散っていった者たち
みなさんこんにちわ。今回は「それぞれの逝き方完全版」についてです。僕のチャンネルでは「それぞれの逝き方」という、メインキャラの死亡をまとめた動画の再生数が、最近少し伸びを見せています。
鬼滅の刃の死はどれも悲しい死でしたが、みなさん思い出したいという気持ちが強いのかもしれません。そして最近では映画も上映され、煉獄さんの死が多くの人に知れ渡ることとなりました。
煉獄さんの死は、これから始まる悲劇の始まり。ここから先ネタバレを含みますのであしからず。
煉獄杏寿郎
まずはこの人。メインキャラで一番最初に亡くなってしまった柱。無限列車でとんでもない活躍を見せたかと思うと、直後に上弦の参である猗窩座と遭遇。二人の勝負はほとんどついていましたが、猗窩座は夜明けの朝日から逃亡。
決着はついていないので「逃げた猗窩座の負け」という考え方もできるでしょう。それにしても煉獄さんは強かった。無限列車では5両分の乗客を守り抜き、上限の参である猗窩座の首を、もう少しで落とせるというところまでいったのです。
乗客を守るために、どれ程の疲弊があったかどうか、それは定かではありません。しかし、このあと炭治郎と義勇、二人がかりで倒すのがやっとだった猗窩座に対し、死をもって皆を守り抜いたことはすごい。
もしもあのとき猗窩座の首を落とせていたら、猗窩座は朝日によって消滅していたでしょう。惜しい戦いでした。
そしてなんといっても炎の呼吸。これがめちゃくちゃカッコいい。炎は中二病のあこがれ。さらにカッコいいのは、火系列の呼吸が、炭治郎のヒノカミ神楽によって今後も活かされ続けるということ。
炭治郎がヒノカミ神楽を撃つたび、煉獄さんの炎の呼吸を思い出す。よくできた繋がりです。
産屋敷耀哉
産屋敷耀哉。最後は屋敷と無惨ごと、家族もろとも自爆。これは、珠世が薬を打ち込む隙を作るための自爆。この展開、当時は誰も予想できなかったのではないでしょうか。
最終的には珠世の打ち込んだ薬によって、無惨を追いつめることができたのは事実。これは先見の明を使った戦術。お館様の死は無駄にはなりませんでした。
同じ一族から鬼を生み出してしまった過去のせいで、生まれながらにして呪われている家系。そんな家系に生まれながら、呪いに苦しみながら生き抜き、人を導いていった産屋敷耀哉。
この人がいなければ鬼殺隊は組織として成り立たず、鬼舞辻無惨を追いつめることはできなかったでしょう。本当に素晴らしい人でした。
できれば今後、外伝などで一族の過去とお館様の若かりし頃の話、あまねとの出会いなども、掘り下げてくれると嬉しいところです。
胡蝶しのぶ
この死はかなり衝撃的な死でした。女性の人気キャラを、完膚なきまでに叩きのめした童磨。姉のカナエも童磨にやられ、そして自身も童磨にやられてしまったしのぶ。
しかしこのあとカナヲと伊之助が、その仇を討つことになります。これは、カナエの遺志から続く童磨戦。カナエと童磨の戦いは描かれていませんが、そういえば煉獄さんと猗窩座の戦いに似ているような。
童磨は猗窩座と同じく、朝日から逃げるように立ち去ったので、カナエを喰えず、トドメも刺していません。そしてカナエの遺志はしのぶに引き継がれ、そしてそれは、しのぶからカナヲにも引き継がれた。
最後は伊之助がサポートすることにより、カナヲの刀によって決着をつけることができました。煉獄杏寿郎は炭治郎や善逸・伊之助に、胡蝶カナエはしのぶ・カナヲに、それぞれの遺志を伝えた。それが最終的に合わさって、上弦を打ち破った。そんな繋がりも感じます。
そして繋がりといえば、花から花へ、蝶が運ぶ遺志。花柱であるカナエから、次の花の呼吸使いに、蝶であるしのぶが遺志を運んだ。素敵な話です。
ちなみにしのぶの蝶のモデルは、アサギマダラではないかと言われています。これはまた違う記事にまとめてみます。
そして死んでなお、最後の最後まで活躍し続けたしのぶ。無惨との決着も、最終的にはしのぶの功績によるところが大きい。
炭治郎の中の無惨を封じ込めたのは、しのぶがカナヲに託した毒です。あれがなければ、全員鬼の炭治郎によって殺されていたでしょう。ワニ先生は、キャラの活かし方が絶妙です。
不死川玄弥
僕は正直なところ、最後の最後まで、玄弥にそこまで魅力を感じていませんでした。刀鍛冶の里編では活躍しましたが、鬼の力に頼るという点、呼吸を使えず強さに限界がある点。
そういった点から、メインキャラとして少し魅力が足りないといった印象でした。しかし、最後の最後でそれを覆してくれました。一時的とはいえ、血鬼術を使えるまでに進化したこと。
そしてやはり、最後の実弥との兄弟愛。僕も兄がいるので、兄弟の絆というものに弱い。二人はそれぞれが、互いの幸せを願って生きていた。その想いはずっとすれ違い、まともに話をすることもなく、玄弥は最期の戦いへ。
そして玄弥の死を目前にしてようやく、二人は互いの気持ちを知り、分かり合うことができました。実弥は玄弥に、普通の暮らしをしていてほしかった。玄弥に鬼を近づけないようにするため、不幸の原因である鬼を抹消するため、鬼狩りになった実弥。
それもこれも全ては、最後の家族である玄弥のため。そして玄弥は、実弥に迷惑ばかりかけて申し訳ないと思い、実弥が自分を守ろうとしてくれていたように、自分も実弥を守りたいと思った。
そして、自分が言った「人殺し」という言葉も含め、人一倍辛い思いをした実弥に、幸せになってほしいと願っていた。そう玄弥が最後まで思えたのは、実弥がこの世で一番優しい人だと知っているから。実弥の本当の笑顔を知っているから。
この二人の最後のシーンは、本当に感動しました。そして黒死牟戦では、木の血鬼術を使い黒死牟を縛り、黒死牟打破に大きく貢献しました。無一郎・実弥・悲鳴嶼さんと同じく、玄弥がいなければこの戦いに勝利することはできなかったでしょう。
時透無一郎
その可愛さとキャラ性によって、女性ファンをかっさらっていった無一郎。この男もまた、鬼によってすさまじい人生を送ることになった一人。
両親は早々に亡くなっていたようですが、残された家族である兄すらも、鬼の手によって奪われる事となりました。
無一郎自身も鬼との戦いでボロボロの状態でしたが、あまね達の救出により、なんとか一命をとりとめます。そこから無一郎は必死に努力し、なるまでに最低二年かかると言われている柱に、たった二ヶ月で昇格してしまいます。
この天賦の才は、元々持っている継国家の血が大きく、成熟すれば縁壱クラスの逸材となっていた可能性は十分あります。しかし、惜しくも黒死牟戦で亡くなってしまった無一郎。
無一郎は玄弥と同じく欠損具合が激しく、左手・左足・胴体を真っ二つと、ひどいありさまでした。これは「ワニ先生のいきすぎた愛情」と言われているほどです。
しかし最後には赫刀を発現し、黒死牟に致命的なダメージを与え「無一郎がいたから勝てた」と言えるほどの功績を残しています。そして死の間際では、兄の有一朗との回想が描かれました。
無一郎の回想は、他の人のように「幸せ」といった感じではなく、少し切なさを感じさせる回想でした。有一朗は無一郎のことを本当に想い、とにかく生きていてほしかったという想いが強く表れていました。
そして無一郎の死を無駄死にだと言った。これは嫌味ではなく、ただただ無一郎に死んでほしくなかったという、有一朗なりの優しい言葉。もちろん無一郎の死は無駄死にではありません。
無一郎があのとき逃げていたら、全員殺されていた可能性が高い。それほどまでに重要な一撃を放った無一郎。そして、無一郎は自分の命をかけたことを一切後悔していません。
最後の最後まで幸せだったと言いました。14歳にしてこの精神性。僕たちも見習う必要があります。
悲鳴嶼行冥
盲目であるにもかかわらず、最強を誇った悲鳴嶼さん。伊之助すらも認めさせてしまうほどの最強。この人は、本当に大器晩成型。
というのも、黒死牟戦までこれといった活躍はなく、初めて呼吸を繰り出したのはコミックス16巻のことでした。そこから黒死牟戦で大活躍を魅せ、ファンの印象を見事にひっくり返した悲鳴嶼さん。
なんといっても、頼れる兄貴感がすごい。実弥がやられそうになったときの登場、そして痣を発現したとき。あんなの男の僕でも惚れます。
そして深手を負わずに黒死牟戦をくぐり抜け、最終決戦でも戦い抜き、最後は左足を欠損。そして左足を欠損してもなお戦い続け、無惨が一旦は倒れたあと、悲鳴嶼さんは静かに息を引き取ります。
悲鳴嶼さんの死は、未だに謎に包まれている点があります。それは、無惨の攻撃によるダメージでの死なのか、それとも痣による寿命を迎えたのかという点。
僕の予想では、どちらかが原因というよりは「どちらの影響も激しく肉体が限界を迎えた」というのが正しいのではないかと思います。
つまり、黒死牟や無惨からの攻撃によるダメージと、痣を発現して心拍数を無理やり上げ、体を酷使し続けた結果。そういう事なのではないかと。
黒死牟も「夜明けまでには死ぬ」と言っていましたし、痣による影響は大きそうですが、どちらも影響したのではないでしょうか。
そしてあともう一つ。「最後に現れた隠」についても、ある噂が立っています。それは悲鳴嶼さんが死ぬ直前、そばで手を握っていた隠。その隠が、悲鳴嶼さんが過去に助けた少女「沙代」なのではないかという噂です。
沙代は当時14歳の女の子です。詳しい経歴は描かれておらず、隠になっていたとしてもおかしくはありません。最後に現れた隠は女の子のような感じが見受けられるのと、柱の悲鳴嶼さんに対し「悲鳴嶼さん」と言っていたこと。
通常なら隠と柱の関係上「悲鳴嶼様」と呼んでいるはず。そういった事からも、このような噂が立ったのです。真相は分かりませんが、どこかで明らかになるかもしれません。できれば沙代であってほしい。僕はそう思います。
甘露寺蜜璃
今世もやり遂げた女性。来世は結ばれた二人。コンプレックスだった怪力・髪の色・大食いを、お館様の一言で解消。そしてその怪力と、女性ならではのしなやかさを活かし、柱まで上り詰めた蜜璃。
よくよく考えてみれば、派生した呼吸から師匠と同時期に柱になるとは、これまたすごいこと。甘露寺蜜璃は煉獄杏寿郎の元継子であり、炎の呼吸の派生である、恋の呼吸を使います。
何ゆえ恋の呼吸なのかは意見が分かれますが、刀の特性もすごいものがありました。実際に斬れる刀であるにも関わらず、柔らかくしなる。そして通常の刀よりも長い。この刀を扱える蜜璃のセンスは人並み外れています。
そして、最後のシーンについて。伊黒小芭内と、来世を約束したあのシーン。何度見ても泣けます。小芭内からは、決して言うことはできなかった愛の告白。蜜璃が小芭内を好きだと言い出したことで、小芭内は今世でも救われました。
そして、蜜璃は腕がなかったのか問題。無惨の攻撃により負傷してしまった蜜璃。最後は両腕を欠損したのではないかと言われています。
その理由は、とても小さな姿ですが、蜜璃の腕が無くなっているようなシーンがあった、それと、蜜璃が最後に小芭内を抱き返すことができなかった。こういった理由があります。
そして極めつけは、小芭内がそっと自分の羽織を蜜璃にかけていたということ。これは欠損がひどく、それを隠してあげたいという小芭内の優しさ。
どこまでの欠損具合かは分かりませんが、かなりひどい様子だったのでしょう。小芭内は目が見えなかったはずなので、蛇の鏑丸からそれを聞いたのかもしれませんね。なんとも切ない。
しかし来世では約束どおり結ばれた二人。小さな食堂のようですが、二人の幸せそうな姿が描かれています。終わりよければ全て良し。
伊黒小芭内
小芭内の人生は、何の罪もない過去にとらわれていた人生。それが理由で、蜜璃にはとうとう最後まで自分から好きと言うことができなかった。
最後は蜜璃を抱きかかえたまま、二人とも絶命してしまいます。二人の死は悲しいものですが、最後に来世を約束し、再び鬼のいない世界で出会い、幸せに暮らすことができた。
小芭内が今世で生きていたとしても、蜜璃と結ばれることはあったのでしょうか。二人とも生き延びていれば、もしかしたら…
しかし一番悲しいのは、どちらかが生き残るという世界線。鬼がいなくなった世界で、小芭内だけ生き残っていたら…。蜜璃だけ生き残っていたら…。それを想像すると、二人が来世を約束し同じ場所で死ねたことは、むしろ良かったことなのかもしれない。
小芭内は「死にたくない」という気持ちではなく、おそらく「死んでやり直したい」という気持ちが強かったと思います。それが叶い、さらにはサプライズで蜜璃の告白。どれだけ嬉しかったことか。
この二人は誰も否定できない、公式中の公式カップル。なんかデュエット曲とか出してほしい。いやむしろ、誰か作りません?w
珠世
最後は珠世さん。しのぶも尊敬するすごい鬼。そして、カナエの夢であった鬼と仲良くするということ。それをしのぶが叶えた相手でもあります。
珠世としのぶが共同開発した4種の薬は、無惨討伐に大きく貢献しました。いやむしろ薬の効果が大きすぎて、他が少し霞んでしまったほど。
珠世がいたからこそ、しのぶは炭治郎を止める毒を作りだすことができました。最初から考えると、まさかまさかの活躍ですよね。そして最愛の珠世が亡くなり、一人残された愈史郎。
二人に恋愛感情はなかったと思いますが、珠世亡きあと、ずっと珠世の絵を描き続けた愈史郎。切ないが良い結末。愈史郎だけが、全てを覚えている唯一の鬼なんですよね。
愈史郎が未来で過去の戦いを語る場面というのも、ファンの間では期待されていました。まぁ愈史郎なら、珠世のことしか話をしないような気がしますが。
まとめ的なもの
今回は、メイン中のメイン、合計9名の逝ってしまった人たちを振り返りました。
煉獄杏寿郎・産屋敷耀哉・胡蝶しのぶ・不死川玄弥・時透無一郎・悲鳴嶼行冥・甘露寺蜜璃・伊黒小芭内・珠世。それぞれのキャラに魅力を引き出す見せ場があり、最後の最後まで忘れさせない内容となっていました。
これからまだまだアニメもあるので、死を見るのは辛いですが、楽しみに待ちましょう。というわけで今回はこのへんで。