みなさんこんばんは。今回はテレビアニメ「鬼滅の刃」刀鍛冶の里編のオープニング主題歌である「絆ノ奇跡」について、ここなの研究所視点で解説していきたいと思います。
絆ノ奇跡
「絆ノ奇跡」は、アニメ「鬼滅の刃」刀鍛冶の里編のオープニング主題歌として採用されました。「MAN WITH A MISSION」と「milet」がコラボした楽曲で、CDの発売日は5月31日です。
MAN WITH A MISSION
「MAN WITH A MISSION」は、日本のロックバンドです。略称は「マンウィズ」。頭はオオカミ、体は人間という「外見の究極の生命体5人で構成されている」という設定。バンド名は英語で「使命を持った男」という意味です。この見た目から「オオカミバンド」と呼ばれることもあります。
milet
「milet」は日本のシンガーソングライターです。生年月日などの詳細は不明。早稲田大学を卒業。にゃんこスターのアンゴラ村長とは同級生です。メジャーデビューは2019年。
思春期にはカナダに留学しており、その経験を活かした日本語と英語を使い分ける、ソングライディングが特徴。歌詞を作る際、最初はほとんどの部分を英語で思い浮かび、そのあと英語に合わせるように日本語に変換していく。スタイルデビュー前に自分の声を研究し、歌っていて心地よい歌声を探し求め今に至る。
絆ノ奇跡 歌詞
ここからは、歌詞をパートごとに解説していきたいと思います。鬼滅の刃の主題歌ということで、鬼滅の刃のストーリーの内容ともリンクしている部分があります。
闇夜を駆け抜けて 何処へむかう
月明かりだけが ただ一つの道標
これこそ鬼滅の刃といった歌詞。闇夜を駆け抜ける鬼殺隊はどこへ向かうのか。月明りだけを頼りに夜通し鬼と戦う。
またこちらの歌詞は、鬼視点でも捉えることができます。月明りを頼りに、闇夜を駆け抜けて人を喰らう。無惨はひっそり青い彼岸花を探し求める。
痛みも悲しみも拭いきれず
されどこの胸の炎は消させない
このパートは、あの煉獄杏寿郎のことを言っているような。煉獄さんと戦った無限列車編。あの時の心の痛みも悲しみも、まだ拭いきれていない。しかし、煉獄さんから託された胸の炎は消させない。「心を燃やせ」。
誰が為に僕たちは
この想いを貫いて
闇を裂き 陽の下で
光さす日まで
「誰が為」にというのは「誰の為に」と同義語です。誰の為に戦うのか。「炭治郎は禰豆子の為に」など、隊士によってそれぞれ想いが変わってきます。あなたはここで誰を思い浮かべましたか?
この想いを貫いて、闇を裂き、陽の下で、光さす日まで戦う。これは真の夜明け、鬼舞辻無惨を倒すまで戦うということ。
ここは鬼舞辻無惨に当てはめても面白い。太陽を克服したいという想いを貫いて、陽の下でも平気な体を手に入れる日まで。まるで無惨が主人公みたい。
解き放たれた心に宿した火よ
舞い上げ、まとえ 今
夜明けの向こう側へ
君がいるこの世界
もう一度愛せるまで
我が命 果てようとも
繋いで行こう
絆が紡いで生まれた奇跡を
ここはサビで一番盛り上がるところ。「解き放たれた心に宿した火」というのは、やはり煉獄さんから託された「心を燃やせ」。
「舞い上げ、まとえ 今」、「夜明けの向こう側へ」。ヒノカミ神楽を舞い、刀に炎を纏え。そして夜明けまで戦え。
「君がいるこの世界、もう一度愛せるまで」の君は、誰のことを指しているのか。実はこの歌詞、最後に「君がいたこの世界」に変わるのです。つまり「君に先立たれた」ということ。または「君がいなくなってしまった」。
「もう一度愛せるまで」とあるので、一度は世界を愛せなくなった。鬼滅の刃の中で、そのような人物がいたでしょうか。
ひとり思いつくといえば、継国縁壱。継国縁壱は妻のうたに先立たれました。そして、幼少期から不遇な環境で育ち、世界を愛しているとは言えない状況でした。
家を飛び出しうたと出会い、そこからの縁壱は幸せだったと思います。しかし、その幸せを鬼舞辻無惨がぶち壊しにしてしまいます。こう振り返ってみると、「君がいる世界」から「君がいた世界」は、縁壱がぴったりのような気がします。
「我が命 果てようとも、繋いで行こう、絆が紡いで生まれた奇跡を」の部分は、お館様がしっくりきます。産屋敷家は30年と生きられない体ですが、絆が紡いで生まれた奇跡・鬼殺隊の想いを繋いでいく。
また、ここは炭吉のパートとも捉えることができます。我が命が果てようとも、ヒノカミ神楽を代々継承していく。そして縁壱から炭吉、炭吉から炭治郎へと繋がっていった絆の奇跡。
喜怒哀楽 夢 揺らめいてる現世
互いの正義をまた
繰り返し振りかざす
こちらは半天狗・喜怒哀楽と掛かっていそうな歌詞です。「互いの正義をまた、繰り返し振りかざす」とありますが、半天狗は自分が弱者なのに他人がいじめると、繰り返し曲がった正義を振りかざしていた人間。そこにお奉行様の正義の鉄槌が下されました。
誰が為に繋ぐ命
交わりもつれる運命
蛇の道数多の罪
全て薙ぎ払え
ここには蛇の文字があります。蛇といえば蛇柱・伊黒小芭内。「数多の罪」というのは、小芭内が口にしていた言葉と重なります。柱稽古の際、縄で縛られた人たちを見て炭治郎は小芭内に尋ねました。
「この括られている人たちは、何か罪を犯しましたか?」。小芭内はこう答えています。「弱い罪、覚えない罪、手間を取らせる罪」。なんとも小芭内らしい返答。
また、他にも罪といえば思い出すことがあります。小芭内は、自分は罪を背負って生まれてきたと考えています。自分は人を殺して私腹を肥やす汚い血族の人間だと。
ここの歌詞では「全て薙ぎ払え」とあります。小芭内の罪を全て薙ぎ払え、甘露寺蜜璃。とてもいい。
解き放て今 僕らが起こした火を
舞い上げ走れば明日が変わるはず
君といるこの世界二度と離さずに
君と共に行く
ここにも火という言葉。火といえば炎柱・煉獄杏寿郎。そして縁壱の日の呼吸。炭治郎のヒノカミ神楽。全ては繋がり、舞い上げ走れば明日は変わる。
「君といるこの世界、二度と離さずに君と行く」の部分は、炭治郎と禰豆子、小芭内と蜜璃。小芭内と蜜璃の最後のシーンがぴったり。
瞼を閉じても想い出すあの日を
打ちのめされても焦がれた未来を
いつの日か君に捧げてみせよう
これは炭治郎の想いでしょう。瞼を閉じても思い出す、無惨に家族を奪われたあの日。何度打ちのめされても立ち上がり、焦がれた禰豆子が人間に戻る未来。いつの日か禰豆子に捧げる。
解き放たれた心に宿した火よ
舞い上げ、まとえ 今
夜明けの向こうへ
解き放て今 僕らが起こした火を
舞い上げ走れば
明日が変わるはず
ここも炭治郎パート。刀鍛冶の里編を思い起こさせる歌詞です。心を燃やせ。ヒノカミ神楽を舞い、夜明けに向かって戦え。僕らが起こした火、炭治郎と禰豆子の爆血刀。日暈の龍で舞い上げ走れば、明日は変わる。上弦を打ち破れる。
君がいたこの世界
もう一度愛せるまで
我が命 果てようとも 繋げていくよ
絆が紡いで生まれた奇跡を
そして最後の〆です。「君がいたこの世界、もう一度愛せるまで」は縁壱さん。炭吉は命が果てようとも繋げていった。それが時代を超えて兄妹の絆となり、とうとう上弦を打ち破る。
その裏では、お館様・鬼殺隊、様々な人の想いが繋がり、絆を紡いで奇跡が生まれた。そして最後は鬼舞辻無惨をも打ち破る。なんとも壮大な歌詞となりました。
まとめ
いかがでしたでしょうか。多少無理やりではありますが、歌詞に鬼滅の刃をリンクさせてみました。全体的なイメージとしては、刀鍛冶の里編だけをリンクづけるという単純なものではなく「時代を超えて繋いできた絆が生んだ奇跡」と考えるのが素敵です。
今回の考察をもう一度みて、それから曲をもう一度聞いてみてください。また違った感覚を覚えるかもしれません。
私は今回の主題歌「絆ノ奇跡」はとても好きです。男性だけではなく、しっかり女性とコラボしている感じ。アニソンとして申し分なし。みなさんの感想もお待ちしております。今回は以上です。それではまた。