宿儺双子説
呪術廻戦237話で、宿儺から重要発言があった。鹿紫雲一の「オマエは最強に成ったのか?それとも生まれながらに最強だったのか?」という問いに対し宿儺は言う。
「どうかな。少なくとも忌み子ではあっただろうな」
この『忌み子』という発言で、宿儺が双子だったということは、ほぼ確定した。238話時点の、宿儺双子説の根拠となる考察は以下の通り。
- 忌み子
- 両面宿儺
- 開(フーガ)
忌み子とは
忌み子とは、古代から日本に伝わる概念で、生まれつき身体に異常がある者や、出生時に奇異な現象が起こった者、または両親から忌み嫌われる者などを指す。
双子は古来より、異常や不吉な存在として忌み嫌われてきた。そのため双子は忌み子とされることがあった。
双子が忌み子とされる理由としては、以下のようなものが挙げられる。
- 双子は自然の摂理に反する存在と考えられていた。
- 双子は災いをもたらす存在と考えられていた。
- 双子は魔物や悪霊の存在を示すものと考えられていた。
これらの理由から、双子は災いをもたらす不吉な存在として忌み嫌われてきた。そのため村や町から追放されたり、殺害されることもあった。
現代においては、双子は一般的に受け入れられる存在となっている。しかし、いまだに双子に対する差別や偏見が残っている部分もある。
宿儺と忌み子
宿儺は自身を忌み子と言った。この意味は2つのパターンが考えられる。
- 2人の人間が結合して生まれた結合双生児だったため忌み子と言った。
- 双子として生まれたことを忌み子と言った。
鹿紫雲の「生まれながらに最強だったのか、それとも後天的に最強に成ったのか」の問いについては「どうかな」と濁している。
両面宿儺とは
呪術廻戦の両面宿儺
4本の腕と2つの顔を持つため、ついた異名が両面宿儺。宿儺は実在した人間であり、カテゴリーとしては呪詛師として扱われる。実は両面宿儺という名前は仮称であり、仮想の鬼神である両面宿儺に似ていることからそう呼ばれている。本名は別にある(たぶん)。
4本の腕と2つの顔を持つことから、2人の人間が1つになっていると考察できる。元々2人の人間が1つの状態、つまり「結合双生児だった」という線と、「双子として生まれ、後に何らかの方法で1つになった」という2つの線が考えられる。
日本書紀の両面宿儺
日本書紀に登場する両面宿儺は、1つの胴体に2つの顔があり、それぞれ反対側を向いていたとされる。手足は2対あり、合計8本。4つの腕というアドバンテージを活かし、略奪を繰り返していた宿儺。最期は凶賊として武振熊命(たけふるくまのみこと)に討たれている。
英雄としての両面宿儺
両面宿儺は、日本書紀では凶賊として記されているが、飛騨地方では龍や鬼を退治し、寺院の縁起に関わるなど、地域の英雄として伝承されている。これは両面宿儺が、大和王権に抗した飛騨の豪族だったためではないかと考えられる。
大和王権は飛騨地方を支配するために、難波根子武振熊(なにわのねこたけふるくま)を派遣して両面宿儺を討伐した。しかし、飛騨の人々は両面宿儺を単なる凶賊ではなく、地域を守った英雄として記憶し尊崇を続けてきた。
両面宿儺の伝承は、飛騨の人々の歴史観や価値観を反映したものである。大和王権に抗して地域を守った英雄を尊崇する姿勢は、現代の飛騨の人々の姿勢と重なる部分がある。
兄弟を食した
宿儺は2つの顔を持っていた。それは肉体だけではなく「凶賊と英雄という2つの顔を持っていた」という考察もできる。これを作品に当てはめると、ある妄想が浮かび上がってくる。
それは、宿儺が今の異形になる前の話。双子として生まれた兄弟は、兄が悪事を働く凶賊となり、弟は善行を働く英雄となった。弟はそんな兄を、同じ血族の汚名として討とうとする。しかし、返り討ちにあい弟は殺されてしまった。
※ジャンプ漫画では兄が悪役という例が多いため、ここではその例に倣っている。
禪院真希・真依の姉妹のように、真依が死ぬことにより真希が覚醒したように、宿儺も兄弟を殺すことにより覚醒したのではないだろうか。宿儺ほどの者であれば、兄弟を殺すことで覚醒できることを知っていたのかもしれない。
また、殺した後に兄弟を食べてしまったのではないかとも考察できる。宿儺の術式は斬撃と炎。料理を示唆するような演出が多いことも、この件と関係があるかもしれない。
ファンブックで宿儺の最大の喜びは「食べること」と説明されている。初登場の1話では、「呪霊の肉などつまらん。人は、女はどこだ」と発言している。普段から人、特に女性を狙って食べていたと推察できる。そしてとうとう、家族までを食してしまったと。
開(フーガ)
宿儺双子説を考察する上で、『宿儺のもう1つの術式』の存在は欠かせない。宿儺の術式は斬撃を主とする『御廚子(みずし)』。加えて炎の術式も使用する(名称不明)。
通常、生得術式は1人につき1つとされている。炎の術式に関しては、宿儺の生得術式ではない可能性が高い。何故なら、領域展開直後に炎の術式を使用していたから。
領域展開後は生得術式が一時的に使用不可となるため、『領域展開直後に炎の術式を使用していた=宿儺の生得術式ではない』となる。
開(フーガ)というのは術式の名前ではなく、そのまま「開ける」という意味。これは英語版の呪術廻戦で「OPEN」と発していることから裏付けできる。
また、開の前に「■」と発言していることから、『黒い箱を開ける』という意味で間違いないと思う。■については発声は不明。アニメ2期・渋谷事変、漏瑚との戦いで使用時に明らかになるかもしれない。
兄弟の術式
以上のことから考察すると、もう1つの術式は双子の兄弟の術式で、黒い箱から取り出して使えるというイメージができる。黒い箱は、宿儺の内にあるもう1つの魂かもしれないし、ブラックホールや伏黒の影のような、別の空間のことなのかもしれない。
まとめ
宿儺双子説は、以下の観点から様々な考察ができる。
- 宿儺は結合双生児だった。
- 宿儺は忌み子で双子だった。
- 両面宿儺の2つの顔は、善悪を象徴する2人の兄弟。
- 兄弟を殺すことで覚醒した。
- 兄弟を調理して食べた。
- 開(フーガ)は宿儺の二つ目の術式。
- 開はOPENという意味で黒い箱(■)を開けている。
- ■は宿儺の中の兄弟の魂。
- ■はブラックホールなどの別の空間。
宿儺が完全体となった今、宿儺の出生の秘密も明らかになる日は近い。どのような経緯で今の姿になったのか。あっと驚くような展開に期待したい。