前回の記事では、藤の花が青い彼岸花だという考察を出しました。
そこで少し気になったことがあります。
藤の花って、どうして鬼が嫌がるの?
今回はそのあたりについて、考えていきたいと思います。
最終選別
鬼滅の刃の中で、藤の花が使われている場所はいくつかあります。
まずは最終選別。
最終選別の舞台である藤襲山は、山のふもとから中腹にかけて、藤の花が一年中狂い咲くという場所。
ふもとというのは山の下の方をさし、中腹とはその名のとおり、山の中間あたりのことをさします。
つまり、山の下の方から中間地点あたりまでが、藤の花が咲いているといった状態。
中腹から頂上にかけては、藤の花は咲いていないのです。
なので、藤の花を嫌う鬼は、中間あたりから下へ降りることができない。
そういった設定となっています。
でも、みなさん一度は疑問に思ったことがあるはず。
いくら藤の花が狂い咲いているとはいえ、どうにかしたら脱出できるのではないか。
というのも、藤の花がびっしり咲いているとはいえ、人が通る道は確保されているからです。
炭治郎が最終選別に向かうときも、階段のような場所を通っていました。
そこからなんとか脱出できないものなのだろうか。
結論から言うとできないようなのですが、どうしてなのでしょう。
そこがすごく気になります。
手鬼にいたっては47年間、あそこから逃げ出せずにいます。
そもそも逃げ出すことを試したのかどうかも分かりませんが、それほど藤の花というのは鬼にとって、強力な効果を持つものだという事なのでしょうか。
むしろ藤襲山にいたほうが、柱や強い人間はあまり来ず、最終選別を受けるような手ごろな人間が勝手に来てくれるから、鬼にとっても好都合だったのかも?
そうも考えてはみましたが、手鬼はあれだけ鱗滝に恨みを持っていたのですから、そんなことは考えていなさそう。
単純に、出たくても出られないといった状況だと思います。
つまり、鬼にとって藤の花は「本能的に近づくこともできないような存在」なのかもしれない。
では、私たちの世界で藤の花は、そういった鬼や魔除けのような伝承はあるのかどうか。
そのあたりで興味深いものがあったので、そちらを紹介します。
鬼籠野
藤の花にハッキリとした、魔除けのような効果があるのかどうかについて。
調べてみた結果、特に有力な説は発見できませんでした。
いくつか迷信のようなものはありますが、あまり有力とは言えません。
しかし、そんな中でも私が気になったもの。
それは「鬼籠野」という場所についてです。
鬼籠野というのは、徳島県名西郡神山町という場所にある地名です。
旧名は鬼籠野村。
そこに伝わる伝説は、鬼にまつわるものです。
「昔この地に、悪さをする鬼がいた。住民の訴えにより、天児屋根命の末孫・藤原某が祈祷をし、六神を降臨、悪鬼を谷に追いつめて退治した」
こういった伝説です。
これだけではただの鬼の伝説に過ぎず、鬼滅の刃とはあまり関係がなさそうな気もします。
ただ、鬼籠野にはもうひとつ面白いものがあります。
それは鬼籠野にある「鬼飯山神光寺」というお寺です。
神光寺の名物といえば、天にも昇る勢いの「のぼり藤」
4月下旬ごろが花の見ごろで、住職自慢の藤の花。
開花時期には、あたり一帯が藤の甘い香りに包まれます。
ここをワニ先生が、参考にしたかどうかは分かりません。
でも、鬼と藤の花、両方の共通点が揃う場所というのはおもしろい。
さらに言うなれば、天にも昇るようなのぼり藤は、見方によっては青い彼岸花にも見える。
前回の記事でもお話したように、無惨を鬼にした医者は中国人で、のぼり藤を青い彼岸花と見間違えた、という説があったりしたら、それはそれでおもしろい。
香り
少し話を戻します。
どうして鬼が、藤の花を嫌がるのか。
それについては、特に私たちの世界の藤の花からくるものではなく、鬼滅の刃独自の設定とみるべきかもしれません。
鬼は藤の花の毒が弱点。
藤の花の香りも、また弱点となる。
獪岳が藤の花の香炉を消したことで、悲鳴嶼さんたちがいた寺に鬼がはいれたのも、香りが鬼の弱点だという表れです。
なので最終選別の場所についても、藤の花の香りが、鬼にとって近づき難いものであった。
なので、鬼は中腹から下に降りることができなかった。
そういった結論に落ち着きそうです。
一年中
これこそ鬼滅の刃独自の設定と言えるのですが、藤襲山の藤の花は、一年中咲いています。
通常藤の花の開花時期は、4月中旬から5月中旬あたりまでと言われています。
一年中といえば、一年中陽のさしている陽光山を思い出します。
藤の花は日光を好む植物ですので、ここも何か関係性が?
藤襲山が陽光山で、日輪刀の材料がとれる場所にもなっている?
知らんけど。
生き残り方
これはちょっとした余談です。
最終選別を、もっとも簡単に生き残る方法を考えてみました。
それは「藤の花の下でずっと待つ」というものです。
中腹あたりまでバレないように降りて、藤の花のそばでひたすら身をひそめる。
これであれば、とりあえず生き残ることはできます。
ただ、もしも鴉が見張りをしているようなことがあれば、見つかれば失格となってしまうかもしれません。
鴉に見つからないように、七日間過ごすことができれば…!
でも、そんな逃げ腰の隊士が、果たして最終選別を通過した後に役に立つのかどうか。
ここは意見がわかれるところです。
でもアオイちゃんのように、戦い以外で役に立てることもありますし、隠への道だってあります。
とりあえず生き延びることだけを考えるということも、大事なのかもしれない。
それに義勇は一体も鬼を倒さずに最終選別を通過し、最終的に柱にまで上り詰めているのですから、生き延びることがいかに大事かがわかります。
ひょっとしたら村田さんは、この方法で…
しのぶ
藤の花の毒といえばしのぶ。
しのぶはどのようにして、最終選別を通過したのか。
しのぶは当時から鬼の頸を斬れなかったでしょうから、そのときから毒を使っていたのかどうか。
そこが気になります。
さすがに当時から、鬼を殺す毒は使えていなかったとは思います。
そのときは今の日輪刀ではなかったと思われるので、毒を使ったとするなら瓶などに入れておき、相手にかけたりするくらいでしょうか。
色々と気になる部分はありますが、ここは過去の話が掘り下げられることでもない限り、永遠の謎となりそう。
でも、当時から藤の花の毒を使っていたのなら、藤の花は中腹までおりればいくらでも咲いているのですから、しのぶにとっては有利となるのかも。
現場で毒の抽出は無理でも、藤の花が鬼の弱点と知っているだけでも、かなり有利に最終選別を戦うことができたでしょう。
あと、しのぶが鬼を殺す毒を作り出せたのも、藤襲山に一年中、藤の花が咲いていたからとも考えられます。
通常であれば、4月中旬から5月中旬までしか咲かない花が、藤襲山には一年中咲いており、研究材料はいくらでも手に入れられる状況だったはずですから。
藤襲山、おそるべし。
まとめ的なもの
どうして鬼が、藤の花を嫌がるかについての結論は、藤の花の毒と香りが、先天的に苦手で近寄ることすらできないから。
藤の花に何か魔除けのような言い伝えがあるかというと、そこに有力な説はない。
そういった結論となりました。
鬼籠野の藤の花は、ぜひ見てみたいと思いましたね。
藤の花といえば「あしかがフラワーパーク」もありますので、今年の開花時期はそちらも、見に行けたら行きたいなと。
ということで、今回の記事は以上です♪