テレビアニメ「鬼滅の刃」柱稽古編に登場する、霞柱・時透無一郎を振り返る。2023年4月から始まった「鬼滅の刃」刀鍛冶の里編。つい最近、6月18日に最終回を迎えました。
刀鍛冶の里編で活躍した二人の柱。恋柱・甘露寺蜜璃。霞柱・時透無一郎。無事二人とも、ひいては誰も死ぬことなく上弦二体を撃破。
時透無一郎にいたっては、たった一人で上弦の伍を打ち破るという異例の快挙を成し遂げます。もしも無一郎が玉壺に敗れていたならば、間違いなく鬼殺隊は全滅していたでしょう。
そんな時透無一郎は、柱稽古編でも見せ場がいくつかあります。今回は、無一郎をじっくり振り返っていきたいと思います。遠くない未来、柱稽古編を一緒に楽しむためにも、チャンネル登録といいねをお願いします。では参ろう。
霞柱・時透無一郎
霞柱・時透無一郎。誕生日は8月8日の14歳。14歳という若さで、たった二か月で柱に上り詰めた天才。身長160cm、体重56kg。趣味は紙切りで、死ぬほど飛ぶ紙飛行機を作れます。好きなものはふろふき大根。アニメの声優は河西健吾さんです。
時透無一郎の歴史
幼少期~鬼殺隊入隊まで
時透無一郎は、山の中の杣人である時透家に生を受けます。両親と兄の有一郎の四人家族で、仲睦まじく暮らしていました。
ある日、母が過労による肺炎で倒れてしまいます。そんな母のために父は、嵐の中薬草を探しに出かけます。そこで起きた悲運な事故。父は足を滑らせ崖から落下。そのまま他界してしまいました。間もなく母も、肺炎を悪化させ他界。
残されたのは若干10歳の双子だけ。二人は杣人を続けながら、懸命に生き続けました。両親の想いを継いだ無一郎と、両親の考え方を否定していた有一郎。そんな二人の意見は食い違い、次第に口も利かなくなるほど仲が悪くなってしまいます。
そして季節は流れ、ある真夏の熱帯夜。またしても時透家に悲運が襲い掛かります。開けていた戸から、突如侵入してくる鬼。鬼は無一郎に襲い掛かりますが、それを有一郎が庇います。
庇った有一郎は、腕を斬り落とされる重症。叫ぶ有一郎に、鬼はさらに攻撃を仕掛けようとします。ここで無一郎が覚醒。無一郎は今までに感じたことのないほどの怒りを感じ、無意識化に鬼と戦います。
気が付くと、目の前には地面に打ち付けられ瀕死状態の鬼がいました。間もなく朝日によって消滅していきます。無意識化に朝まで止まることなく戦った結果、無一郎の体は負傷に加え疲労困憊の状態。目の前の家にたどり着くまでに、相当な時間を要しました。
たどり着いた時には、兄は絶命寸前の状態。真夏の暑さで腐食が始まり、蛆が湧き始めている兄の体。無一郎も鬼との戦いで怪我を負っており、自身の体に蛆が湧き始める感覚を覚えます。
そこに救助に駆け付けたのが産屋敷です。あまねとその子らは、懸命に時透兄弟の処置を行います。兄は絶命状態。もう助かりません。無一郎だけは何とか命を取り留めます。
命を繋いだ無一郎。しかし、酷いショックと生死を彷徨う瀕死状態に陥ったことで、過去の記憶を失くしてしまいます。本当に大切な事柄以外、一切の記憶をできなくなってしまい、頭には常に霞のかかったような状態。
そんな状態でも無一郎は、怒りだけは忘れていませんでした。兄への冒涜に対する怒り。大切な家族をつまらない命と、軽々しく奪っていった鬼に対する怒り。
その怒りを原動力に、鬼を倒すための力を身に着けるため、怪我も治らないままに鍛錬を始める無一郎。鍛錬を続けた結果、無一郎はたった二か月で柱に上り詰めます。
記憶を失くしたことで、余計な雑念がなかったことが逆に良かったのかもしれない。ただひたすらに、怒りのみを原動力に鍛錬を続けた無一郎。1か月も経たないうちに最終選別を突破したのでしょう。
これには無一郎のある才能も関与しています。始まりの呼吸の剣士の末裔。通常なら1年はくだらない柱になる期間を、二か月まで縮めたその才能。無一郎の血筋の濃さを物語っています。
柱合裁判
霞柱・時透無一郎は、炭治郎と禰豆子の罪を問う柱合裁判で初登場します。過去の影響により記憶が長持ちしない無一郎は、炭治郎の罪については全く興味がない様子。
普段はうつろな表情をしていますが、全く感情がないというわけではありません。炭治郎がお館様の話を遮った際は、少しだけ怒りの表情を見せていました。
この時、無一郎は指弾術を使っています。石がひび割れるほどの握力。小柄に見える無一郎ですが、とんでもない握力を持っていることがわかります。
刀鍛冶の里編
柱合裁判の後は、特に目立った登場はなかった無一郎。次の登場は刀鍛冶の里編です。炭治郎が里に隠された秘密の武器を探しに出かけた際、刀匠見習いである小鉄と揉めている無一郎を発見します。
無一郎の目的は、縁壱零式を使って訓練を行うこと。鍵を渡さないと抵抗する小鉄でしたが、無一郎は強制的に鍵を奪い訓練を開始。瞬く間に縁壱零式を破壊し、一本の腕にあった刀を持って立ち去っていきました。
無一郎が刀鍛冶の里を訪れた目的は、いくつかあったと思います。刀の手入れ・新調。温泉での療養などです。その目的の一つに、新しい刀匠と会うというものもありました。無一郎の新しい刀匠は鉄穴森です。
無一郎は、炭治郎から鉄穴森の情報を聞き出そうとします。二人が会話する中、気配を完全に消した状態で現れる上弦の肆・半天狗。すぐに頸を斬りますが、半天狗は二体に分裂。そのうちの一体・可楽の団扇による爆風で、無一郎は遠くへ吹き飛ばされてしまいます。
元の場所に戻る道中、刀匠見習いの小鉄が鬼に襲われている場面に遭遇。無一郎は一瞬見捨てようとしますが、炭治郎の言葉を思い出すことで、小鉄を助けるという何時もは取らない選択を取りました。
そして小鉄の要望通り、鋼鐵塚と鉄穴森がいる場所へ向かいます。そこに待ち構えていたのは上弦の伍・玉壺。鍛治の断末魔という猟奇的な作品を見せつけられ、激怒する無一郎。
即座に斬りかかりますが、壺の異空間を移動する能力に苦戦。小鉄と鉄穴森を庇う形で、玉壺の血鬼術・千本針を全身に喰らってしまいます。全身に針が刺さった状態で再度攻撃を仕掛ける無一郎。しかし、玉壺は血鬼術・水獄鉢を繰り出し、無一郎を水の中に閉じ込めてしまいます。
水の中に閉じ込められた無一郎は呼吸ができず、いずれは窒息死してしまいます。さらに、呼吸を封じられたことで全力の技を繰り出すことができません。肺の中に残っていた空気を使い、霞の呼吸・壱ノ型・垂天遠霞で脱出を試みるも失敗。
万事休すかと思われたところに、刀匠見習いの小鉄が現れ無一郎を救出しようとします。持っていた包丁で水獄鉢を刺しますが、全く効果はなし。そこで小鉄が思いついた策。自身の空気を水の中に送り込むことで、無一郎に技を出させようという作戦。
これが見事に功を奏し、無一郎は霞の呼吸・弐ノ型・八重霞により脱出に成功。炭治郎の言葉をきっかけに、さらに死の淵を見たことで、無一郎は過去の記憶を取り戻していきます。そして、毒で体温が上昇したことにより痣も発現。
完全に記憶を覚醒した無一郎は、鉄穴森より新たな刀も入手。最強の剣士の爆誕。ここから無一郎は、攻撃を一撃も喰らうことなく、霞の呼吸・漆ノ型・朧により玉壺の頸を斬りました。玉壺が弱いというわけでは決してありません。無一郎が強すぎたのです。
玉壺を倒した安心感もあり、無一郎を蓄積されたダメージが一斉に襲います。毒に加えて痣による体への負担。無一郎は泡を吹いて倒れてしまいました。
しかし、無一郎はここで退場とはなりませんでした。僅かな体力を使い、炭治郎に新たな刀を投げ渡します。そしてこの刀により、刀鍛冶の里の戦いは決着します。
柱稽古編
刀鍛冶の里編の戦いが終わった後、無一郎は三日で全快。次の任務へと向かっていきます。そして開かれる、お館様不在の緊急柱合会議。主題は痣についてです。
無一郎は、痣を発現した時のことを正確に把握していました。そして、その事を皆に伝えます。心拍数200以上。体温は39度以上。通常なら死んでしまうような状態で、生き抜いたものにのみ発現可能。そして告げられる、痣を発現する代償。
話が終わると、柱は痣の発現を急務とし、それぞれ散り散りになっていきます。そして、柱稽古が開始。時透無一郎の稽古は、高速移動の稽古。無一郎の屋敷で行われる、彼の独特な高速移動を体得するための訓練です。
筋肉の弛緩と緊張の切り替えを滑らかにする。これすなわち、霞の呼吸・朧の極意。緩急をつけた動きを滑らかにすることで、相手に察知させないほど高速に動けるようになる。そして、体力も長持ちするようになる。
炭治郎は無一郎の直接指導のおかげか、五日で訓練を突破。他の隊士は二週間いるにも関わらず、ひたすら素振り、打ち込み台が壊れるまで打ち込みをさせられている。炭治郎には満面の笑みを向け、他の隊士には冷たい対応を取る。
この落差に隊士達は落胆するものの、これは炭治郎を贔屓しているというわけではありません。完全に実力の差。炭治郎は上弦との激闘を戦い抜いてきたことから、周囲の者よりも遥かにパワーアップしているという表れなのです。
ファンブックでは、稽古を完璧にこなす隊士には笑顔、それ以外には冷たい対応を取ると書かれています。ノベライズによると、無一郎の機嫌がいい時に便乗しようとした隊士がいたため、塩対応をしたらしい。
他の柱との関係性
霞柱・時透無一郎と他の柱の関係性。刀鍛冶の里編でも、炎柱・煉獄杏寿郎との関係性が示唆されました。無一郎は他の柱を全て動物に例えており、これが実に面白い。
蟲柱・胡蝶しのぶ
無一郎から見たしのぶの印象は「燕みたい。優しい笑顔」。しのぶから見た無一郎の印象は「傷の手当て、記憶障害を診察。言葉を上手く選べないことがあるが、根は良い子」。
蝶屋敷で体温を測ったことが、痣の発現条件・体温39度以上を解明するきっかけとなりました。
水柱・冨岡義勇
無一郎から見た義勇の印象は「置物みたい」と一言。ここは唯一、動物ではなく物に例えられています。義勇から見た無一郎の印象は「あんまり話したことない」と一言。お互いに控えめな性格ということもあって、ここはあまり接点がなかった模様。
音柱・宇髄天元
無一郎から見た天元の印象は「猿みたい。たまに頭をぐしゃぐしゃされる」。天元から見た無一郎の印象は「ぼーっとしてる。若い。地味」。天元から唯一、地味と評価されてしまった無一郎。ただ、二か月で柱になった実力は自身以上と認めています。
炎柱・煉獄杏寿郎
無一郎から見た杏寿郎の印象は「梟みたい。快活な声が心地よい人」。杏寿郎から見た無一郎の印象は「同じ歳の頃の自分より才覚がある!若いのに頑張ってえらい!」。
杏寿郎には同じ年頃の弟がいたため、無一郎にはよく声をかけていました。刀鍛冶の里編では、小鉄を守ってくれた杏寿郎の刀の鍔を見て、在りし日の激励を思い出し涙を流しました。
蛇柱・伊黒小芭内
無一郎から見た小芭内の印象は「山猫みたい。静かな人。目が綺麗。左右で色が違うので最初びっくりした」。小芭内から見た無一郎の印象は「若いので死なないで欲しい。たまに話す」。小芭内もまた、無一郎の若さを気にかけていた一人です。
恋柱・甘露寺蜜璃
無一郎から見た蜜璃の印象は「ぴよぴよ言ってて桃色のヒヨコみたい。髪の毛が綺麗」。蜜璃から見た無一郎の印象は「若いのに柱なんて凄い!悟り開いている系で素敵!」。
無一郎は決して蜜璃を馬鹿にしているわけではなく、本当にヒヨコみたいに見えているのだと思われる。想像すると笑えます。
風柱・不死川実弥
無一郎から見た実弥の印象は「狼みたい」と一言。実弥から見た無一郎の印象は「あんまり話したことない」と一言。ここは義勇とほとんど同じお互いの印象。狼か置物かの違いだけです。
岩柱・悲鳴嶼行冥
無一郎から見た行冥の印象は「熊みたい。一番強い人」。行冥から見た無一郎の印象は「言うべきことは言える。精神が成熟している」。
行冥も無一郎を気にかけていた一人。緊急柱合会議の後、二人が会話するシーンが小説で描かれています。大丈夫かと声をかける行冥に、ありがとうと返す無一郎。無一郎の声音に何かを感じた行冥は、安堵したように笑みを浮かべます。最年長と最年少のやり取り。ここはぜひアニメでも描いてほしい。
まとめ的なもの
霞柱・時透無一郎は、比較的活躍の場面が多い柱の一人。刀鍛冶の里編に続き、柱稽古編を経て無限城編へ。ぜひこの機会に小説を読んで、鬼滅の世界観をもっと深く理解していただきたい。小説のリンクは説明欄にあります。
ということで、今回の記事は以上です。皆さんは時透無一郎と誰の関係性が好きですか?コメント欄で意見をお待ちしております。いいねとチャンネル登録もお願いします。それではまた。