改めて、鬼滅の刃という漫画はおもしろい。
漫画を、ただのエンタメと思うなかれ。
とらえかたによって漫画には、人生を豊かにする情報が詰まっています。
その中でも今回とりあげるのは、お館様という存在について。
お館様こと産屋敷耀哉は、鬼殺隊という組織の当主です。
鬼殺隊とは、お館様という当主をトップに成り立つ組織で、基本理念は「鬼から人を守る」。
そして「鬼舞辻無惨を倒し鬼を消滅させる」ということを目的としています。
それらをまとめているのが当主のお館様、と思いきや、実はそうでもありません。
お館様も自分で言っていましたが、お館様は鬼殺隊を仕切っているのではなく、言わば他の隊士と立場は変わらない。
ただ、お館様にほれ込んだ者たちが、お館様をそういった立場に押し上げているだけ。
私は、組織のトップとはこうであってほしいなと感じました。
自分が非力でも、周りから自然と協力を得られるような存在です。
お館様には先見の明というものがあり、お館様の声は人を心地よくさせる。
もちろんそういった才能もありますが、それ以外にも、亡くなった隊士とその生い立ちまでも、お館様は全て記憶しているということ。
そして、お館様が動けなくなる最後の最後まで、亡くなった隊士の墓参りを欠かさなかったこと。
これらは、お館様の隊士に向けた、感謝の気持ちの意思表示だと私は思います。
こうした、自分の非力さを認め、下についてくれる者に感謝をしている姿勢。
これこそがお館様の魅力でもあり、人が自然とついてきてくれる理由。
そして、お館様に人がついていく理由は、もう一つあるはずです。
それは「笑顔」。
お館様の登場シーンを見てもらえれば分かるのですが、ほとんどのシーンでお館様は笑っています。
病気が進行し、かなりつらい状況にあるときでさえ、お館様は笑っていました。
そして、鬼舞辻無惨と対峙し、これから死ぬとわかっているときでさえも。
お館様の能力の一つである、エフ分の1ゆらぎ。
この、相手を心地よくさせる声は、おそらく笑顔から発せられる声だからこそのもの、だと私は思います。
お館様がしかめっ面で、怒りながらしゃべっていたら、とても心地よい声にはならないでしょうから。
私は、これからの時代にはこういったトップの存在が、必要なのではないかと感じています。
いや、トップだけに限りません。
自分の力量を認め、人に感謝し、いつも笑顔でいられる人。
こういった人が世界に増えてほしい。
見栄ばかり張って、人に罵声を浴びせ、いつもしかめっ面をしているような人には、誰も関わりたくないですよね?
お館様という存在は、ワニ先生が作り出した人物。
こういった人物が生まれるということはワニ先生も、こういった人を理想としているはずです。
イメージできないものは、絶対に描けないはずですから。
なので、これはワニ先生からのメッセージ性もあるのではないかと、私は考察しています。
そして、どうでしょう?
漫画とはいえ鬼滅の刃を読んでいる人に、お館様が嫌いな人は少ないのではないでしょうか。
ほとんどの人はお館様を慕い、お館様の死は悲しいものだったでしょう。
言ってしまえば、これはただの作り話。
でも、お館様のような人を好いている。
だから、死んでしまうと当然悲しい。
私たちの脳は、漫画だから別物とはならないのです。
そしてそれは同時に、お館様は私たちが世に求めている存在、だということでもあります。
ならば、まずは自分からでも、そういった存在に近づくべきなのではないでしょうか。
心の中のメンターに、漫画のキャラがいたっていい。
お館様ならこう考える。
そういったヒントを得られるかもしれない。
ぜひ、漫画からでも感じられることを増やし、人生に役立ててほしいと思います。
特に、推しがいいこと言って頑張ってるのに、自分はくよくよしてるとかは、なしでお願いします。
ということで、今回の記事は以上です♪