虎杖悠仁 参戦

呪術廻戦238話のラスト。秤金次の領域が崩壊すると同時に、飛び出してきた虎杖悠仁。何か様子がおかしい。爪は鋭く伸びており、腕はまるでドラゴンボールのピッコロのよう。いや、地獄先生ぬ~べ~か。
239話は注目ポイントが非常に多い回。虎杖悠仁の異形な姿に、日車寛見の術式・領域展開。そして裏梅と秤金次もいることで、大混戦は必至。今回は『虎杖悠仁』に焦点を絞って考察していく。
虎杖悠仁 覚醒

『宿儺の器』。宿儺がいたからこそ、虎杖悠仁というキャラクターは魅力的だった。しかし、212話にて宿儺は伏黒に受肉してしまう。これを少し残念に思った人もいただろう。まるで虎杖のアイデンティティが抜け落ちてしまったかのように。
しかし、宿儺が虎杖から離れたからこそ、この先のストーリー展開が固まったとも言える。なぜなら、主人公がラスボスを倒す構図が出来上がったから。
虎杖は、天使に宿儺と自分を消してもらおうと考えていた。その矢先の伏黒への受肉。虎杖は宿儺を殺すことを決意する。また、同時に伏黒恵を助けることも。
宿儺が抜けた虎杖悠仁は、直後の戦いで今までに無いほどの力をみせた。宿儺が抜けて弱体化するかと思いきや、逆に身体能力は上がっているようにみえる。また、宿儺から致命傷を浴びせられたにも関わらず、傷は癒え復活した。
これは反転術式に他ならない。あの場で他に虎杖を治療する人物はいなかったはず。反転術式は生得術式ではなく、呪力操作を極めることで使用可能となる。虎杖の肉体が、宿儺の反転術式から感覚を掴んでいたのかもしれない。
また、虎杖は呪胎九相図の6つを取り込んでいる。これも覚醒のきっかけになった模様。虎杖は、宿儺が肉体に残した呪力操作の極みに加え、呪胎九相図を6つ取り込んだことにより、それらの術式を獲得している可能性がある。
虎杖悠仁の術式

238話で登場した虎杖は、爪が鋭く伸びており、腕全体が人間のものとは思えない格好をしている。また、肘に鋭利な刃物のようなものが付いている。これはおそらく、虎杖が取り込んだ呪胎九相図の中の一つの術式。
呪胎九相図(じゅたいくそうず)
- 一番:脹相(ちょうそう)
- 二番:壊相(えそう)
- 三番:血塗(けちず)
- 四番:膿爛(のうらん)
- 五番:青瘀(しょうお)
- 六番:噉相(たんそう)
- 七番:散相(さんそう)
- 八番:骨相(こつそう)
- 九番:焼相(しょうそう)
この内、一番から三番は作中に登場しており、二番の壊相と三番の血塗は死亡した。今は一番の脹相だけが残っている状態。四番から九番は作者が登場しないと明言しており、その代わりに虎杖の中で生き続けることになった。
238話の虎杖の異形が、何番の術式によるものなのかは名前からは検討がつかない。呪胎九相図の九相図は実在する言葉で、屋外にうち捨てられた死体が朽ちていく経過を、九段階に分けて描いた仏教絵画のこと。
今回の虎杖はカマキリのような虫に似ていることから、死体に虫がわき始める噉相あたりが当てはまるのかもしれない。経過に関しては以下の通り。
- 脹相(ちょうそう)
死体が腐敗によるガスの発生で内部から膨張する。 - 壊相(えそう)
死体の腐乱が進み皮膚が破れ壊れはじめる。 - 血塗相(けちずそう)
死体の腐敗による損壊がさらに進み、溶解した脂肪・血液・体液が体外に滲みだす。 - 膿爛相(のうらんそう)
死体自体が腐敗により溶解する。 - 青瘀相(しょうおそう)
死体が青黒くなる。 - 噉相(たんそう)
死体に虫がわき、鳥獣に食い荒らされる。 - 散相(さんそう)
以上の結果、死体の部位が散乱する。 - 骨相(こつそう)
血肉や皮脂がなくなり骨だけになる。 - 焼相(しょうそう)
骨が焼かれ灰だけになる。
虎杖は四番から九番までの、6つの術式を会得している可能性がある。この中で興味深いのは骨相と焼相。
骨相は骨を使った術式という線が強く、NARUTOの君麻呂を思わせる。焼相は字のごとく炎にまつわる術式が想像できる。炎といえば宿儺の『開(フーガ)』。この二つの対決が実現すると面白い。
虎杖の中の呪胎九相図

虎杖悠仁がいつ呪胎九相図を取り込んだのか。それはハッキリしていない。「虎杖の中で九相図がどのような状態にあるのか」については以下の二通りがある。
- 九相図の意識が消え、虎杖がただ呪力を持っている状態になる。
- 宿儺がいた位置に、入れ替わりで九相図の意識が置き換わる。
考えられる線としては、宿儺がいた状態で九相図を取り込んでおり、宿儺が抜けたタイミングで九相図の意識が目覚めた。そして虎杖は覚醒、術式が使用可能となった。これであれば虎杖の急激な覚醒も説明がつく。
つまり、九相図の意識は今も虎杖の中で生き続けており、兄弟として協力体制にある。こちらもNARUTOの中の尾獣を思い出す。呪胎九相図の6つの術式を、好きな時に切り替えて使用できるとしたら、虎杖は一気に最強に躍り出る可能性がある。
呪胎九相図の四番以降は、一つ一つの術式はそれほど強力ではないだろう。しかし呪力も6体分得ているとしたら、乙骨以上の呪力量を既に虎杖は持っているかもしれない。239話が楽しみすぎる。
まとめ
238話で現れた、異形な腕を持つ虎杖。239話で秘密が明らかになるだろう。私の予想では、呪胎九相図・六番の術式を使用している状態。九相図の6体は虎杖の中で意識を持っており、兄弟として協力体制にある。そして、好きな時に好きな術式に切り替えることができると予想。
通常、生得術式は一人につき一つ。それを6つも保有している可能性がある虎杖。宿儺も二つの術式を持っているように思われるが、それを超える状態。6体の呪力を蓄えているなら、呪力量で宿儺や乙骨を超えている可能性がある。また、反転術式を使えるような示唆もあった。
虎杖から宿儺が抜け、アイデンティティが失われたように思えた。だがしかし、虎杖悠仁はやはり呪術廻戦の主人公。宿儺がいた頃よりも強くなっている様子を見せ、しっかりとアイデンティティを取り戻している。