鹿紫雲一の受難
呪術廻戦236話で、宿儺の斬撃により五条悟が死亡。237話で次に宿儺に戦いを挑むのは鹿紫雲一。鹿紫雲の目的は、もちろん最強の宿儺と戦うこと。加えて、どうやら最強の宿儺に色々聞きたかった様子。鹿紫雲の宿儺への問いかけは以下の通り。
「宿儺、オマエは最強に成ったのか?それとも生まれながらに最強だったのか?」
「弱さを知らずに、どうやって他人と関わる。どう他者を慈しむ」
「俺にはできなかった。自分以外の人間は脆い土塊でしかなかった」
「教えてくれ。強さとは孤独なのか。際限なく力の発露を求め、彷徨い続けることが、強者に課せられた罰なのか?」
要約すると、鹿紫雲は生まれながらに敵なしの最強で、弱さを知らない。そのため弱者との関わりを持てず、他者への慈しみの心が芽生えたことがなかった。また、常に強者を追い求めてしまう人生を、罰にすら感じていた。
鹿紫雲は生涯悩み続けていたようです。江戸時代に生きた鹿紫雲の周りには、自分より強い術師がいなかった。正確には石流龍が候補にあがっていましたが、老いと病で会いに行けていません。そんな石流龍は、宿儺に瞬殺されてしまっています。
術式解放「幻獣琥珀」
「贅沢者め。五条悟もそうだったのだろうな。強欲なことだ。教えてやる。来い亡霊」。
宿儺は鹿紫雲に対して言いました。あくまで上からのスタンス。鹿紫雲はニヤリと笑い、ついに術式を解放。
鹿紫雲はずっとこの時を待ち焦がれていたのでしょう。術式を解放できる日を。鹿紫雲の術式は「幻獣琥珀(げんじゅうこはく)」。驚異的な強さを手に入れる代わりに、術式終了後は体が消滅してしまう1回きりの術式。
鹿紫雲は今まで、この術式を使うような相手に巡り会えなかった。そのため本気を出す機会がなく、生前はずっとモヤモヤしていたのでしょう。そんな折、羂索との出会いで宿儺が最強だと知り、呪物化してその時を待った。そしてついに念願かなったのです。
宿儺の教えとは
鹿紫雲に対し「教えてやる」と言った宿儺。戦いを通じて何かを教えるつもりなのか、それとも初めての敗北を教えることで、達成感を与えようというのか。
おそらくは後者でしょう。敗北を知ることで何かが見えると。宿儺はそう言いたいのではないでしょうか。口で語ったり体で教えたり、丁寧に教えるような宿儺ではないはず。
宿儺の変身
「宿儺には、反転術式以外に一度きり肉体を修復する方法がある。それは意図的に中断していた、受肉による変身の再開」
宿儺は伏黒恵に受肉してから、ある一定の所で変身を止めていたようです。その目的はおそらく、完全回復をしてダメージをリセットするため。
五条悟との戦いを想定していた宿儺は、さすがに無傷では勝てないと考えていた。なので、ダメージのリセットという奥の手を残しておいたのでしょう。さらに「完全回復+完全体」になり強化されているわけですから、呪術師最強の五条悟がいない状態で、これは絶望的。
完全体宿儺+神武解
宿儺が完全体に成ったことに加えて、万が遺した呪具「神武解(かむとけ)」も実は脅威の代物です。効果は今のところ「電撃を落とす」というものしか判明していません。しかし、万が命と引き換えに遺した呪具が、それだけに留まるとは思えない。
今回の237話では、相手が電撃に耐性のある鹿紫雲一が相手だったので、神武解の脅威はそれほどまでに感じませんでした。しかし、鹿紫雲の電撃が再度、呪術師側に向いたとするならどうでしょう。
以前の秤金次との戦いでも、秤を瀕死状態まで追い込んだ鹿紫雲の電撃。秤の領域展開だからこそ防げたものの、並の術師なら防ぐことはできません。必中必殺に近い鹿紫雲の電撃。それを宿儺は手に入れたに等しい。
さらには完全体にまで成った宿儺。どれほどの脅威になるのか計り知れない。唯一救いなのは、五条悟が魔虚羅を破壊しておいてくれたこと。完全体宿儺に神武解、さらに魔虚羅があったなら、もはや呪術師側の勝機はゼロに等しかったでしょう。
本当に宿儺は完全体なのか?
ひとつ気がかりなことがあります。それは宿儺の20本目の指。この行方は未だ知れず、宿儺はまだ20本目の指を手に入れていないはずなのです。噂では、五条悟がどこかに隠しているといった話があります。それならおそらく、五条悟が決戦前に誰かに託しているはず。
もしも20本目の指が関係あるとするなら、宿儺は真の完全体には成れないのかもしれない。そこが伏黒復活の起因となる可能性もある。
20本目の指が
伏黒恵を復活させる要因?
作者の「虎杖・釘崎・伏黒・五条の4人のうち、1人だけ死ぬか、1人以外全員死ぬかのどっちかだと思う」という発言から、虎杖と伏黒のどちらかは死ぬと思います。
私は虎杖悠仁が最後の死亡者だと予想しています。日下部との姿を入れ替えた謎の特訓。脹相が渡した魂の研究記録。これらの魂の入れ替えを示唆する伏線から、虎杖悠仁と伏黒恵との魂の入れ替えがあるはず。
つまり、再度虎杖が宿儺の器になるということです。そして、虎杖は宿儺と共に死ぬ。伏黒恵は生き残る。私はそう予想しています。
呪術廻戦 237話 まとめ
五条悟の次に宿儺に立ち向かうのは、電撃の使い手・鹿紫雲一。生涯で一度きりの術式・「幻獣琥珀(げんじゅうこはく)」を使用。宿儺は万が遺した「神武解(かむとけ)」を手に入れるも、電撃は鹿紫雲には効かず。
鹿紫雲が優勢かと思われたその時、宿儺は受肉による変身を再開。ダメージをリセットし、さらには腕が四本生え、完全体に近い姿を見せる宿儺。今までの宿儺は完全体ではなく、全盛期の実力ではなかったと思われる。
238話で宿儺の実力が見られるのか、それともまだ不完全なのか。20本目の指の所在も気になるところ。また、裏梅と秤金次のバトルも見逃せない。そして、他の呪術師の動きはどうなるのか。次週にも期待!