みなさんこんばんは。今回の記事は「鬼舞辻無惨が黒死牟をビジネスパートナーと呼ぶ理由」についてお伝えしたいと思います。とても興味深い考察です。絶対最後まで観てください。
ファンブックで判明した「鬼舞辻無惨による上弦への評価」。ここで黒死牟は「ビジネスパートナー」として認定されています。その理由は一体何なのでしょうか。そこを紐解いていきたいと思います。
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鬼舞辻無惨
これからお話しするビジネスについて、鬼舞辻無惨は最重要項目。無惨は生まれる前から死の淵をさまよい、生まれてすぐは脈もなく呼吸をしていませんでした。荼毘に付されようという際に、なんとか産声をあげることができました。
しかし、持って生まれた病弱な体質のため、無惨は「二十歳になるまでに死ぬ」と宣告されていました。無惨の担当の医者は、なんとか無惨を生き永らえさせようと苦心します。その結果、無惨は強靭な体を手に入れます。鬼の始まりです。
しかし、強靭な体とともに手に入れたのは、人の血肉を欲してしまうということと、太陽の光を浴びられないという制約。医者はこの制約を解く術を知っていましたが、悪化する病状に苛立った無惨が殺してしまっています。手詰まり。ここから無惨の太陽克服への研究が始まります。
無惨は太陽克服のヒントを探すため、駒となる鬼を作り出していきます。その駒を倒すべく結成された、邪魔な鬼狩り達。無惨の目的に産屋敷家の壊滅も加えられました。そして、何百年と見つけられない青い彼岸花。
ある日、継国縁壱と出会ってしまいます。縁壱いわく「無惨を倒すために生まれてきた」とのこと。無惨からすると最悪の日。一瞬で体を斬り刻まれ、再生もおぼつかない状況に。なんとか体を破裂させることにより逃亡することができましたが、無惨はその後表に姿を現さなくなります。
細胞に刻まれた傷跡と恐怖。無惨は縁壱の死を確認するまで、怯え続けることになります。縁壱が現れるまでの無惨は無敵だったと思います。太陽だけが天敵で、それ以外は無惨のやりたい放題だったでしょう。そこに現れた人間界の太陽。ここがミソです。
黒死牟
黒死牟の概要です。ここも知っておくかどうかで、この先のビジネスについて理解が深まります。黒死牟は上弦の壱。今の上弦では一番強い上弦です。元は人間であり、継国縁壱の兄・継国厳勝という名前を持っていました。
厳勝は継国家の後継ぎとして育てられましたが、縁壱の天賦の才が明らかになると「縁壱を後継ぎに」という流れになります。これを縁壱は拒否する形で家出。厳勝はこの一連の出来事により、縁壱に嫉妬し憎悪します。
縁壱がいなくなったことで、厳勝が家を継ぐ形に。仕方なくなった感もあり、厳勝はさらに憎悪の気持ちを膨らませたことでしょう。そして月日は流れ、厳勝は妻も子供もいる立派な後継ぎになりました。
そしてとある野営の日に、鬼に襲われているところを偶然縁壱に助けられます。それは厳勝にとって望まぬ邂逅。縁壱は鬼狩りになっていました。厳勝は縁壱の剣の強さの秘密を知るため、妻と子供を捨てて鬼狩りに入ることになります。
縁壱の影響で鬼狩りに入り、これまた縁壱の影響で痣を発現した厳勝。痣を発現した者は、25歳になるまでに次々死んでいく。「縁壱の強さを手に入れたい」という想いが強かった厳勝でしたが、もう間もなく痣の寿命が迫っている。厳勝は思い悩んでいました。
そこに現れたのが鬼舞辻無惨です。無惨は呼吸の剣士を鬼にすることに興味を持っていました。そこで厳勝に目をつけ、鬼の道に勧誘したのです。厳勝はそれを承諾。黒死牟となります。
黒死牟の名前についてですが、由来はペスト・黒死病からきているのではないかと言われています。ペストとは、ヨーロッパで人口の3分の1以上が亡くなったとされる疫病です。それほどまでに恐ろしい印象をつけたかったため、この名前にしたのでしょう。
旧上弦の中では唯一の、呼吸を使える剣士。新上弦では獪岳もそれにあたります。黒死牟は鬼であることによる身体能力の向上・再生能力に加え、痣・透き通る世界の能力も持ち合わせています。人間の至高の領域を、鬼の能力でさらに強化したのが黒死牟という鬼です。
黒死牟は月の呼吸を使います。その技の数、作中で出ただけで拾陸ノ型まであります。鬼になっても剣技を磨き続けた結果です。刀の名前は「虚哭神去」。大量に眼球のついた気色の悪い刀です。
黒死牟の斬撃は、剣の軌道の周囲に三日月型の斬撃を発生させます。剣の軌道を躱したと思っても、そこから放出される三日月によって負傷する。最初は三日月の斬撃に気付きにくいため、初見殺しの性質もあります。これには対峙した柱も相当な苦戦をしました。
また漆ノ型以降は三又に分かれた刀に形状変化し、斬撃の範囲が大幅に拡大します。こうなってしまうと攻撃範囲の広さが故に、躱すだけでも超困難。
さらに黒死牟は、鬼舞辻無惨に次ぐ「頸を斬られても死なない鬼」になりました。最終的には人間時代の縁壱との思い出が邪魔をし、自ら消滅していきます。
ビジネスパートナー
鬼舞辻無惨から見た黒死牟への評価は「ビジネスパートナー」。パートナーとは呼んでいますが、無惨はいつでも頸を斬れる社長であり、黒死牟は絶対服従の部下です。ビジネスを共同運営しているようにも思えません。
しかし、このビジネスというワードは、考え方によっては様々な面白い考察に展開できます。一つずつ見ていきましょう。
継国縁壱の研究ビジネス
まずはここです。継国縁壱の研究ビジネス。鬼舞辻無惨は、継国縁壱によって敗北した過去があります。命からがら逃げだしたものの、縁壱が生きている間は表に姿を現さなくなりました。
無惨は研究熱心な一面があります。青い彼岸花の作り方や太陽克服の方法を、いつでも研究しています。その研究の中の一つに、継国縁壱対策もあったはず。
縁壱が生きている間にあった無惨の目的は、「青い彼岸花を作る、または太陽を克服できる鬼を作る」、「産屋敷家の壊滅」、そこにさらに「継国縁壱から逃げる、または縁壱を倒す」があったはず。
その目的達成のために重要なのが、黒死牟だったというわけです。理由は、黒死牟が縁壱と同じ血族の人間だったから。そして縁壱に一番近い場所にいて、縁壱を一番知っている人物だから。
縁壱の使う日の呼吸、痣の性質、透き通る世界の原理など、黒死牟が提供できる情報は、全て鬼舞辻無惨に渡っていたはずです。また黒死牟の血を使い、継国の血の研究も行っていたでしょう。そこまで無惨は徹底していたはず。
黒死牟は痣者の寿命が短いことを知っていました。誰もが25歳になるまでに死ぬと。しかし無惨は、縁壱の死体を見るまで信用していなかった様子。黒死牟が縁壱の死を見届けるまでは、表に姿を現さなかったからです。
日の呼吸撲滅ビジネス
無惨と黒死牟は「日の呼吸の型を使うものを抹殺するビジネス」を共同運営した過去があります。元々黒死牟は鬼狩りの一員でした。内部の情報もよく知っています。誰がどの呼吸を使うのか、どこに住んでいるのかなど、おそらく把握していたでしょう。
そのため、無惨と効率よくビジネスを進めることができた。こういった意味では、これが一番ビジネスパートナーとしては合っています。そしてそこで黒死牟は、無惨から絶大な信頼を得たことでしょう。
ただ、無惨と黒死牟の誤算は、産屋敷家を早々に潰さなかったことと、日の呼吸以外を無視してしまったことでしょう。黒死牟の情報が生きている状態で、全ての呼吸を根絶やしにし、産屋敷も壊滅させておけば、鬼の天下になっていたはずです。
太陽克服ビジネス
ここが一番深いポイント。太陽克服という言葉には、二つの意味があるのはご存じでしょうか。まず、鬼舞辻無惨の太陽克服とは、物理的に太陽を浴びても大丈夫な体になるということ。そしてもう一つの太陽克服は、黒死牟側にヒントがあります。
もちろん黒死牟も、太陽を克服した鬼になることは一大目的。しかし、もう一つ克服すべき太陽があります。それは継国縁壱です。黒死牟は縁壱について、こう言っていました。「唯一無二の太陽のように。お前の周囲にいる人間は皆、お前に焦がれて手を伸ばし、もがき苦しむ以外道はない」。
黒死牟こと継国厳勝は、唯一無二の存在・継国縁壱の才能について、幼少期からずっと嫉妬をしてきました。それは憎悪の感情にもなりました。兄という立場でありながら、弟の縁壱には絶対に敵わない。黒死牟は鬼になってまで、長年修行をして縁壱を超えようとした。縁壱を超えて嫉妬による憎悪をなくすこと。それが黒死牟の太陽克服の裏の意味。
しかし、黒死牟は最後の最後まで、太陽克服を成し遂げることはできませんでした。最後に縁壱と戦った時も実質敗北。何百年と修行を重ね、縁壱と同じ能力を得たのにも関わらずです。目を六つにしてまで、縁壱対策をしたのにです。
そしてこれは、鬼舞辻無惨にも言えることです。無惨も縁壱という太陽を克服できなかった。縁壱の死を待ち、ぱっと見克服したようにも見える。しかしながら、縁壱の恐怖は無惨の細胞に刻まれ、物理的にも傷跡を残し続けていた。
無惨も黒死牟も、宇宙にある太陽も・人間界に降臨した太陽も、どちらも克服できずに死亡していきました。
まとめ的なもの
いかがでしたでしょうか。無惨が黒死牟をビジネスパートナーと呼ぶ理由は、過去からの信頼からきているものなのかもしれません。縁壱対策・太陽克服に、ともに汗を流した戦友。
最も、無惨や鬼にそんな感動的なエピソードや感情はなさそうですが。また他の鬼についても深掘りできたらなと思います。今回の記事は以上です。それではまた。