鬼滅の刃を売れない作品にするためには?
『鬼滅の刃』と言えば、漫画とアニメの爆発的ヒットを経て、今や知らない人の方が少ないと言っても過言ではない作品です。
『週刊少年ジャンプ』で4年間連載され、『ONE PIECE』をも超える看板漫画として第一線を走り切った本作は、なぜこれほどまでの人気を獲得するに至ったのでしょうか。
そして、そんな人気作品を不人気作品に変貌させる場合、どの要素に手を加えれば良いのでしょうか。
今回の記事では、『鬼滅の刃』を売れない作品にするための方法を考えつつ、逆説的にヒットの秘密に迫っていきます。
いいねとチャンネル登録を宜しくお願いします。
あなたが『鬼滅の刃』を不人気作品にする場合、どのような変更を加えますか?
是非コメントを残していってくださいね。
では参ろう。
キャラクター改悪
第一に考えられるのは、キャラクター改悪です。
『鬼滅の刃』は、敵味方問わず多くの魅力的なキャラクターが登場します。
例えば主人公・竈門炭治郎は、頑固なまでの正直者であり、人の為に感情を爆発させることが出来る人物です。
敵側のキャラクターを見てみると、例えば上弦の参・猗窩座は、悲しい過去の持ち主にして強者に敬意を払うバトルジャンキーなキャラクター。
どちらも非常に魅力的であり、現に多くのファンから支持されています。
しかし、もし竈門炭治郎が嘘にまみれた狡猾で非情な人物だった場合、作品のイメージはガラッと変わってしまうのではないでしょうか。
例えば、保身のために味方を売る行為や、必要以上に鬼に苦痛を与える行為、妹の禰豆子を諦めて見捨てる行為などです。
原作の竈門炭治郎は痛ましいほどに正直な人物ですから、本能のままに生きるクズ炭治郎も見てみたい気はします。
また、もし猗窩座の過去が、半天狗や玉壺のようなクズエピソードだった場合、無限城編の炭治郎vs猗窩座の戦いは、読後感にかなりの差異が生じたはずです。
『鬼滅の刃』は、死亡シーンや欠損シーンも描かれるダークな雰囲気漂うファンタジー作品ですが、キャラクター達の魅力によって明るい雰囲気も追加されています。
そんなキャラクター達の性格や魅力が改悪された場合、人気は決定的に下降するのではないでしょうか。
悲鳴嶼行冥が初期から活躍
続いては少し毛色を変えて、戦闘の面白さを失くす方向で考察を行います。
少年漫画、とりわけバトルの伴う漫画で重要な点は、緊迫した雰囲気です。
毎度毎度味方、もしくは敵キャラクターが無双していては、バトルの面白みが消えてしまいます。
その点で考えると、序盤で悲鳴嶼行冥が登場する展開は、悪手中の悪手なのではないでしょうか。
無限城編で自ら痣を発現させ、赫刀をも再現して見せた悲鳴嶼は、名実ともに鬼殺隊最強の剣士。
そんな人物が序盤から炭治郎と行動を共にしていた場合、多くの鬼は瞬殺されてしまいます。
下弦の伍・累はおろか、ともすれば、無限列車編の時点で猗窩座も討伐されてしまっていたかもしれません。
無限列車編は、煉獄杏寿郎の死があったからこそ際立った中編です。
悲鳴嶼が猗窩座を一方的にボコボコにしてしまった場合、面白さや感動が半減することは言うまでもないでしょう。
また、もしあの時点で猗窩座が討伐されることがあった場合、その後に開催されるであろうパワハラ会議はどうなっていたのでしょうか…。
『鬼滅の刃』を不人気作品にリメイクする場合、竈門炭治郎と悲鳴嶼行冥が最序盤で仲間になる展開は、方法としてアリです。
「岩柱・悲鳴嶼無双」という別作品になりそうな予感もしますが。
連載の引き延ばし
続いては、一昔前のジャンプ編集部で実際に見られた舵取り、「連載の引き延ばし」です。
『ドラゴンボール』に代表される人気作品の引き延ばし手法は、蛇足と表現されることも少なくありません。
現在では『Dr.STONE』や『チェンソーマン』などのように人気絶頂の状態で連載を終えることが認められているようですが、かつては出来るだけ連載を引き延ばす方針がとられていました。
もし『鬼滅の刃』もその煽りを受けていた場合、無限城決戦編で鬼舞辻無惨だけが生き残る展開や、唐突な未来編開幕などの突飛な方向に舵が取られたかもしれません。
『鬼滅の刃』の高い評価の裏には、綺麗な形で連載を終えた事実も大きく寄与しているはず。
だからこそ、もし『鬼滅の刃』を不人気作品に変貌させる場合、連載を引き延ばす手法は大いにアリでしょう。
「終わりよければすべてよし」ということわざもあるように、作品の最終着地点は極めて重要です。
編集部の言うがままに終わりの見えない生き延ばし連載を続けていた場合、『鬼滅の刃』の人気は急降下していたかもしれません。
主題歌変更
ここからは、アニメ『鬼滅の刃』も含めた考察を行っていきます。
『鬼滅の刃』は、原作漫画の面白さもさることながら、アニメでも大きな成功を収めました。
劇場版・無限列車編では、日本の興行収入ランキングで1位に輝くなど、もはや破竹の勢い。
そんなアニメ『鬼滅の刃』を不人気作品にするためには、どこから着手すれば良いのでしょうか。
まず第一に重要な点は、アニメ主題歌の変更です。
アニメ『鬼滅の刃』では、アニソンの女王として名高いLiSAさんが歌い上げた「紅蓮華」がオープニングテーマとして起用され、こちらも大きな人気を獲得しました。
もしオープニングテーマが「紅蓮華」でなく、例えば演歌などであった場合、アニメ本編のイメージも大きく変わってしまっていたのではないでしょうか。
制作サイドが「和風だから演歌!」という安直過ぎる発想の持ち主だった場合、『鬼滅の刃』はここまでの大ヒット作品にはなっていなかったかもしれません。
作画崩壊
アニメ作品の人気を左右する要素として最も割合が大きいのは、やはり作画ではないでしょうか。
あまりに酷い作画崩壊は、むしろ笑いのタネとして人気を呼ぶ可能性があります。
しかし、「微妙な手抜き」が感じられるような作画崩壊は作品の不人気の原因となり、最悪の場合制作サイドが炎上する事態となってしまいます。
『鬼滅の刃』のヒットには、制作会社ufotableの神作画が大きく寄与していることは、誰もが認めるところのはず。
「アニメの出来以前に原作漫画が面白い」という点は疑いようのない事実ですが、その面白さを大衆に伝えるきっかけとなったのは、間違いなくアニメです。
だからこそ、もしアニメの出来が悪かった場合、『鬼滅の刃』は現在のような脚光を浴びていなかったのではないかと考えられます。
アニメオリジナル
漫画作品を原作とするアニメ作品には、しばしばアニメオリジナル脚本が用いられています。
アニメオリジナルには、原作漫画に追いつかないための調整など、様々な「大人の事情」が働いてることと推測されますが、原作ファンからは迎合されない傾向にあります。
出来の良いオリジナル作品であればまだしも、脚本家が原作を読み込んでいなかった場合、目も当てられない悲惨な事態となってしまいます。
つまり原作ファンと、アニメ制作スタッフとの間に発生する「解釈不一致」です。
熱心なファンからすれば、アニメオリジナル展開での暴走は、原作の冒涜と同義です。
その点、『鬼滅の刃』はほとんどアニメオリジナル展開を使用しておらず、基本的には原作に準拠する形で制作されています。
逆に述べれば、アニメ『鬼滅の刃』がアニメオリジナル展開や、オリジナル解釈の台詞を多用すれば、原作ファンの信用と人気を失墜させることが可能でしょう。
人気俳優をキャスティング
続いては、キャスティングの側面から考察していきます。
アニメ『鬼滅の刃』では、作品全体を見れば「雑魚敵」に分類される鬼にも、惜しみなく豪華声優陣を起用しています。
鬼殺隊最高位の柱や、鬼の最高位上弦の月に位置するキャラクター達の声優陣は、言うまでもなく超豪華。
また、ただ豪華な声優が起用されているだけではなく、どのキャラクターのボイスも、想像上の声と全く違和感がありません。
さて、そんなキャラクターのボイスについて、もし今話題の人気イケメン俳優やアイドルが起用されていた場合、作品の人気に大きな影響を及ぼしていたのではないでしょうか。
たまに見られる俳優やアイドルが務めたキャラクターボイスには、やや違和感があります。
俳優、アイドルを悪く言う意図は一切ありませんが、やはりキャラクターに命を吹き込む仕事は、本職の声優さんにやってもらうのが一番。
まして、人気の俳優だけを詰め込んだような実写映画はナンセンスです。
まとめ的なもの
以上、大人気作品『鬼滅の刃』を売れなくする方法について考察しました。
『鬼滅の刃』は、原作漫画が元々持っていた面白さに加えて、アニメの神作画、神キャスティングが着火剤となった印象を受けます。
だからこそ、漫画自体の魅力を無くす、アニメの作画やキャスティングを潰すなど、逆方向の行為によって作品の人気は、簡単に失墜させることが出来そうです。
不人気作品を作ることは簡単ですが、人気作品を作ることは非常に難解です。
今後『鬼滅の刃』を超える人気作品は現れるのでしょうか。
今回の記事は以上となります。
あなたの『鬼滅の刃』評も、是非コメント欄に書き込んでください。
それではまた♪