その哲学と最期の“呪い”を
データで紐解く
特級相当の呪骸パンダの生みの親であり、「傀儡呪術学」の第一人者。教育者としての哲学、そして生涯を通して示した「責任」と「継承」の重みまで。東京都立呪術高等専門学校の学長、夜蛾正道の多岐にわたる側面を記録に基づき解明します。
『呪術廻戦』に登場する東京都立呪術高等専門学校の学長、夜蛾正道。
今回は、彼の多岐にわたる側面をデータに基づき解明していきます。
特級相当の能力を持つ呪骸パンダの生みの親であり、「傀儡呪術学」の第一人者としての顔。
そして教育者としての哲学や、その生涯を通して示した「責任」と「継承」の重みまで、記録を丁寧に整理していきましょう。
夜蛾正道の基本プロフィール
基本的なプロフィール情報は以下の通りです。
- 年齢：47歳
- 身長：約180cm
- 所属：東京都立呪術高等専門学校学長
- 等級：1級呪術師
- 趣味：グラサン集め、カワイイもの
- 好きな食べ物：いぶりがっこ
- 嫌いな食べ物：甘い酒
- ストレス：五条に直接言えや案件
- CV（声優）：黒田崇矢さん
- 生得術式：傀儡操術
- 結婚歴：あり（現在はバツイチ）
教育者としての哲学と呪骸製作
刈上げ頭にアゴヒゲ、サングラスをかけた強面の外見とは裏腹に、夜蛾正道は「気付きを与えるのが教育だ」と語る思慮深い人物です。
彼の教育者としての哲学は、呪骸製作にも色濃く反映されています。
呪骸製作の第一人者
夜蛾は「傀儡呪術学」の第一人者であり、呪いを籠めた人形である「呪骸」を操ります。
彼が自ら製作する呪骸は、本人の見た目とは異なり、カワイイ外見のものが多いとされています。
本人曰く、「カワイイを作っているわけではなく、作ったものがカワイイになってしまう」とのことです。
彼の製作する呪骸は、人形であるため痛覚や恐怖心を持たず、高い戦闘能力を発揮します。
殴られても怯むことなく襲いかかる点が特徴です。
主な製作呪骸
- パンダ：感情を持ち、人語を話す、夜蛾の最高傑作とされる呪骸です。人間と同じように心を持ち、呪力の自己補完も可能です。
上層部からは「呪骸の軍隊を作ることができる」として危険視され、特級呪術師相当の能力を持つことが判明しています。
パンダからは「まさみち」と呼ばれ、親子のような関係を築いているのは、非常に興味深いですね。 - キャシィ：ずんぐりした体型の河童のような見た目をしています。
- ツカモト：手にグローブをはめたクマのような呪骸です。普段は眠っていますが、一定の呪力を流し続けないと目を覚まし、襲ってくる性質を持っています。
虎杖悠仁さんの呪力出力を保つ訓練の際に使用されました。
アニメでは夜蛾学長と同じく、黒田崇矢さんがCVを担当されているのは意外な事実です。 - モキュ：スマートフォンゲーム『呪術廻戦 ファントムパレード』（以下『ファンパレ』）で名前が判明した呪骸です。
- ブラパン：『ファンパレ』で名称が判明した、ブラジャーを着用したパンダのような見た目の呪骸です。
- タケル：ネクタイとパンツが特徴的な犬のような呪骸です。日下部篤也さんの依頼を受けて作られました。
完全自立型呪骸の製造方法
夜蛾は、呪術界上層部から危険視されていた完全自立型呪骸の製造方法について、彼の死の直前、楽巌寺嘉伸学長に対し以下の通り語っています。
これは、彼の技術の根幹を示す重要な情報です。
肉体の情報から魂の情報を複製するんです その情報を呪骸の核に入力する
相性の良い三つの魂を宿した核を一つの呪骸に…お互いの魂を常に観測させるんですよ
そうする事で初めて魂が安定して自我が芽生える
生後3ヶ月を過ぎた辺りで呪力の自己補完を始めます
教師・学長としての顔
2006年7月時点では、五条悟さん、夏油傑さん、家入硝子さんの学生時代の担任を務めていました。
問題児だった五条さんと夏油さんには手を焼いていたものの、生徒への愛情は深く、夏油さんの離反に激昂する五条さんを諌める際には、夜蛾自身も動揺を隠せない様子でした。
五条さんとは付き合いが長く、現在も良好な関係を保つ数少ない理解者の一人です。
作者によると、上記三名に加え、七海建人さん、伊地知潔高さんの世代が高専に同時期に在学していた時期は「地獄」だったとされており、夜蛾は苦労人であったことが示唆されています。
京都校の学長である楽巌寺嘉伸さんとは仲が悪くないとされており、交流会編のラストでは虎杖悠仁さんについて話し合う様子が描かれています。
作中での活躍と最期
本編では戦闘シーンが直接描かれることは少なかった夜蛾ですが、『ファンパレ』ではその強さやキャラクター性が深く掘り下げられています。
特に注目すべきは、彼の呪術師としての最期と、遺した言葉の重みです。
『呪術廻戦 ファントムパレード』での活躍
『ファンパレ』のオリジナルストーリー「学長達の受難」では、五条悟さんの横暴に痺れを切らした夜蛾と楽巌寺の学長二人が共闘し、呪霊の群れを祓うことで五条さんへの鬱憤を晴らす様子が描かれました。
また、「福岡分校編」では夜蛾の旧友の術師が登場し、まさかの青年時代が描かれるなど、主役級の扱いを受けているのは、ファンにとって非常に興味深い情報ですね。
ゲーム内では、夜蛾はプレイヤーキャラクターとして実装されており、その性能は非常に高く評価されています。
『ファンパレ』における性能
- SR [気づきを与える教育者]夜蛾正道〈幻〉：『ファンパレ』最初期から実装されている幻特性のSRキャラクターです。
攻撃火力自体は低いものの、その真価はスキル2「後進への導き」にあります。このスキルは、味方全体の体術アップと術式アップを4ターンにわたって付与し、スキルレベル10ではそれぞれ46%ものステータス底上げを実現します。
与ダメージアップとは異なり、花御さんや家入さんの回復効果、真人や乙骨さんの即死効果など、術式値が参照される多様な効果を強化できるため、パーティ編成における必須級のバッファーとしてSS評価を受けています。
必殺技は「呪骸大進撃」です。 - SSR [呪骸臨戦]夜蛾正道〈行〉：2024年7月30日に、ストーリーイベント「学長達の受難」にて実装されたガチャキャラクターです。
行属性編成に特化した性能を持ち、スキル3「出番だ！モキュ！ブラパン！」では、選択した敵に複合ダメージと暗闇を付与。さらに体術・術式被ダメージアップなど、複数の弱体効果を3ターンにわたり付与します。
スキルレベル10では敵に47%もの被ダメージアップ（行属性被ダメージを除く場合は30%）を与え、さらにオートスキルで味方全体の火力を毎ターン底上げします。
その倍率差は最大で508%にも達し、敵専門だった暗闇特性をプレイヤー側が使用できる点も特筆すべきデータと言えるでしょう。
必殺技は「徹底指導だ！キャシィ！」です。
呪術師としての最期と遺した言葉
本編第147話において、五条悟さんの封印後、もとより呪術界上層部から危険視されていた夜蛾は拘束されます。
楽巌寺学長は夜蛾にパンダのような完全自立型呪骸の作り方を教えるよう問い詰めますが、夜蛾は「……はい」と答えて「知らん」と返答しました。
その後、パンダが拘束されていることを知った夜蛾は独房を抜け出し、パンダのもとへ向かいますが、そこに楽巌寺学長が立ちはだかります。
楽巌寺学長との戦いに敗北し、致命傷を負った夜蛾は、問い詰められる形で完全自立型呪骸の製造方法を語りました。
そして、楽巌寺学長に対し「呪い…ですよ 楽巌寺学長 私から アナタへの呪いです」という言葉を遺し、死亡します。
この最期のシーンでは、街灯に引き寄せられた蛾が夜蛾の死を暗示するかのように描かれており、印象的です。
夜蛾がパンダを息子と呼んだことや、バツイチという経歴から、「パンダは死んでしまった実子の魂から作ったのでは？」という読者による考察も存在します。
彼の死後、呪術高専東京校の学長の後任は不明であり、総監部も五条さんらに粛清されたため、後任決定には時間がかかる可能性が示唆されています。
まとめ
夜蛾正道は、呪骸製作の第一人者として類稀なる才能を発揮し、感情を持つ呪骸パンダを生み出した教育者でした。
彼は生徒への深い愛情と、自らが創造した生命体に対する「責任」、そしてその技術と知識を後世に「継承」する重みを、その生涯と最期をもって示した人物です。
彼の存在は、『呪術廻戦』の世界において、単なる呪術師の枠を超えた深遠な哲学を示していると言えるでしょう💡
