鬼滅ブームはいつまで続くのか?
単行本、アニメ、劇場版と、週刊少年ジャンプでの連載が終わった後も、全く勢いの衰えない鬼滅の刃。
その人気は日本のみならず、海外にまで及んでいます。
ワンピースとも肩を並べる、ジャンプの看板作品にまで上り詰めた本作は、全23巻と比較的早い段階で連載を終了。
20巻以上も発刊されている点で、決して短くはない連載期間だと言えますが、こうも短く感じてしまうのは、作品が持つ圧倒的な面白さが原因だと思われます。
さて上述の通り、既に連載を終えていながらも、高い人気を維持している鬼滅の刃ですが、果たしてそのブームはいつまで続くのでしょうか。
集英社作品で言えば、チェンソーマンや呪術廻戦、怪獣8号などが人気を博している昨今。
講談社作品の、東京卍リベンジャーズも凄まじい人気を誇っています。
鬼滅の刃と同じく、既に連載を終えているチェンソーマンや、現在も連載が続いている呪術廻戦、以下3作品の合計4作品と比較しつつ、鬼滅ブームがいつまで続くのかを考察していきます。
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あなたはどの作品が次の覇権を握ると思われますか?
ぜひ考察をコメント欄に書き込んでくださいね。
では参ろう。
各作品の紹介
まずは、鬼滅の刃と比較する各作品について簡単にご紹介します。
鬼滅ブームと被る形で連載し、人気を獲得したそれぞれの作品には、どのような魅力が詰まっているのでしょうか。
怪獣8号
最初にご紹介するのは、他作品と比較すると、現時点で最も連載期間の短い漫画 怪獣8号です。
2022年3月時点で既刊6巻の本作は、累計発行部数が670万部越え。
1巻あたりの発行部数は、111万部です。
また怪獣8号は、閲覧数1億人突破や、発行部数100万部等の記録を、当時の『少年ジャンプ+』連載作品史上最速で樹立。
『少年ジャンプ+』の看板作品として、飛ぶ鳥を落とす勢いで人気が拡大している漫画です。
そんな怪獣8号のストーリーは、怪獣が存在する架空の日本が舞台。
主人公・日比野カフカは、怪獣の死体を処理する特殊清掃会社に勤務している、32歳の男性です。
怪獣に対抗する機関・日本防衛隊への入隊を志していたものの、適性の低さによって半ば諦めかけていたカフカ。
しかし彼の人生は、ある日突然怪獣に変身する能力を得たことで一変することとなります。
怪獣と防衛隊員を両立する日比野カフカの活躍は必見です。
チェンソーマン
続いては、邪道ながら王道の異色ダークファンタジー漫画『チェンソーマン』のご紹介です。
「このマンガがすごい!」1位や「小学館漫画賞」を受賞しており、果てはアメリカの「ハーベイ賞」も受賞しているチェンソーマン。
11巻で連載を終えている本作は、累計発行部数が1200万部越え。
1巻あたりの発行部数は、109万部です。
そんなチェンソーマンのストーリーは、人間でも悪魔でもない存在「チェンソーマン」に変身する能力を得た主人公・デンジが、”普通の生活”を守る為に命懸けで戦うというもの。
チェンソーマンは鬼滅の刃と同じく、連載が終了していながらも高い人気を維持しており、アニメ化も決まっています。
また、『少年ジャンプ+』にて第2部の連載が決定していることもあり、今後間違いなく台風の目となるであろう作品です。
東京卍リベンジャーズ
次に、『東京卍リベンジャーズ』のご紹介です。
2022年3月時点で既刊26巻の本作は、累計発行部数が5000万部越え。
1巻あたりの発行部数は、192万部です。
漫画、アニメともに大好評であり、主に若年層から大きな支持を得る『東京卍リベンジャーズ』。
そのストーリーは、タイムリープ能力に覚醒した主人公・花垣武道が、不良だった中学時代に戻り、現代で死亡してしまった当時の恋人の運命を変えるべく奮闘する、というものです。
泥臭くも目が離せない「タケミっち」こと武道の活躍には、心躍るものがあります。
呪術廻戦
次に、『呪術廻戦』のご紹介です。
2022年3月時点で既刊18巻の本作は、累計発行部数が6000万部越え。
1巻あたりの発行部数は、333万部です。
アニメ第1期、劇場版、共に大盛況であり、鬼滅に次ぐ週刊少年ジャンプの看板漫画として注目されている呪術廻戦について、ストーリーを見ていきましょう。
主人公・虎杖悠仁は、仙台の高校に通う、人並外れた運動神経を持つ高校生です。
ある事件をきっかけに「呪霊」という異形の存在を知った虎杖は、特級呪物「両面宿儺の指」を口にしたことで、呪いの力を手に入れます。
人々に「間違った死」を与える呪霊を祓うため、虎杖は呪術高専に入学。
虎杖の呪術師としての日々が幕を開けます。
鬼滅の刃
最後に、今回の本題である鬼滅の刃について、おさらいをしておきましょう。
他作品と比べても、頭一つ抜けた認知度と人気を誇る鬼滅の刃。
王者の風格すら漂う本作は、もはや紹介の必要すらないようにも思えますが、実績や数字の面で人気に迫ります。
23巻で連載を終えている本作は、累計発行部数が1億5000万部越え。
1巻あたりの発行部数は、652万部です。
ちなみに、ドラゴンボールは1巻あたり619万部、ONE PIECEは495万部ですから、鬼滅の刃がいかに異常な人気を誇っているか、おわかりいただけることと思います。
もちろん、発行部数はあくまで数字です。
作品の面白さの優劣を決める指標ではなく、時代背景によっても左右される値ですから、あくまで参考として提示しました。
さて続いては、鬼滅の刃のストーリーを簡単にご紹介します。
主人公は山で暮らす炭売りの少年・竈門炭治郎。
父を既に亡くしている炭治郎は、長男として母と共に家庭を支えていました。
ある日、炭を売るために山から下りた炭治郎。
翌朝家に帰った彼は、衝撃的な光景を目の当たりにしました。
なんと、母と4人の兄弟たちが鬼によって惨殺されていたのです。
唯一体に温もりを残していたのは、妹の禰豆子のみ。
炭治郎は、救命のために禰豆子を背負って歩きますが、突如意識を取り戻した彼女は、鬼になり果ててしまっていました。
炭治郎は鬼になった禰豆子を人間に戻すため、そして鬼の首魁・鬼舞辻無惨を倒すため、鬼殺隊士となることを決意します。
鬼滅の刃はなぜ人気?
他作品との本格的な比較に入る前に、どうして鬼滅の刃が、現在のような地位を確立するに至ったのかを振り返っていきます。
わかりやすいストーリー
鬼滅の刃の第一の魅力は、何と言ってもストーリーの分かり易さです。
「家族が鬼に殺され、たった1人生き残った妹は鬼になった。主人公は妹を救うため、鬼を狩る剣士となる。」とたったの2文で、作品概要が説明できる容易さこそが、多くの年齢層から支持される要因だと考えられます。
主人公の行動原理が妹、ひいては家族に対しての愛であるという点も、読者や視聴者の共感を得やすい点です。
また、作品の敵ポジションが「鬼」であることもポイントです。
日本国民のほとんどが知っているであろう昔話『桃太郎』をはじめ、鬼は敵ポジションの存在として普遍的な存在です。
このような要素も、鬼滅の刃という物語を、理解し易い要因となっているのではないでしょうか。
魅力的な主人公
ストーリーと同じか、それ以上に重要な点は主人公です。
鬼滅の刃の主人公・竈門炭治郎は、とにかく純粋で、底無しに優しい人物。
家族を奪われながらも、その恨みを鬼という種族全体に対して向けることはせず、分別のある性格の持ち主です。
自ら頸を差し出す鬼には慈悲を向け、人間の心を失っていない鬼には門戸を開く炭治郎は、理想的な主人公そのもの。
ただお人好しなだけでなく、無差別に人を襲う存在には激情をもって応えますから、共感がしやすいという点も特徴です。
どんな時にも前を向き、人の悲しみに寄り添うことが出来る炭治郎が主人公だからこそ、鬼滅の刃は多くのファンを得ることが出来たのではないでしょうか。
アニメとの相乗効果
鬼滅の刃のヒットを語るうえで、アニメの存在は欠かせません。
ufotable作成のアニメ第1期は、劇場版と見紛うばかりの完成度。
後述する主題歌の良さも相まって、放送当時はSNSを中心に話題が話題を呼んでいた印象です。
特筆すべきは1期の第19話。
炭治郎と下弦の伍・累との手に汗握る戦闘が、神作画で完璧に再現されていました。
劇場版・無限列車編や、予算が増えたであろうアニメ第2期・遊郭編も凄まじい作画でしたが、アニメ第1期が鬼滅ブームの着火剤となったことは紛れもない事実でしょう。
そして、アニメ鬼滅の刃と共に話題に上がるのが、歌手のLiSAさんです。
第1期のオープニングテーマとして起用された「紅蓮華」は、これまでのアニソンの常識を打ち破る大ヒットを収めました。
LiSAさんの力強くも繊細な歌声によって、歌い上げられた本曲を聴けば、誰もが奮い立つこと間違いなし。
アニメ鬼滅の刃のヒットの裏側には、LiSAさんが歌い上げる「紅蓮華」との相乗効果が作用していたことも、もはや疑いようのない事実でしょう。
他作品との比較
ここからは鬼滅の刃と、冒頭でご紹介した『怪獣8号』『東京卍リベンジャーズ』『呪術廻戦』『チェンソーマン』とを比較して、10年後に生き残っているのはどの作品かを考察していきます。
長寿作品のモデルケース
まずは、実際に10年以上生き残っている作品をモデルケースとして見ていきましょう。
10年、20年と生き残っている長寿の名作として、真っ先に名前があがるのは『ドラゴンボール』ではないでしょうか。
1984年から1995年までの約10年間連載された本作は、以降も20年以上にわたって愛され続け、世代を問わず高い人気を維持している作品です。
1巻あたりの発行部数では、鬼滅の刃に勝ちを譲っているものの、今なお世界中で高い認知度、人気度を誇るドラゴンボール。
Twitterによる口コミや、ネット広告などの確かな宣伝手段が確立された昨今と異なり、ドラゴンボールの連載開始当時は昭和後期です。
言うまでもなくネット黎明期ですから、広告手段は限られています。
そんな時代背景の中で、30年以上に渡って愛され続けているドラゴンボールは、どの作品と比べても頭一つ抜けている印象です。
さて、鬼滅の刃を含む5作品の中で、10年後も人気を維持し、ドラゴンボールと同じ伝説的漫画として生き残り続ける作品は存在するのでしょうか。
10年後も人気がありそうな作品
結論からお話しすると、10年後も人気を維持している作品として最も可能性が高いのは、鬼滅の刃だと思われます。
その根拠として、鬼滅の刃初の劇場版・無限列車編は、日本で放映された全映画の中で、興行収入1位を獲得しました。
これはアニメ映画に限った順位ではなく、邦画、洋画、全てを含んだ順位です。
単純な思考として、そんな作品がたった10年の歳月で風化するとは…考えにくいです。
また鬼滅の刃は、漫画での連載こそ終えているものの、まだまだアニメ化は追いついておらず、今後も展開されることが確定している作品です。
その意味で「まだ伸びしろがある」と言い換えることも出来ますから、今後更なる記録を樹立してもおかしくはありません。
それでは、他の作品はどうでしょうか。
怪獣8号は、滑り出しこそ順調でしたが、最近のコメント欄を見ると、否定的な意見も散見されます。
意見の対象となっているのは、敵怪獣の9号です。
日本の平和を脅かす存在として度々登場する9号は、不気味さこそ多分に纏っているものの、敵としての魅力は薄いように思われます。
そんな9号が、いつまでも敵として居座り続けていることに、一部の読者から不満が漏れ始めたようです。
とはいえ今後の展開や、掘り下げ次第で9号のイメージには改善の余地があるはず。
怪獣8号の10年後については、まだまだ本編の動向を観察する必要がありそうです。
さて、講談社期待の星 東京卍リベンジャーズは、10年後も生き残っているのでしょうか。
最終決戦に差し掛かり、間もなく連載が終えるのではないかと思われる本作。
特殊能力の要素はタイムリープのみであり、基本的には泥臭い戦いが続いているものの、熱い展開の数々が多くの読者の共感を得ています。
キャラクターの造形や言動が近代的なカッコ良さを帯びており、昨今では否定的な文化が浸透している”不良”が、とてもカッコよく描かれているのが特徴的です。
とはいえ、今後も否定的な意見が必ず付き纏うであろう題材であるだけに、10年先はいささか雲行きが怪しいようにも思われます。
鬼滅ブームを塗り替える作品
10年先も生き残る作品として、可能性が高いと述べた鬼滅の刃。
そんな鬼滅ブームすら塗り替えるポテンシャルを秘めているのが、呪術廻戦とチェンソーマンです。
どちらもダークファンタジーという点では、鬼滅の刃と共通している作品ですが、中身は極めて独特。
例えば呪術廻戦は、設定がやや複雑でありながらも、無理やり読者を引き寄せる力技的な面白さを持っています。
またチェンソーマンは、複数の漫画や映画をリスペクトした表現によって、映画作品かのような読後感を持つ、少年漫画としては異端な作品です。
呪術廻戦はアニメ2期が、チェンソーマンはアニメ第1期と漫画第2部の制作が、それぞれ決定していますから、今後の展開次第では鬼滅の刃をも凌ぐ勢いで、頭角を表してもおかしくはありません。
ネックは作品の分かり易さ。
鬼滅の刃にあって呪術廻戦・チェンソーマンには無い要素がどのように働くのか、要注目です。
鬼滅ブームはいつまで?
連載終了後、なお続いている鬼滅ブーム。
アニメ・刀鍛冶の里編の放送が決定している本作は、一体いつブーム収束を迎えるのでしょうか。
長寿作品として前述した、ドラゴンボール。
2作品の大きな違いは、ストーリーに展開の余地が残されているかです。
ドラゴンボールは作品中盤の段階で、スケールが宇宙にまで広がっていました。
宇宙人というテーマは、存在が未だ確認できていない想像上の産物であるがゆえに、どのようなキャラクターでもある程度は許容されます。
だからこそ、ドラゴンボールはアニメオリジナルという形で、様々な宇宙人が登場しました。
一方の鬼滅の刃は、作品終盤で鬼の始祖たる鬼舞辻無惨が討たれており、その結果として全ての鬼が滅んでしまっています。
つまり各キャラクターの、過去等を掘り下げるスピンオフでしか、これ以上作品を展開することが出来ないのです。
もちろん、アニメオリジナルで新たな鬼の始祖を誕生させることは可能でしょう。
しかし、ドラゴンボールでアニメオリジナルの宇宙人を登場させることと、鬼滅の刃で新たな鬼の始祖を登場させることでは、意味が全く異なります。
前者は開拓された土壌の上で新たな道を作っているものの、後者は新たな土壌を作り上げた上で道を作っているわけですから、作品の根本的な面白さを破壊しかねません。
このような理由で鬼滅の刃は、アニメ版が原作最終話に追いついた時点で、展開が非常に難しくなってしまいます。
20年後や30年後を見据えると、新たな展開が欲しいところですが、オリジナル作品は往々にして原作ファンから忌避されるもの。
吾峠呼世晴先生による続編の執筆等がない限り、ブームはいずれ終わってしまうのではないでしょうか。
まとめ的なもの
以上、鬼滅の刃と人気漫画4作品をご紹介しつつ、10年後も生き残っている作品について考察しました。
衰える様子を見せない鬼滅の刃ですが、原作最終回にアニメ制作が追いついてしまった後が心配です。
その点、他の4作品は未だ完結を迎えていない点が強みに思われます。
特にチェンソーマンは、11巻で第1部完結という区切りを迎えたうえでの連載継続ですから、ブームを塗り替える可能性すら秘めているのではないでしょうか。
また、突如として鬼滅の刃という彗星が現れたように、これから日本を揺るがす大人気作品が登場する可能性も否めません。
雑誌を問わず、今後の新連載にも注目する必要がありそうです。
あなたはどの作品が10年後にも生き残っていると思いますか?
今回ご紹介した漫画以外にもオススメの漫画があれば、是非コメント欄で教えてください。
今回の記事は以上となります。
それではまた♪