶を鮮明に、とまではいかないようです。
では、童磨と響凱について、少し考えてみましょう。
この二人には、ある共通点があります。
それは「人間の頃からやっていることが同じ」だということ。
響凱は、鬼になっても物書きを、童磨は、鬼になっても宗教の教祖を。
さすがにずっと同じことをしていたら、それに関する記憶は忘れないということでしょうか。
ただ、根本的には違う要素があると思います。
まず考えられるのは、無惨の操作です。
無惨
この話題が上がってきたとき、最初に私が考えたのは「無惨がある程度鬼の記憶を操作しているのではないか」ということです。
例で言うなら猗窩座。
猗窩座は鬼になるとき、無惨に頭を貫かれています。
というかこの時点で脳がやられているので、記憶どころの騒ぎではなさそうですが…
もしかしたらそこで、脳をやられ記憶を全部失い、鬼になっても思い出すことはなかったのかもしれません。
そして猗窩座は鬼になり、強さだけを求める存在となっていきます。
無惨にとって猗窩座は、真面目で忠実なお気に入り。
下手に人間の頃の記憶が戻って、それが変わってしまうことは避けたい。
なので無惨は、猗窩座の記憶に蓋をするよう操作をしておいた。
そういったことも考えられます。
しかし、過去のトラウマは猗窩座のいたるところに出ており、完全に記憶に蓋をすることはできなかった。
そのため炭治郎という存在によって、最後は記憶を呼び戻されています。
猗窩座は最後に自分で消滅するとき、無惨に止められるという場面がありました。
あれも、過去の記憶が戻ったことがトリガーで発動する、無惨の呪いのようなものだったのかもしれません。
童磨
本題の、童磨の話に戻ります。
童磨はなぜ、小さい頃の記憶を鮮明に覚えていたのか。
先ほどは「人間の頃から生活スタイルがあまり変わっていないから」といった理由で考えていました。
そして、無惨がもしも記憶をいじるようなことをするのであれば、童磨には何もしていない、ということが考えられます。
童磨は、生まれながらのサイコパス。
性格の根幹は、無惨とよく似ています。
そのため、特に人格や過去をいじる必要もなく、そのまま鬼にして大丈夫だと、無惨は判断したのかもしれません。
そしてこの他にも、童磨の記憶がある理由を考えていると、とある人物が思い浮かんできました。
それは珠世です。
珠世は、無惨の呪いを解き、人間の頃の記憶を持つ鬼。
ということはです。
童磨も無惨の呪いを解いていた?という話も浮上してくるわけです。
童磨は勝手に無惨の呪いを解いており、とうに支配からは逃れていた。
しかし、特に鬼をやめたり逃げたりする理由もなく、そのまま上弦として活動していたと。
そう考えると、少しおもしろい。
結論
結論は、まったく違うものになりました。
童磨はカナヲと伊之助と戦っている際、頭に指を突っ込み、過去の記憶を思い出すということをしていました。
おそらくこれが、童磨の記憶の秘密。
童磨は、情報や記憶をストックしておくことができる、脳の記憶領域を作っているのだと思います。
他の鬼にはそういった行動は見られないので、これはおそらく童磨独自の能力。
思えば無惨も、取り込んだ珠世の細胞から記憶を読む、ということをしていました。
おそらく童磨の記憶術も、これに近しいもの。
細胞に、様々なことを記憶しておけるのでしょう。
童磨は20歳のときに鬼になっています。
そして、情報は有益だと考える童磨の性格。
そのことから、人間の頃の記憶を丸々なくしてしまうのは、もったいないと感じた。
そこで独自に、脳に記憶領域を作り、そこに情報を残していくという能力を身につけた。
そのため童磨の脳の中には、人間の頃の記憶が残っている。
これが私の結論です。
まとめ的なもの
童磨なき今、この話題は永遠に謎。
童磨といえば、白橡という白茶の髪色と、虹色の瞳が特徴的。
鬼にするにはもったいないほどの、特別感が感じられます。
童磨は感情というものを知らないだけで、人間の頃は特に害はなかった。
鬼になってからそれが、凶悪な形として出ただけで。
本人も、こうなりたいとは思っていなかったでしょう。
もしかしたら私たちの世の中にも、そういった人は存在するかもしれない。
生まれたときから、感情が抜け落ちたような人。
その人を人のまま生かすのか、それとも凶悪な鬼にしてしまうのか。
それは周りの人次第、なのかもしれません。
知らんけど。