鬼滅の刃 連載当初は打ち切り候補筆頭だった?
漫画、アニメ、劇場版、いずれも大ヒットを記録し、不朽の名作として今後も語り継がれるであろう『鬼滅の刃』。
今でこそ世に知れ渡っている本作ですが、昨今の人気作品と比べると、ヒットは遅かったように思われます。
例えば『怪獣8号』や『SPY×FAMILY』は1話の時点で大きな注目を浴びていました。
そこで今回の記事では、『鬼滅の刃』の連載当初の様子と、ヒットまでの経緯をご紹介します。
日本中を巻き込むブームを起こした本作は、いかにして成り上がったのでしょうか。
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また、あなたはいつ『鬼滅の刃』を知りましたか?
是非コメント欄で教えてくださいね。
では参ろう。
連載最初期
『週刊少年ジャンプ』の2016年11号から連載をスタートさせた『鬼滅の刃』。
第1話の内容は、主人公・竈門炭治郎の家族が鬼によって殺害され、唯一生き残った妹・禰豆子は鬼にされてしまう、という非常に暗い内容でした。
主人公の行動目的「妹を人間に戻す」が明確に示されており、続きが気になる、という意味で完成されている1話ではありますが、如何せん暗いのです。
そのため第1話の時点では、「ジャンプらしくない」という感想が散見されました。
読み切り漫画の掲載等で、ある程度の知名度を誇っていた吾峠呼世晴先生。
ファンからは、作風と誌面がマッチしていないことによる打ち切りが危惧されていたようです。
事実として、『鬼滅の刃』の誌面掲載順位は、3話で13位と急降下。
新連載が3、4話目で掲載順位を下げることは決して珍しい事ではありませんが、『鬼滅の刃』は5話目以降もなかなか浮上することが出来ませんでした。
5話では14位、6話で15位、9話では16位と、もはや10週打ち切りすら危ういコースです。
ジャンプ編集部は、「掲載順位イコール人気順位ではない」と明言していますが、それでもある程度の人気を測る指標にはなっています。
ファンは存在していたものの、ジャンプ全体として見ると人気は芳しくなかった、と表現するのが適切でしょうか。
ここからは、連載初期の『鬼滅の刃』がなぜ人気を獲得できなかったのか、リアルタイムの感想を追いつつ見ていきます。
タイトルがダサい
今でこそ圧倒的な知名度を誇る『鬼滅の刃』というタイトル。
しかし連載初期の時点では、「タイトルがダサい」という声も少なくはありませんでした。
「〇〇の〇〇」という漫画タイトルは多く見られますが、『鬼滅の刃』はあまりに露骨なタイトルです。
「鬼を倒す」という物語内容が想像できる、という意味で適切なタイトルであることに間違いはありませんが、どこかダサさを感じてしまいます。
人気が爆発した今となっては薄れてしまった感覚ですが、同じ感想を抱いていた方も多いのではないでしょうか。
ジャンプらしくない
冒頭でも触れた論点ですが、『鬼滅の刃』の導入は、良くも悪くもジャンプらしくないストーリーでした。
今となっては、『チェンソーマン』や『呪術廻戦』などの作品と並ぶ、新たな「ジャンプらしさ」の形として代表的な位置を占めています。
しかし、当時としては異端も異端。
連載初期の暗い作風は、どこか他誌や青年誌を思わせる内容です。
悲劇からストーリーが始まる、という点では、ジャンプ編集部が獲得を逃してしまったことでも有名な『進撃の巨人』と重なっています。
初期の『鬼滅の刃』が人気を獲得できなかった背景には、このような要素も関係していることでしょう。
連載中期に差し掛かる頃には、「全集中の呼吸」や鬼殺隊の幹部階級「柱」、敵側の幹部階級「十二鬼月」などが登場し、徐々に作品としてエンジンが掛かってきた『鬼滅の刃』。
「〇〇の呼吸」から繰り出される数々の技に、鬼が操る異能「血鬼術」などの概念には、ジャンプイズムが感じられます。
今にして思えば、本作が安定した人気を獲得していったのは、これらのワードが登場した辺りだったのではないでしょうか。
当時の連載陣
『鬼滅の刃』が連載を開始した2016年には、『ONE PIECE』や『僕のヒーローアカデミア』『銀魂』などの看板人気作品の他にも、多くの人気作品が連載されていました。
具体的に名前を挙げると、『食戟のソーマ』『斉木楠雄のΨ難』『火ノ丸相撲』『ワールドトリガー』『約束のネバーランド』など、当然のようにアニメ化を果たしている大人作品ばかりです。
『鬼滅の刃』が連載初期に注目を獲得できなかった裏には、このような中堅層の厚さも大いに関係していたことと思われます。
同時期には『トリコ』や『ゆらぎ荘の幽奈さん』なども連載されていましたから、いま思えば本当に豪華な連載陣に囲まれていました。
人気爆発の経緯について
ここまでは、『鬼滅の刃』の連載当初の様子についてご紹介しました。
初期は人気が低迷していた『鬼滅の刃』。
ここからはそんな本作が、いつ人気を獲得したのかを見ていきましょう。
掲載順位
まずは掲載順の推移から紐解いていきます。
冒頭でもご紹介した通り、『鬼滅の刃』の連載初期は、打ち切りも危うい程の掲載順位が続いていました。
その後も掲載順は芳しくなく、時折1桁順位台に浮上することこそあれど、基本的には2桁順位。
決定的に様子が変わり始めたのは、『週刊少年ジャンプ』2017年7号に掲載された第45話からです。
那田蜘蛛山編で3度のセンターカラーを獲得していた『鬼滅の刃』は、満を持して第1話以来の巻頭カラーへ挑みます。
そんな巻頭カラーに掲載された45話のサブタイトルは、「鬼殺隊柱合裁判」。
タイトル名からお分かりいただける通り、鬼殺隊の幹部陣「柱」が全員登場する回です。
強キャラクターの登場シーンは、少年漫画で最も盛り上がるシーンの一つ。
そして『鬼滅の刃』は、柱合会議編に続く形で、映画化も果たした「無限列車編」に突入します。
「無限列車編」では、炎柱・煉獄杏寿郎の活躍や、上弦の参・猗窩座の初登場などが描かれました。
この頃から掲載順位の月平均が、1桁台へと浮上し始めています。
続く遊郭編でも掲載順1桁台は続き、気が付けば掲載順上位常連、つまり『週刊少年ジャンプ』の看板漫画として君臨するに至りました。
アニメ化で人気爆発
『鬼滅の刃』のヒットを語るうえで欠かせないのは、やはりテレビアニメの存在です。
2019年4月、ufotableの制作でアニメの放送が始まった『鬼滅の刃』。
第1話時点からの美麗な作画が話題を呼び、『鬼滅の刃』の存在が徐々に世間から認知され始めます。
決定打となったのは、アニメ1期の第19話「ヒノカミ」。
竈門炭治郎が「ヒノカミ神楽」を用いて下弦の伍・累と死闘を繰り広げるシーンは、映画並みのクオリティであり、アニメ史に残る「神回」として大きな話題となりました。
SNSで大きくバズったアニメ『鬼滅の刃』の影響は、原作漫画にも波及。
既に人気漫画としてジャンプ誌面で台頭していた原作『鬼滅の刃』は、さらなる読者の獲得に至ります。
なお、アニメ第1期が地上波放送を開始した2019年4月、『週刊少年ジャンプ』で連載されていたのは無限城決戦編。
それも、無限城決戦編で最も盛り上がったシーンと言っても過言ではない、「炭治郎vs猗窩座」が描かれていたのです。
原作版の佳境とアニメの神作画が相まって、『鬼滅の刃』の人気は確固たるものとなりました。
映画化の大成功
最後に鬼滅の刃が打ち立てた、伝説的な記録についても触れておきましょう。
伝説的な記録とは、改めて言うまでもありませんが、劇場版『鬼滅の刃』無限列車編の大成功です。
全世界興行収入が500億円を超え、日本における興行収入ランキングでトップに躍り出た無限列車編。
序盤でご紹介した原作『鬼滅の刃』の連載初期を思えば、見事なまでの大出世です。
劇場版の大ヒットを助けたのは、ufotableが築いた作画への信頼度と、原作『鬼滅の刃』の完結です。
連載漫画には、「最新話を追うために『週刊少年ジャンプ』を毎週買う必要がある」という大きな弱点があります。
単行本で追うとなると、新刊が発売されるのは2か月、あるいは3か月間隔。
待つことが嫌いな層には、週刊連載漫画は刺さりません。
その点、映画化時点の『鬼滅の刃』は既に連載を終了していますから、あらゆる層が単行本に手を出しやすい状態でした。
アニメ進行中の連載終了には、多方面から今後を危惧する声が漏れ出していましたが、蓋を開けてみると、大ヒットを助ける起爆剤の一つとなったように思われます。
まとめ的なもの
以上、『鬼滅の刃』の連載初期の様子と、大ヒットまでの経緯についてご紹介しました。
一時期は打ち切り候補筆頭として読者に予想されていた『鬼滅の刃』。
しかし、中盤からの盛り上がりと、アニメ化に伴う読者層の拡大により、見事なまでの大逆転劇を見せてくれました。
もはや社会現象と言える程の一大ムーブメントを巻き起こしましたから、初期から『鬼滅の刃』を追っていたファンの方は、鼻が高いのではないでしょうか。
あるいは、あまりの急激な知名度上昇に、複雑な思いを抱いている方もいらっしゃるかもしれません。
これから先『鬼滅の刃』を越える大人気作品は現れるのでしょうか。
今後の漫画・アニメ界も要注目ですね!
今回の記事は以上となります。
次に来るとあなたが予想する漫画を、是非コメント欄で教えてくださいね。
それではまた♪