鬼滅の刃 アニメ柱稽古編6話は岩柱・悲鳴嶼行冥の回。6話のタイトルは『鬼殺隊最強』。正真正銘の最強を誇る悲鳴嶼さんですが、人気では最弱。
普通の漫画なら、最強といえば人気も高い。呪術廻戦の五条悟。NARUTOのうちはマダラ。ワンピースのシャンクス・カイドウなどなど。だがしかし、鬼滅の刃は少し異なる。
真の最強は過去にいたけれど、そちらは人気。しかしながら、現代の最強・悲鳴嶼行冥はというと、残念ながら人気があるとは言えない。そこにビジュアルも影響していることは否定できない。
言いたいことは山ほどある。まず、私は悲鳴嶼行冥が大好きだ。無限城編や最終決戦の彼を見れば、好きにならない方がおかしい。原作を見た人なら、悲鳴嶼さんの真の強さ、かっこよさはよく知っているはず。
今はまだ、アニメでの活躍も全くないし、泣いている少しおかしな人。柱合裁判では、優しい口調ながらも、炭治郎や禰豆子に対して容赦ない言葉を浴びせていた。アニメ勢にとっては、この時点で風柱や蛇柱と同様、いい印象がなかっただろう。
風柱・蛇柱は、柱稽古編1話で活躍を見せ、新たなファンを獲得しつつある。しかし、悲鳴嶼さんはアニオリの登場がまだなく、道のりがまだ長いと感じる。
岩柱・悲鳴嶼行冥の柱稽古
柱稽古編6話ではまず、悲鳴嶼行冥の柱稽古が描かれる。悲鳴嶼さんの柱稽古は『筋肉強化訓練』。悲鳴嶼さんの家がある山奥で行われている。
体の中心となる足腰と重心を鍛える稽古で体を安定させる。全身の筋肉を強化し体幹を鍛えることで、正確な攻撃と崩れぬ防御を身につけることが目的。
まず第1段階として、異様に冷たい川で滝に打たれながら念仏を唱える。これを2時間。念仏を唱える理由は、集中するためと生存確認の意味もある。
次に、丸太三本を担ぐ修行。質量や長さが不明なので重さは不明ですが、300キロ以上はありそう。
そして最後は、人の背丈ほどの岩を一町先まで押すという訓練。一町とは約109メートル。動かすだけでも一苦労な岩を、109メートルです。
間違いなく、柱稽古の中で最も過酷な稽古。過酷というのは、突破が難しいという意味。今までの稽古も、過酷といえば過酷。しかし悲鳴嶼さんの稽古は、常人では突破が不可能に近い稽古。
作中では、炭治郎以外にこの稽古を突破したものはおらず、そのまま無限城へ突入という流れになった。あまりの過酷さに、悲鳴嶼さんの稽古は何一つ強制されることはなく、辞めたいものは山を下りてもいいという規則になっていた。
悲鳴嶼さんの考えとしては、これから先、上弦や鬼舞辻無惨と戦うために、少しでも柱の実力に近づいてもらいたいという想いがあったのでしょう。でなければ、大量に人が死んでしまうと。
ちなみに、悲鳴嶼さんはさらに過酷な稽古を実践しており、丸太にさらに岩をぶら下げて、足元には火をつけ耐える修行をしている。また、岩を押す訓練も、稽古のものよりも遥かに大きい岩を押していた。
反復動作
岩を押す訓練に苦戦する炭治郎。六日経ってもビクともしない岩。筋力というのは短期間で爆発的に強化できるようなものではない。
炭治郎はここで、痣を出し続けることの訓練も考えていた。痣が発現する時の爆発的な力。それを戦いのとき、常時発動できるようにしたいと。岩を押す訓練にも、痣の力を応用しようと考えていた。
痣の常中ともいえる、新たなスキル。任意で痣を発現させ、その状態を維持する。これは柱達も訓練している内容。この痣の発現の訓練について、柱が訓練している様子は原作では描かれていない。ここはアニオリがあるかも。
そして、現れる不死川玄弥。兄の実弥とのひと悶着以来の再会。刀鍛冶の里編以降、すっかり仲良くなった二人。玄弥は炭治郎の痣が濃くなっていることを指摘。岩の訓練のおかげで、徐々に痣の効果も上昇していた模様。
そしてここで、岩を押すのに苦労している炭治郎に、玄弥からのアドバイス。実は玄弥は岩を押せるという。その肝となるのが反復動作。集中を極限まで高めるために、予め決めておいた動作をする。玄弥の場合は念仏を唱える。
反復動作、いわばルーティン。分かりやすい例でいうと、イチローがバッターボックスに立つまでにいつも行う、一連の流れのようなもの。また、井上尚弥が強いパンチを放つ際に行う前動作のようなもの。スポーツによくみられるルーティンと似ている。
玄弥から炭治郎へのアドバイス。悲鳴嶼さんは教えるのが苦手なため、見て盗むしかないと言う。確かに玄弥は、悲鳴嶼さんの念仏を真似ているようだ。
反復動作の真髄は、全ての感覚を一気に開く技。実はこれ、透き通る世界とも通じている。全集中とは異なるもので、呼吸が使えない玄弥もできる。刀鍛冶の里でも、玄弥が念仏を唱えているシーンがありました。あそこで既に反復動作を使っていたのです。
悲鳴嶼さんや玄弥は、反復動作を行う際、怒りや痛みの記憶を思い出す。それにより心拍と体温を上昇させている。これはつまり、痣ともつながっている。痣の発現は、心拍数200以上、体温39度以上が条件。反復動作によりこれに近づく。
余談ですが、玄弥が思い出す痛みとは凄まじいものがありそう。玄弥は鬼化できる分、普通の人が死んでしまうような痛みを体験している。刀鍛冶の里でも腹を貫かれたり、体を穴だらけにされたり。この痛みの大きさは、反復動作にも影響があるかもしれない。
玄弥は、痣の状態は反復動作を行った状態と同じではないかと言う。玄弥に確信はないけれど、この考察は当たり。
炭治郎の反復動作は、まず、大切な人の顔を思い浮かべること。ここで家族を奪われた時の怒りを思い出す。そして、煉獄さんの言葉を思い出す。
『心を燃やせ』
家族を殺されたという鬼への怒りを起点に、心を燃やして心拍数・体温を上昇させる。それが炭治郎の反復動作の一連の流れ。
今までも、心を燃やせという言葉は 大事な局面でいつも唱えていた。そして、炭治郎が集中力を高めていたという場面があった。つまり、今までも炭治郎は、無意識に反復動作を行っていたということ。そこに、家族を殺された怒りをプラスすることで、炭治郎の反復動作は完成、真の形となった。
そして、反復動作を何度も何度も繰り返すうちに、ついに炭治郎の痣が常時発現。その状態で岩を動かすことにも成功。この、押せるか押せないかの岩を押す訓練が、ちょうど痣を常時発現させるための訓練として、ベストなものだった。
そして、炭治郎に影響され、伊之助も反復動作を習得。伊之助の反復動作は、まず好物である天ぷらを思い浮かべ、猪突猛進と叫ぶ。今までも伊之助は、事あるごとに猪突猛進と叫んでいました。意味が分かっているかは不明ですが。
これには同じかまぼこ隊として、善逸も焦りを感じている。そしてここで、善逸にある手紙が届く。この手紙により、善逸は反復動作とは別の意味で怒りを燃やしていく。
訓練終了
反復動作と痣の力を使い、炭治郎は一町先まで岩を押すことに成功した。しかし、意識が朦朧としている。それもそのはず。痣の状態で動き続ければ命にかかわる。さらに水分補給を怠っていたため、脱水症状に陥っていた。
そこに、見守っていた悲鳴嶼さんが登場。炭治郎に水分を補給させる。そして、竈門炭治郎を認めると言った。悲鳴嶼さんが認めたのは、刀鍛冶の里で炭治郎が、妹よりも里の人間の命を優先したこと。
しかし、これは炭治郎も言うように、妹の禰豆子の決断による影響が大きかった。それを正直に話す炭治郎。そして、簡単に自分を認めないでくださいと言う。
それを聞いた悲鳴嶼さんは、逆に炭治郎をさらに認めることに。子供は嘘つきだという固定概念を持っている悲鳴嶼さん。いつも嘘をつかない真っすぐな炭治郎を見て、子供への考え方が変わりつつあった。
まとめ
今回は、悲鳴嶼行冥の稽古から反復動作までまとめてみました。悲鳴嶼さんの稽古は、この先の戦いにおいて、とても重要な要素を持っている。
炭治郎や柱にとっても、痣の常時発現のカギとなる岩を押す訓練、反復動作。これは痣だけではなく、透き通る世界にも繋がっている。最終決戦で、悲鳴嶼さんや小芭内が透き通る世界を視れたのは、反復動作によるところが大きいと言える。
おそらく悲鳴嶼さんだけでなく他の柱も、反復動作を習得しているのでしょう。このあたりが、アニオリで描かれてくれるといいなと思います。痣発現の修行の様子などもあるとGOOD。
ということで、今回の記事は以上です。皆さんは悲鳴嶼さんの稽古を通過できると思いますか?また、みなさんの反復動作は何ですか?コメント欄で教えてください。それではまた。