テレビアニメ「鬼滅の刃」刀鍛冶の里編も8話を終え、いよいよ物語も佳境に入りました。過去の記憶を取り戻し、痣と新しい刀を手に入れた時透無一郎。玉壺との熾烈な戦いが始まる。作画はやはり神レベル。霞の呼吸も玉壺の血鬼術も迫力が凄い。
今回は「無一郎 vs 玉壺」について、知っておくべきポイントを先取り解説します。いいねとチャンネル登録をお願いします。共有ボタンもプッシュ。では参ろう。
悪口合戦
二人の戦いがいよいよ本格化。まずは「悪口合戦」という名の口喧嘩から始まります。8話の最後に「舐めるなよ小僧」と玉壺は言いました。それに対し「別に舐めているわけじゃない」と無一郎が返す。事実を言っているだけだと。
この「事実を言っているだけ」というくだり。実は無一郎の回想で、有一郎が言っていた言葉の名残りです。有一郎が父母のことを馬鹿と罵った際、無一郎は「そんな言い方をするな」と言いました。それに対し有一郎が言ったのが「俺は事実を言っただけ」という言葉です。
また、ここで無一郎は、一人称が僕だったり俺だったりと、まだ不安定な様子を見せています。「どうせ君は僕に頸を斬られて死ぬ。だって何だか俺は凄く調子がいい」。これは不安定というよりは、二つの人格をうまく応用している感じ。
戦いにおいては、無一郎の弱気な性格だけでは勝てない。有一郎の合理的で勝気な性格も応用する。実は無一郎、記憶を取り戻したことで内面でも覚醒があったのです。僕や君という時は無一郎モード、俺やお前と言う時は有一郎モード。ここもアニメで要注目。
そして、ここにはもう少し裏話があります。一見 無一郎の性格は戦いに不向きだと思われる。しかし、それが違うのです。無一郎の本来の性格は、有一郎よりもしたたかで神経が図太い。繊細な兄よりも打たれ強いのです。嵐が来ようが雷が落ちようが、どこでも眠れた無一郎。どんな時でも食欲がなくなることはなかったそう。
無一郎は記憶を取り戻す前は、有一郎の性格を自分のものと思っていた。記憶を取り戻した後は、自分本来の性格も手に入れた。言葉はきついけど実は繊細な兄の性格に、したたかで神経が図太い性格が合わさった。
この悪口合戦においても、無一郎のしたたかで図太い神経がよく表れている。実は会話シーンの中では無一郎モードの方が多いのです。戦闘においても、どんな攻撃がきても動じないのは無一郎モードが成せるもの。有一郎モードだけなら玉壺は倒せていなかったかもしれない。
また、玉壺の悪口の癖も気になる。無一郎が玉壺をディスると、玉壺は無一郎に「お前のような手足の短いちんちくりんの刃、私の頸には届かない」と返す。いやいや、明らかに自分の方が手足が短いし、無一郎の言うように、ついさっき頸を刀でかすめられたばかり。玉壺はアドリブの悪口合戦には弱いらしい。
真の姿
玉壺が一番気にする悪口。それは創作物をディスられること。無一郎は玉壺の発言からそのことに気づき、玉壺の壺をディスる。壺をディスられた玉壺は激昂。血鬼術・一万滑空粘魚を繰り出す。一万匹の毒の牙を持った魚による攻撃。ひとたび捕まればひとたまりもない。
無一郎はこれを、霞の呼吸・陸ノ型 月の霞消で全部斬ってのける。一万匹全部って。どうなってやがる。漫画では一瞬の出来事で終わっていますが、アニメでは縦横無尽に斬り刻むシーンが描かれると期待。一万匹ですから、相当な連撃になるはず。かつて縁壱も一瞬で無惨の肉片・1500と少しを斬ったことがある。それ以上ということか。
一万滑空粘魚は、斬られることで毒をまき散らすよう作られている。経皮毒のため、皮膚に触れるだけで毒に侵される。これを無一郎は、霞の呼吸・参ノ型 霞散の飛沫により吹き飛ばした。霞の呼吸強し。
そして玉壺の頸へ刀を振る。玉壺は脱皮してそれを回避。木の上に逃げた玉壺は姿を変えていた。「この姿を見せるのはお前で三人目」らしい。無一郎はそれに対し「結構いるね」と玉壺をさらに怒らせようとする。
玉壺の真の姿。玉壺は自信をもって美しい姿と言う。無一郎は呆れてものが言えない。おそらく視聴者もこのようになるでしょう。しかし、玉壺の強さは本物です。金剛石よりも硬い神の手。拳で触れたものは全てが魚になる。また、下半身は蛇のような容姿をしており、柔らかくも強靭なバネ、さらには鱗の波打ちにより、縦横無尽に高速移動が可能。
無一郎はここで余裕の笑みを見せる。「どんな攻撃も当たらなかったら意味ないでしょ」。確かにそうなのだが、玉壺の攻撃は凶悪すぎる。多彩な毒攻撃に、触れれば魚にされてしまう「神の手」という一撃必殺を持つ。果たして。
時透無一郎の強さ
無一郎がここまで強くなれたのは、やはり自分を取り戻したことによる影響が大きい。お館様の言っていた「確固たる自信」。それにより両の足を力いっぱい踏ん張れる。自分が何者なのかわかれば、戸惑いも焦燥も消え失せ、振り下ろされる刃から逃れられる鬼はいない。
無一郎の前刀鍛冶・鉄井戸は言っていました。「儂は心配だよ坊や。誰が分かってくれようか。お前さんのことを。お前さんがどれだけ手一杯か。どれだけぎりぎりと余裕がないか。物を覚えていられんことの不安がどれだけか」。
実は無一郎、余裕なように見えて内心は一杯いっぱいだったのです。そして、自分が何者かわからない戸惑いや焦燥に駆られていた。無一郎はただひとつ「体が覚えていた怒り」のみでここまで這い上がってきた。つまりこれは反復動作の一種でしょう。あの時の怒りを思い出すことで、無一郎は強くなれた。
記憶を無くしたことは、逆に良かったのかもしれない。始まりの呼吸の剣士の末裔という才覚もあるが、ただ怒りだけを原動力に、ひたすら血反吐を吐くような鍛錬を重ねることができた。他に考えることが無かった分、二か月で柱になるという偉業を達成できたのかもしれない。
霞の呼吸 漆ノ型 朧
戦いは佳境へ。玉壺の血鬼術・陣殺魚鱗。玉壺いわくこの技の動きは、理に反した動きをするらしい。鱗によって予測のできない動きをする。触れられたら終わりの戦い。無一郎はここで霞の呼吸・漆ノ型 朧を繰り出す。
玉壺は無一郎の姿を追う。見つけては攻撃、見つけては攻撃の繰り返し。しかし当たらない。玉壺は気づく。まるで煙に巻かれている。無一郎の朧は、動きに大きな緩急をつけ敵を撹乱する技。姿を見せる際は亀のように遅く、姿を消す際は瞬き一つの間。
遅いと見せかけて攻撃を誘い、とてつもないスピードでそれを躱す。相手はまるで煙に巻かれているような錯覚を覚えだす。当たると思った攻撃が当たらない。そして困惑する。朧は精神的にも追い詰めていく技です。
決着
痣の影響により、爆発的に身体能力が向上している無一郎。そもそも無一郎が覚醒した要因は、千本針の毒と水獄鉢で 死の淵に追い込まれたこと。玉壺は無一郎を極限まで追い込んだことで、倒されることとなりました。
無一郎のスピードは、上弦の伍である玉壺を凌ぐ。玉壺の攻撃は一発も当たらないまま、霞の呼吸・漆ノ型 朧によって頸を斬られました。頸を斬られたことにも気づかない程のスピード。恐るべし14歳。
無一郎の最後の言葉は「お終いだね、さようなら。お前はもう二度と生まれて来なくていいからね」。最後は有一郎モードになっています。
玉壺は、頸を斬られた後も少しの間ジタバタしています。それを無一郎はみじん切りに。ようやく玉壺は消滅しました。玉壺との戦いを終えた無一郎は、痣も消え通常の状態に。ここで千本針の毒の影響が一気に表れる。鉄穴森との話の途中で泡を吹いて倒れてしまいます。
どうやら、千本針の毒は致死性はない様子。あたふたする鉄穴森の前に小鉄が現れる。小鉄は死んだと思われていました。鳩尾に鬼の攻撃を喰らっていたからです。死んでいなかったのは、炭治郎から預かっていた杏寿郎の刀の鍔が腹にあったからでした。
倒れていながらも、二人の会話を聞いていた無一郎。杏寿郎を思い出し涙を零す。そして、声をかける父の幻。「ほら全部うまくいった」。父、母、そこには兄の姿もあった。「頑張ったな」。兄が認めてくれた。無一郎にとっては、四人で仲良く暮らしていた時以来ではないでしょうか。
霞の呼吸
ここで無一郎の霞の呼吸の型を振り返っておきましょう。霞柱・時透無一郎が使う全集中の呼吸、霞の呼吸。作中では壱から漆ノ型まで使用。実は刀鍛冶の里編で全ての型を出しています。
壱ノ型・垂天遠霞
一点集中の突き技。両手を使うため威力は高め。玉壺の水獄鉢を抜け出そうとした際に使用。
弐ノ型・八重霞
体幹を大きく捻り、瞬時に幾重もの斬撃を繰り出す。この技を使い、垂天遠霞で抜け出せなかった水獄鉢を抜け出した。
参ノ型・霞散の飛沫
霧を晴らすがごとく、大きく円を描く回転斬り。玉壺の一万滑空粘魚の毒を弾き飛ばした。
肆ノ型・移流斬り
霧に紛れながら相手の懐に入り、斜めに切り上げる。半天狗と対面した際の初手として使用。アニメでは水獄鉢を抜け出した後にも使用。
伍ノ型・霞雲の海
前方に突撃しながら、海のように広範囲を斬り刻む連撃。玉壺の蛸壺地獄に対してのカウンターとして使用。
陸ノ型・月の霞消
上空に飛び上がりながら、広範囲を霧で包み込むように斬り込む。この技により、玉壺の一万滑空粘魚すべてを斬ってのけた。
漆ノ型・朧
実はこれ、無一郎が編み出したオリジナルの技。現れる際は亀のように遅く、消える際は瞬きする一瞬の間に。緩急自在の足運びで、あまりの緩急に相手は霞に巻かれているかのような錯覚を覚える。そして、相手の死角から一気に攻撃を仕掛ける形となる。痣を発現した無一郎の朧は、上弦の伍である玉壺のスピードを凌いだ。
玉壺の血鬼術
かわいそうなので、玉壺の能力についても振り返っておきましょう。玉壺の血鬼術の源は壺。壺はどこにでも自在に出現させることができ、玉壺はその中の異空間を通って移動する。
普段は異空間に壺をしまっているようで、それを手から出現させたり地面に出現させたりする。各技に対応した壺は、それぞれ絵柄の違うもの。ここは玉壺なりのこだわりが見られる。
玉壺は鬼を生み出すこともでき、壺を介して力を受け渡している。多くの壺をつければ、それだけ鬼の力も増す。ただし壺が弱点のため、破壊されると鬼は消滅してしまう。
千本針・魚殺
壺から巨大な金魚を生み出し、口から無数の針を放出させる。針には毒が含まれており、致死性はないものの痺れで体の自由を奪う。おそらくは対象を殺さず、生きたまま作品を仕上げるための技。
水獄鉢
壺から大量の水を放出させ、対象をその水の中に閉じ込めてしまう技。グニャグニャとした水質のため、簡単には刀で斬れない。水中で溺れさせることが目的だが、同時に鬼殺隊士にとっては、空気がないため呼吸を封じられてしまう最悪の技。
蛸壺地獄
巨大な蛸の足を出現させる。大質量による攻撃や、蛸の足で掴んで締め上げることもできる。蛸の足は弾力があり、水獄鉢と同じく簡単には斬れない。斬ろうとした刀を掴み、折ってしまうことも可能。
一万滑空粘魚
その名の通り、一万匹の牙を持った魚が空を飛び襲い掛かる。これは作画が大変だ。斬っても斬っても襲い掛かってくる上、斬った魚の体液は経皮毒のため、浴びると終わる。おそらくはこちらも少量なら致死性は無いと思われるが、大量に浴びるとさすがに死んでしまうだろう。
真の姿
玉壺は脱皮を行うことで真の姿になる。この姿を見せたのは、無一郎で三人目。額の模様が変化し、頭や体から生えていた へんてこな腕が無くなる。その代わりに、水かきのついた二本の腕が出現。
下半身は蛇のような姿をしており、本人は美しいと豪語するが、とてつもなく気持ちの悪い姿をしている。しかし、強さは後述する能力をもって最強と呼べる。体にある鱗は、金剛石以上の硬さを持つ。
神の手
生物・無生物を問わずに、拳で触れたもの全てを魚に変化させる。一度魚になってしまえば、おそらく戻ることはできない。無一郎以外に真の姿を見せた二人は、この技でやられたと思われる。玉壺は自身が生み出した魚を「愛くるしい鮮魚」と呼ぶ。
陣殺魚鱗
玉壺最強の技。理に反した予測不可能な動きにより、相手を攪乱し神の手で仕留める。痣を発現した無一郎レベルで対応可能。普通の柱では対応は難しいと思われる。
まとめ的なもの
以上、これから描かれる無一郎と玉壺の戦いの全貌でした。無一郎の霞散の飛沫・霞雲の海・月の霞消・朧。玉壺の一万滑空粘魚・真の姿・神の手・陣殺魚鱗。これだけの技が1話で描かれる。それが9話になるかは不明です。
また9話の予想も考えてみたいと思います。みなさんは無一郎、玉壺の技でどれが一番好きですか?コメント欄で教えてください。今回の記事は以上です。いいねとチャンネル登録・共有ボタンもプッシュ。それではまた。